「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

市場拡大するeスポーツが五輪に入る時代は来るか

2020 2/8 11:00田村崇仁
eスポーツは五輪競技になるかⒸゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

ゲームはスポーツ?東京五輪前に世界大会

コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」が近年の市場拡大で注目され、五輪の競技に入る時代が来るのか、議論が高まっている。そもそもゲームはスポーツかという根強い疑問の声もある中、2018年夏のジャカルタ・アジア大会では公開競技として実施され、人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」で日本チームが優勝。2020年東京五輪・パラリンピックを前にした7月には、半導体大手のインテルが「eスポーツ」の大規模な世界大会を東京都内で開催する計画だ。

プロは億単位の年収

eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略。電子機器のコンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツと捉え、観客は大型モニターなどで観戦する。ウイニングイレブン、格闘技の「ストリートファイター」などが人気で、欧米や中国、韓国などで高額賞金大会も実施され、世界で年間億単位を稼ぐプロも活躍している。

2018年8月、ロンドンで開かれた国際サッカー連盟(FIFA)主催のワールドカップ(W杯)で世界一に輝いたのは、18歳のサウジアラビアの少年だった。これも対戦型サッカーゲームで争うeスポーツの大会「eW杯」だ。ゲームは実力主義とあって、年齢重視の縦社会ではない。心理戦や体のメンテナンスを含めてストイックな生活を送る選手も多い。

2019年茨城国体でも初実施

eスポーツの普及は国内でも着実に拡大しつつある。2019年茨城国体では文化プログラムとして都道府県対抗大会が初めて開かれ、地元の茨城が総合優勝するなど大盛況だった。

2016年にサッカーや格闘技のゲームで争う「日本eスポーツリーグ」がスタート。「インテル・ワールドオープン」の名称で五輪前に世界大会を開くインテルは国際オリンピック委員会(IOC)の最高位スポンサーでもあり、6月にポーランドで代表チーム同士の予選を実施。人気格闘ゲーム「ストリートファイター」などで世界から参加を募り、7月22日から五輪が開幕する24日までの3日間、東京都・お台場で決勝を行う。サッカーに似たゲーム「ロケットリーグ」部門も設け、それぞれ高額賞金を用意している。

ゲーム障害は病、IOC「時期尚早」

一方で世界保健機関(WHO)は若者を中心にオンラインゲームをやり過ぎて正常な日常生活ができなくなる「ゲーム障害」を新たな疾病として認定。ゲーム障害は重症化すると、アルコールやギャンブルなどの依存症と並んで治療が必要な病気として警鐘を鳴らす。

若者人気に関心を寄せるIOCはゲーム業界と議論を進めており、最高位スポンサーを結ぶ中国の電子商取引(EC)大手アリババグループやインテルがeスポーツの五輪競技入りにビジネス面で期待を寄せている。

五輪の開催時期と合わせてイベントを重ねながら公開競技や実施競技入りを模索する動きは加速していくのか。IOCのバッハ会長は「eスポーツ産業の成長は無視できない」とした上で「対話の扉は開いているが、五輪に入れるかどうか話をするのは時期尚早」と慎重な考えを示す。一方で国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は「障害や年齢の壁もなく参戦できる。新たな時代の動きとして注視している」と受け止め、柔軟に検討していく構えだ。

おすすめの記事