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ボクシングの印象的な名試合と名実況

2017 1/30 21:11
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出典: Sergey Nivens/shutterstock.com

白熱するボクシングの試合を沸かす実況はボクシング観戦に欠かせないものだ。 アナウンサーの実況はボクシングの試合をさらに熱くさせてくれる。 ボクシングの試合の中で多くの観客の記憶に残った名実況を紹介していく。

名実況アナウンサーといえば逸見さん

故人である逸見政孝さんの実況は今も歴史に残るシーンを思い出させる。スポーツアナウンサーとしても活躍されていた逸見さんは、輪島功一さんの世界タイトルマッチをはじめ、数々のプロボクシング中継を担当していた。ボクサーより先に倒れてしまうのではないかと思われるほどの大絶叫は印象的だった。
柳済斗との試合で見せた、輪島さんのカエル跳びアッパーは、逸見さんの実況にも熱がこもっていた。生前、逸見さんはこの試合の実況を「アナウンサー人生で一番印象に残ったこと」とも表現されていた。

耳に残る名調子、本多当一郎の名実況

ボクシングをはじめ、大相撲やプロレスなどの格闘技を中心にスポーツ実況中継アナウンサーとしても名高い本多当一郎アナウンサー。ボクシング実況の大ベテランだ。
1967年アルゼンチンでの世界フライ級タイトルマッチ「海老原博幸VSオラシオ・アカバロ戦」、世界ヘビー級タイトルマッチ「アリVSヘレル戦」の実況中継は特に印象的だった。また「大場政夫VSチャチャイ・チオノイ戦」の1Rでの「大場苦しそう!」の連呼も有名だ。12Rでの大場の連打、そして防衛が強烈な印象を残した試合だった。

名勝負「辰吉VSシリモンコン戦」

「辰吉VSシリモンコン戦」「セレスVSガメス戦」という名勝負の実況を担当したのは鈴木健アナウンサー。いわゆる絶叫系ではなく、落ち着きのある喋り方かつ臨場感あふれる名実況は、ボクシングファンの間でも聞きやすい名実況として定評がある。
言わずと知れた名勝負「辰吉VSシリモンコン戦」は、解説の浜田さんの「ナイスボデー!」、中盤押され気味になったあとの逆転劇、「辰吉!辰吉!さぁ行け辰吉!!」という言葉がとても強烈に印象に残る、感動的な一戦だった。

世紀の対決「畑山隆則VS坂本博之戦」

2000年10月11日、横浜アリーナで行われたWBA世界ライト級のタイトルマッチ、世紀の日本人対決「畑山隆則VS坂本博之戦」の実況は石川顕アナウンサー。ライト級王者の畑山とハードパンチャーである坂本の試合は序盤から激しい打ち合いが続いた。
石川アナウンサーの「ライトアッパー!!」がよく耳に残っているほか、竹原慎二氏、鬼塚勝也氏の解説も印象的だった。坂本の激しいボディーブローに、畑山の素早いフック。後半10R始まってすぐの畑山の強烈な左フック、そして右ストレートが坂本にヒットした後の「まるでスローモーションのような?」という石川アナウンサーの実況。
これほど壮絶な試合はなかったかと思う。国内対決では一番人気のある試合ではないだろうか。

海外での伝説の試合「レナード VS ハーンズ戦」

海外での伝説の試合といえば「レナード VS ハーンズ戦」。1981年9月にアメリカ・ラスベガスで行われた試合で、実況は故人・杉浦滋男アナウンサー。まるで映画を見ているような実況はとても耳に残るものだった。
「ヒットマン」の異名を持つハーンズのフリッカージャブが綺麗に決まり、劣勢だったレナードが最後に逆転KO勝ちという伝説の試合で、ボクシングの醍醐味がぎゅっと詰まった一戦だった。 杉浦アナウンサーは、他にもマイク・タイソン、シュガー・レイ・レナード、マービン・ハグラーなど、スター選手たちのビッグマッチをアメリカからの衛星生中継で担当しており、解説のジョー小泉氏とコンビも見事だった。

まとめ

ボクシングの名試合、名実況。今も耳に残る、印象的なシーンが次々と蘇ってくる。 テレビで生中継、という機会は減ってしまったが、スポーツチャンネルを見始めると止まらない。見る者を虜にしてしまうのがボクシングである。