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「中年の星」36歳・八重樫東が世界挑戦、歴代最年長記録は?

2019 10/20 11:00SPAIA編集部
最年長記録に挑む八重樫東Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

12・23ムザラネのフライ級王座挑戦

プロボクシングの元3階級制覇王者・八重樫東(大橋)が日本男子最年長世界王座奪取に挑むことになった。12月23日、横浜アリーナでIBF世界フライ級王者のモルティ・ムザラネ(南アフリカ)に挑戦。試合2日後に36歳10カ月となる八重樫が勝てば、長谷川穂積の35歳9ヵ月(2016年、WBC世界スーパーバンタム級)を塗り替えて日本選手最年長で世界王座奪取となる。

2011年にWBAミニマム級王座を獲得した八重樫は、2013年に2階級上げてWBC世界フライ級王座を獲得。さらに2015年にはIBF世界ライトフライ級王座を奪取して3階級制覇を達成した。

2017年5月、3度目の防衛戦で1回TKO負けして王座陥落後はスーパーフライ級に上げて4階級制覇を狙っていたがチャンスが巡ってこず、フライ級で王座挑戦することになった。

八重樫東戦績ⒸSPAIA

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ベテラン同士、KO決着濃厚

対するムザラネも37歳の大ベテラン。2009年に獲得したIBF世界フライ級王座は4度防衛後に返上、2018年7月に同王座を再奪取すると、初防衛戦で坂本真宏(六島)、2度目の防衛戦で黒田雅之(京浜川崎)と日本人選手を相手に2度の防衛を果たしている。

これまで40戦38勝(25KO)2敗の戦績を誇り、11月7日にWBSS決勝で井上尚弥(大橋)と激突する世界5階級制覇王者、ノニト・ドネアとの対戦経験もある。

28勝(16KO)6敗の八重樫は試合のたびに顔面を腫らしながら激しい打ち合いを展開することから「激闘王」の愛称がついている。強打のムザラネとも打撃戦は避けられず、KO決着となる可能性も十分だ。

世界最年長はホプキンスの48歳2カ月

歴代最年長で世界王座を奪った日本選手は長谷川だが、防衛に成功したのは内山高志の36歳1カ月。2015年の大晦日、フローレス(ニカラグア)に3回TKO勝ちし、WBAスーパーフェザー級王座11度目の防衛を果たした。

対象を世界以外も含めた全ての王座に広げると、野中悠樹(井岡弘樹)の41歳2カ月が最年長。2019年2月、細川チャーリー忍(金子)を破り、東洋太平洋ミドル級、WBOアジア・パシフィック・ミドル級王座を奪取した。

さらに世界に目を向けると2013年3月、バーナード・ホプキンス(米国)がIBFライトヘビー級を奪取した時の48歳2カ月が最年長。ミドル級と併せて2階級制覇したホプキンスは「死刑執行人」の異名を持ち、プロ通算で67戦した。

最年長記録ⒸSPAIA

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近年、トレーニング方法の発達等によりボクサー年齢は上がっている。「最高峰のおやじファイト」と意気込む八重樫は中年の意地を見せるか。

なお、当日はWBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)がスティーブン・バトラー(カナダ)を迎える初防衛戦、WBC世界ライトフライ級王者の拳四朗(BMB)がIBF同級王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)と戦う統一戦と合わせ、トリプル世界戦として行われる。