「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

フィギュア四大陸選手権2017で活躍した長洲未来選手を紹介

2017 4/20 11:07masumi
フィギュアスケート
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Aija Lehtonen/Shutterstock.com

2017年2月に韓国で開催された四大陸選手権・女子シングルには、日本でも人気の高い長洲未来選手が出場しました。 ここでは長洲未来選手の生い立ちやジュニア時代からの戦績もたどりながら、四大陸選手権2017における長洲選手の演技内容や結果をまとめます。

長洲選手とスケートとの出会い

長洲未来選手は、カリフォルニア州出身のアメリカのフィギュアスケート選手です。アメリカに住む日本人の両親のもとに生まれた日系一世で、漢字表記の名前のほかに「Mirai Aileen Nagasu」という英語名があります。
アメリカ人として育った長洲選手ですが、インタビューの際に日本語で一生懸命受け答えする姿もたびたび報じられ、スケーティングの魅力はもちろん、親しみやすい人柄でも人気を集めています。
長洲選手は5歳からスケートを始めており、そのきっかけは、「悪天候でゴルフに行けず、代わりに出かけたのがスケートリンクだった」というものでした。この天候変化をきっかけとして、長洲選手の才能の芽はこの後ぐんぐんと伸びてゆくのです。

花開いたジュニア時代

長洲選手の上達は目覚ましく、2002年には早くも全米選手権の予選に出場し始めます。 2006-2007シーズンには、同大会のジュニアクラスにおいて、初の本選進出で優勝という快挙を成し遂げました。同シーズンには世界ジュニア選手権にも出場し、初めての国際大会で銀メダルを獲得しています。
世界へと舞台を広げた長洲選手は、翌2007-2008シーズンにはジュニアグランプリシリーズに参戦します。連戦となるこの大会では、レイクプラシッドとクロアチア杯の2大会を優勝で勝ち上がり、進んだファイナルを優勝で飾りました。
このシーズンにはシニアクラスで出場した全米選手権でも金メダルを獲得し、史上2番目に若い14歳9ヶ月での優勝が大きな話題となりました。

苦難にも負けず前進するシニア時代

長洲選手は15歳となる2008-2009シーズンにシニアクラスへ移行します。このシーズンは急激な成長による体格の変化や怪我で調整に苦労しますが、2009-2010シーズンはバンクーバーオリンピックの代表権を勝ち取って初出場を遂げ、4位入賞と大健闘しました。
翌シーズンは右足首の疲労骨折で調整不足を余儀なくされますが、2011-2012シーズンにはネーベルホルン杯で、シニア移行後初となる国際大会での優勝を果たします。
その後も故障やさまざまなアクシデントに見舞われるも、シーズンごとに大会で上位入賞などの活躍を見せ、2016年9月のオータムクラシックでは見事優勝に輝きます。この大会では自己ベストの更新もあり、後に開催される四大陸選手権に向けても期待が高まっていました。

四大陸選手権。緊迫のショートプログラム

大会3日目となる2月16日、長洲選手の滑走順は最終グループの3番目です。
深い紫色の衣装でリンクに立った長洲選手は、開始位置につくと小さく1つ息を吐きました。曲はショパンの「ノクターン第20番」です。長洲選手は真っ直ぐに前を見つめ、バイオリンの音色と共に演技を開始しました。
静かな曲調に乗ってリンクを滑ると、3回転3回転のコンビネーションジャンプを鮮やかに着氷します。情感のあふれる演技で、スピンでも観衆を魅了しました。続くトリプルループでは少し軸が傾いて着氷が乱れましたが、次のダブルアクセルはしっかりと決め、最後は美しいピールマンスピンでプログラムを終えました。 ショート終了後の順位は5位につけ、フリーでの逆転を狙います。

四大陸選手権。渾身のフリースケーティング

フリースケーティングの最終グループは、ショートでの上位6人です。 緊張感漂う6分間練習が終わると、リンクには一番滑走の長洲選手だけが残りました。前日から一転、衣装は純白です。
長洲選手は開始位置につくと、意を決したように天を仰ぎ、曲の開始と共に滑り出しました。流れるのはサラ・ドーン・ファイナーの歌う「The Winner Takes It All」です。
冒頭、3回転3回転のコンビネーションジャンプを決めると、次のトリプルループでは余裕を感じさせる美しい着氷を見せます。後半に入っても3連続のコンビネーションなどすべてのジャンプを成功させ、スパイラルやスピンの美しさでもリンクを彩ります。
最後は得意のピールマンスピンで決めると、大きく何度もガッツポーズをしました。

まとめ

四大陸選手権2017で、長洲選手は自己ベストを更新して銅メダルを獲得しました。スケーティングの技術はもちろん、表現力にも厚みが増し、人々の心に響く演技が高い評価を得たのです。 シニア移行後は怪我との闘いも多かった長洲選手ですが、2018年の平昌オリンピックに向け、体調にも気をつけて頑張ってほしいと多くのファンが願っています。 「日本が大好き」と語る長洲選手を、日本のファンもずっと応援しています。