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ボクシングの名勝負を生んできた4人の名レフェリー

2016 12/9 21:03
ボクシング
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Photo by Everett Collection / Shutterstock.com

ボクシングは1対1の真剣勝負で、非常に見る者を興奮させてくれるスポーツだ。ボクシングには過去に数々の名勝負があった。名勝負の一つ一つに、戦う前から試合を終えた後まで様々なドラマがあるが名勝負には名レフェリーが欠かせない。そんな名レフェリーのエピソードを紹介する。

殿堂入りの名レフェリー リチャード・スティール

リチャード・スティールは、2014年にレフェリーとして国際ボクシングの殿堂入りをした名レフェリーだ。 スティールは、元ボクシング選手でもあり、アマで12勝3敗、プロでは16勝4敗のキャリアを残している。
レフェリーとしては、ストップの早さが有名だった。特に強い印象を残した試合は、フリオ・セサール・チャベス対メルドリック・テイラー戦だ。当時パーフェクトレコードを誇っていたチャベスに対し、スピードを活かしリードを奪ったテイラーだったが、最終ラウンド終了残り17秒の所でチャベスの強打を浴びてダウンした。何とか立ち上がったテイラーだったが、返事をしなかったテイラーに対しスティールはKO負けを宣告。この結果は論争を呼んだ。
その他にもマイク・タイソン、シュガー・レイ・レナード、辰吉丈一郎の世界戦のレフェリーも努めた名レフェリーの一人だ。

1990年代に活躍した名レフェリー ミッチ・ハルパーン

ミッチ・ハルパーンは、アメリカで活躍した名レフェリーで、前述のリチャード・スティールに弟子入りをして1991年にレフェリーとしてデビューをした。 キャリアを重ね、1999年には世界的に注目を集めたオスカー・デラ・ホーヤ対アイク・クォーティー戦のレフェリーも担当した。 その他にもあのマイク・タイソンやレノックス・ルイスなどのビッグマッチのレフェリーを務めた。世界戦を努めた試合は、87試合にのぼる。
2000年3月12日には、日本で行われたWBA世界ライト級タイトルマッチ坂本博之 vs. ヒルベルト・セラノのレフェリーも努めた。 残念ながら33歳の若さで逝去してしまったが、その若さでありながら厳格で公正な判断を下せる事の出来た、魅力のある名レフェリーだった。

世界王者も取った名選手であり名レフェリー ベニー・レナード

ベニー・レナードは、アメリカの元プロボクサーで、1920年代に元世界ライト級王者にも輝いている。世界王座5度の防衛を誇り王者のまま引退したが、当時の世界恐慌で資産を失い再び35歳にしてカムバックを果たす。カムバック後は、何と18勝1分けの戦績をあげ、再び世界王座へ挑戦したが敗れて引退した。
引退後は、レフェリーとなりアメリカの各州で活躍し名レフェリーと呼ばれていた。 その後、1947年4月18日にニューヨーク州で行われた4回戦マリオ・ラモン対ボビー・ウィリアムズ戦にて1R途中に心臓発作で倒れ、そのまま死去した。最後までボクシングを愛した人だった。

レフェリーとして努めた試合は2万7千試合以上? 森田健

森田健は、元ボクシング選手でアマチュアで19勝4敗、プロで13勝5敗3分の戦績を収めている。選手時代には、世界王者にも輝いたファイティング原田とも試合をしている。
29歳でレフェリーとなってから務めた試合は、何と2万7千試合以上だ。内世界戦も97試合務めた。 WBA世界スーパーフライ級の鬼塚勝也の世界初防衛戦やWBA世界スーパーフライ級の飯田覚士対井岡弘樹戦のレフェリーも務めた。 2005年に70歳でレフェリーを引退した。その後は、JBC審判委員長を務め、後に事務局長にもなっている。

ラスベガスの名レフェリー ジェイ・ネイディ

ジェイ・ネイディは、ネバダ州アスレチック・コミッションのレフェリー資格を持つ国際レフェリーだ。主要4団体(WBA、WBC、WBO、IBF)の内、主にWBCとWBOの試合でレフェリーを務めた。
2001年に行われたザブ・ジュダー対コンスタンティン・ジュー戦では、ネイディの判定を不服としたジュダーがネイディを殴りかかるという事件が起きたが、ネイディは焦らずにパンチをかわしてネイディを睨み付け毅然とした態度を取った。 また息子のゼイビア・ネイディは、プロ野球の大リーグで選手として活躍した。

まとめ

いかがだっただろうか? 名勝負をこなす名レフェリーも昔はボクシング選手だったという方が多く、自信を持ってレフェリングする姿を見せてくれる。 なかなか注目されない陰の立場だが、あの時のレフェリングがあったから素晴らしい結果に終わった、記憶に残る試合になったという試合が数多くある。 ボクシングを観戦される時は、レフェリーもぜひチェックしてみてはいかがだろうか。