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夢と感動と愛を与えた日本ボクシング界の偉人5人

2016 7/23 23:12
ファイティング原田(右)Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

「名ボクサー」と呼ばれるボクサーは数多いが、その中で「偉人」と呼ばれるボクサーは誰になるだろうか。これまでにリングから夢と感動を与えた日本ボクシング界の偉人たちを紹介する。

「日本中に感動を与えた男」ファイティング原田

ファイティング原田が持つ19歳6ヶ月での王座戴冠という記録は、当時は日本人最年少、現在でも2位の記録だ。ファイティング原田はその後フライ級タイトルを失うものの、1965年に「黄金のバンタム」と呼ばれたエデル・ジョフレを破って世界バンタム級王座を奪取。日本人初の2階級制覇を果たし、4度の防衛を重ねた。

ファイティング原田の偉大さは、日本人で初めて世界ボクシング殿堂入りを果たしたことが証明している。世界ボクシング殿堂に入っている3人の日本人のうち、選手経験者はファイティング原田ただひとり。また、現在「ファイティング」という名が偉大な功績を称え、欠名扱いとなっているという話も、その凄さを語るエピソードだ。

「幻の右」ガッツ石松

現在タレントとして活躍しているガッツ石松も、日本ボクシング界の偉人のひとりだ。世界ライト級タイトルを5度防衛した名王者・ガッツ石松だが、タイトル挑戦は「番狂わせ」が生んだものだった。1970年1月に行われた東洋ライト級王者・ジャガー柿沢との一戦で、石松は世界タイトル挑戦がほぼ決まっていた柿沢に番狂わせの勝利。

その後、石松は同年6月にパナマでロベルト・デュランの持つ世界王座に挑戦し敗れた。さらに4年後の世界タイトルの奪取時も圧倒的不利の予想を跳ね返しての勝利だった。その後、約2年間世界タイトルを保持していたガッツ石松のボクサーとしての評価の高さは「幻の右」と呼ばれた強打でアジア人初の世界ライト級チャンピオンとなったこと、しかもことごとく劣勢を跳ね返してきたことが理由だろう。

三度笠をかかげてリングに上がり、「ガッツポーズ」という言葉の由来にもなったガッツ石松。派手なKOとパフォーマンスでファンを魅了した個性派王者は、間違いなくボクシング界の偉人だ。

「カンムリワシ」具志堅用高

日本人男子選手として最多記録となる世界タイトル13度防衛の記録を持つのが具志堅用高。今ではバラエティ番組での活躍が目立つが、まぎれもなく日本ボクシング界の偉人だ。

1976年に世界タイトルを奪取した具志堅は、以降13回のタイトル防衛に成功し、そのうち8回がKO勝ちと高いKO率を誇った。地元・沖縄での14度目の防衛戦。既に闘争心を失いつつあった具志堅は2度のダウンを喫し、TKO負けで王座から陥落した。

プロ転向後初の敗北を喫した具志堅はそのまま引退。世界タイトル13度防衛の金字塔は、今も日本ボクシング界に燦然と輝いている。

「サムライファイター」浜田剛史

浜田剛史は沖縄水産高校時代にインターハイで優勝し、名門・帝拳ジムから1979年にプロデビューした。持ち前の左の強打で現在も日本記録の15連続ノックアウトを達成。しかし、パンチ力が強すぎるゆえ、左拳を4度も骨折するという不運だった。

左拳を骨折している間、浜田は腐ることなく右手だけでサンドバッグを叩き続けた。1986年7月、待ち続けた世界タイトル挑戦の機会をようやくつかむ。

WBC世界スーパーライト級王者、レネ・アルレドンド(メキシコ)は37勝35KOの強打者。浜田は恐れることなく開始ゴングと同時に相手の懐に飛び込み、1ラウンド終了間際、ロープ際に追い詰めたチャンピオンの顎に強烈なパンチをクリーンヒット。腰が砕けたアルレドンドに左右の連打でたたみ掛け、ダウンさせた。

背中から倒れたまま微動だにしない王者。レフリーがテンカウントしても、ニュートラルコーナーで突っ立ったまま表情を変えず、ガッツポーズすらしない浜田に、両国国技館の大観衆は相撲で番狂わせが起きた時のように座布団をリングに投げ込んだ。

わずか189秒の劇的な王座奪取劇。「サムライファイター」と呼ばれた浜田のフィニッシュブローは、骨折している間も鍛え続けた右フックだった。

「ボクシングへの愛、家族への愛」辰吉丈一郎

歴代の日本人世界チャンピオンの中で、最もボクシングに対する「愛」を感じるのが辰吉丈一郎ではないだろうか。現在も「引退」を表明せず練習を続けている辰吉丈一郎は、網膜裂孔や網膜剥離を患った際、薬師寺保栄との統一戦に敗れた際など、何度となく引退の危機に瀕した。

そのたびに現役続行の道をを模索し、リングに上がり続けてきた辰吉丈一郎。2015年には次男・辰吉寿以輝がプロデビューを果たした。寿以輝に対し、父である辰吉丈一郎は厳しくも温かいコメントを残している。

ボクシングへの愛、息子への愛、さらに亡くなった父・粂二さんやるみ夫人への愛を胸に戦い続ける辰吉丈一郎も、日本ボクシング界の偉人のひとりだ。

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