全国屈指の1コース受難の地!ポイントは「差し」にあり
平和島を攻略するうえで、一番覚えておかなければならない事。それは平和島は『差し水面』だという事だ。まくりでは無く「差し」である。理由は明確で平和島は事故防止のため、1マーク後の斜行に非常に厳しいボートレース場である事だ。
2コース、4コース、6コースの1着率は全国でそれぞれ2位の成績だ。6コースから最内を切り込んだ2014年平和島グランプリの茅原悠紀選手のイメージが強い方も多いのではないだろうか。
差してきた艇を絞り込むための斜行が出来ず、最内から差してくる艇をカバーできないので、「差し」そして逆転の「抜き」が非常に多いのだ。
まくりが決まりやすい条件
イメージの通りセンター勢も強い。5コースの成績は全国1位の成績だ。平和島でまくりが決まりやすいポイントは「向かい風5m以上」か「干潮」の時である。
なぜこの二つの条件が強いのか。ボートレースのセオリー通りになるが改めて解説すると、向かい風=スタートの時にスロー勢はスピードがつきにくく、ダッシュ勢の方が全速でスタートが切れるので有利である。また、干潮=プールの水が少なくなっているので、波がたちにくく思い切ったスピードターンができるという点でもダッシュ勢は有利である。
平和島は海に近い事と高層ビルからの吹き込み風、そして季節風を受けやすい立地という風が不定期に強くなる条件が揃っている。繰り返しになるが「向かい風5m以上」か「干潮」の時はまくり決着に要注意だ。
絶対的エースモーター『13号機』
次に今節の注目モーターについて触れておく。関東のファンの方はご存じの方も多いかもしれないがこの13号機は非常に好モーターで、伝説の平和島の36号機を思い出させる名モーターだ。
36号機は通算勝率は7.55、2連対率64%、3連対率78%24節使用され優出14・優勝5。(2001年5月26日~2002年5月21日で使用)お化けモーターとしか言いようがない伝説のモーターである。
今回注目の「13号機」は伝説の36号機には及ばないが、全モーター中唯一の6点台の勝率6.45を記録し2連対率49.3%、3連対率68.2%と選手を選ばず全項目で抜けた数字を記録している。特にこの13号機の優れた点は引き並みを超えるアシが秀逸。このモーターを引き当てたのは昨年のこのレースの覇者、吉川元浩選手。連覇なるかに注目だ。
優勝戦を徹底分析
ここまで平和島はインが弱いと散々言ってきた。あくまでも一般戦まで含めた全レースの統計データだ。では記念の優勝戦のみにフォーカスを当てるとどうなるだろうか。
逃げ3本、差し2本、まくり2本となった。まさに平和島らしい結果である。2019トーキョー・ベイ・カップは1号艇の下出卓矢選手が2コースからのスタートとなり、1号艇だが差し決着という珍しいレースだった。
では次に近3年間の全国で行われたSG24レースを振り返るとどうだろう。
なんと全24レースのうち18本が逃げ決着なのである。1コースの1着率は実に75.0%となり、平和島の1着率44.8%を遥かに上回る数字となるのだ。
それだけイン決着が多かったにも関わらず、3連単1番人気決着は2019年オールスター(福岡)のみである。
1桁人気の決着も24レース中10レースのみで15倍から50倍くらいまでのオッズでの決着が目立つ結果となっている。
2連単で見てみると、1-2(2回)1-3(5回)1-4(4回)1-5(5回)1-6(2回)と、1-2の決着が2回しかでていないのである。
優勝戦まで駒を進めてきたメンバーなだけにモーターは完調に近い状態で、引き波を越える事無くレースをすすめる事が出来る3コースや、臨機応変にまくり・まくり差しを狙える5コースの選手の方が引き波を越えなければならない差しを選択した艇よりも2着目に残りやすい傾向がはっきりと出たのである。
無観客とはいえ、舞台は東のメッカ平和島。平和島らしく締め切り直前まで色々な要素を加味しながらレースを楽しみたい。