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4月9日、「RIZIN」榊原代表から格闘技界を驚かせるサプライズ発表があった。
ボクシング界の生ける伝説、マニー・パッキャオが4月21日に開催されるRIZIN.15（横浜アリーナ）の会場へ足を運ぶことで基本合意したと明らかにした。同時にパッキャオが推薦する、フィリピン南部に位置するジェネラルサントス出身の選手たちを中心に、今後は「RIZIN」の舞台へ送り出す契約を交わしたことも発表。その第一弾として、フリッツ・ビアグタンが那須川天心と対戦することが決まった。
ジェネラルサントスとはパッキャオの生まれ育った街で、いまだ紛争も絶えず荒くれ者たちが集うエリアとしても有名である。パッキャオは今でも地元へ帰ると、用心棒としてこのエリア出身の傭兵を雇っているくらいだ。
実は筆者自身もパッキャオの親族と個人的に交流があり、ジェネラルサントスへ招かれた経験が3度ほどある。パッキャオは、毎年12月に自身の盛大な誕生日会を行う。タイミングよく2016年12月にジェネラルサントスへ行く機会があったので、この年は誕生日会に招待された。
その時にも驚くほどのボディガードの数を目の当たりにしており、屈強な強面の集団が誕生日会でも目を光らせていたのを今でも鮮明に覚えている。彼らは何者なのかとパッキャオの奥方に聞いたところ、彼が育てているボクサーだと説明してくれた。
あの時の取り巻きの選手たちが「RIZIN」へ参戦してくるのかは定かではないが、パッキャオが送り出す選手たちはこのエリア出身の選手ばかりだと聞いているので、今後「RIZIN」へ送り込まれる選手たちは戦績以上に猛者集団であり期待が持てる。
現段階では「RIZIN」への自身の参戦については明言していないパッキャオ。ボクシングで現役続行を宣言している事情から、ラスベガスのプロモーターと今後のボクシングのスケジュール調整が終わっていない中「RIZIN」への来場が発表されたことで、まずは誤解なきように交通整理する必要があった。それゆえ、具体的な日程をほのめかすことさえも現段階では避けている。
とはいえ、4月21日のリングに上がるタイミングでは、様々な条件面をクリアして、「RIZIN」参戦実現へ前向きな発言がされる可能性が高いことも、既に関係者筋からの情報で明らかになっている。
こうなると気になるのは、令和元年の大晦日にパッキャオは参戦するのかという点だ。
既に榊原氏がパッキャオの大晦日参戦のラブコールをしているということが、パッキャオの親族への個別取材で明らかになっている。昨年の大晦日にフロイド・メイウェザーを日本のリングに上げてしまう榊原氏の辣腕ぶりを考えると、パッキャオが参戦する可能性は高いと思う。
では、対戦相手は誰になるのか。
昨年大晦日のメイウェザーvs那須川天心のエキシビジョンマッチに批判的な意見を発信しているパッキャオとしては本意ではないだろうが、RIZIN側はそれでも那須川天心を推しており、パッキャオの対戦相手候補の一人であることも既に通達している。日本での那須川天心の知名度や経歴、さらには人気の高さなどをパッキャオ陣営に細かく説明しているという。
加えて同階級で知名度のある日本人の総合格闘家ファイターを対戦相手候補として提案している。また現役を退いたボクサーで、世界タイトルを獲得した日本人選手の名前が数人ほど対戦相手の候補として挙がっているという。
これも興味深い点であるが、現段階でRIZINから正式な発表がない以上、ここまでにとどめておきたいと思う。
また、SPAIAで今年初めに記事にしたが、武尊と那須川天心の夢の対決が大晦日実現に向けて動いている点についても、消滅したわけではない。
大晦日の地上波放送で紅白を脅かすほどの視聴率を取れるビッグイベントになることが、榊原氏の思い描く未来像かと思う。次から次へサプライズを届けて日本の格闘技を盛り立ててくれている榊原氏だけに、次の一手が楽しみでならない。
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