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フィギュアの採点ルール変更の歴史

2016 11/1 10:56
figure skating spin
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Photo by Alfaguarilla / Shutterstock.com

フィギュアスケートをよくテレビでご覧になる方へ。今でこそ得点を競う競技ですが、ある事件が起こるまでは「印象」で順位が決まっていた、などフィギュアスケートの歴史を知りたいとおもいませんか?そんなフィギュアスケートの採点ルールの歴史ついて紹介していきます。

フィギュアスケートは2002年まで「6.0ルール」を採用

フィギュアスケートのルールが大きく分かれたのは、2002年シーズンと03年シーズンの間です。02年シーズンまでは通称「6.0ルール」と呼ばれる方式が採用されていました。簡単に言うと、技術点、芸術点がそれぞれ6点満点でつけられていた時代のことです。ジャンプやスピンの技の一つ一つに得点があったわけではなく、技の出来栄えによって評価をつけていたのです。言い換えると、各国から選出された審判9人の「主観」によって点が決められていました。

個々の審判がつける順位点がランクを大きく左右するルール

旧方式では技術、芸術点のほかにも「順位点」という制度がありました。単純に技術と芸術点の合計で得点が決まるわけではなく、審判が試合の中で出場選手間の相対順位を出していました。ショートプログラムはフリープログラムの半分の点数で、ショートの1位は1×0.5=0.5で2位は2×0.5=1、フリーは1位が1×1=1で2位は2×1=2ということです。最終的に順位点が低い選手ほどランクが高くなるという意味です。
同一点の場合はフリーの順位によってランクが決まります。最終的に順位点をつけるために、個々の選手に技術点と芸術点をつける必要があったのです。

裏取引によって審判が順位点を操作、ルール変更の引き金に

旧方式は非常に複雑な採点制度でしたが、点数が「主観的」であるが故にある事件が発生してしまいました。2002年のソルトレイク五輪のペア競技で、ロシア代表がミスをしてしまい、後続のカナダ代表が完璧な演技を見せました。
しかし、順位はロシアが1位でカナダが2位。審判9人中、5人がロシアの1位を支持していたのです(カナダは1位が4人)。これを疑問視する声が相次いだことでジャッジを精査したところ、フランスの審判が「アイスダンスで自国の選手を勝たせることを条件に、ロシア組を1位にしてほしい」とフランスの連盟会長から口利きがあったことを証言。騒動によって国際スケート連盟(ISU)は、フランスの審判を削除した上で、同点となったカナダ組も金メダルとしました。

主観的な採点が排除され、個々の技が細かく得点化されるルールに

この騒動によって、採点方式は大きく変化します。まず、審判によるプログラムの主観的採点は排除され、些細なミスを犯しても他の技が優れていれば、質の低いノーミス演技よりも高い評価がされるようになりました。価値の高い技に対する取り組みは評価し、着氷ミスはそこから減点されるということです。
また、ソルトレイクのペア競技であったトラブルをなくすため、採点は全て匿名公開となりました。採点も技術点と芸術点の6点満点方式から、要素点と演技構成点を柱にして技を精査して加点、減点した結果の合計によってランク付けされました。

技のレベル判定、演技審査など審判の役割も変更

審判の「印象」によって得点が付けられるのではなく、技自体の得点に完成度をプラス(またはマイナス)評価した積み重ねによって得点が決まるのが近年のフィギュアの得点方式です。以前のように9人の審判がそれぞれ得点を出すのではなく、技の種類やレベルの判定員と、スケート技術や振り付け、曲の解釈に対する評価や構成点をつける演技審判よって得点が決定します。
また、フリープログラムでは同じ回転数、種類のジャンプは2度までしかできず、3度目以降は得点にならないなどの「無効要素」もあります。

まとめ

主観的判断から演技の点数化へ。フィギュアはソルトレイクでの裏取引による審判の不正事件をきっかけに明確な点数化へと進化し、細かいルール変更は今なお続いています。これによりトップ選手がプログラムをどう変えてくるのかにも注目して観戦してみると、よりフィギュアスケートを楽しめるでしょう。

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