【聖地その1】ボートレース発祥の地、大村競艇場(長崎)
ボートレース発祥の地として知られるのが、長崎県大村市にある大村競艇場です。通称「BOAT RACE 大村」。昭和27年、日本国内で初めて競艇競争が開催されました。大村湾に面しており、競走水面は海水となっているため、干満の差や風向きによりプレー環境が大きく変わってきます。
フードコートでは佐世保バーガーや長崎ちゃんぽんなどローカルフードが食べられることでも有名。キッズスペースやWi-Fiも完備され、ファミリーで1日過ごせる施設となっています。ナイター照明がなく、薄暮レースなどを開催することも大村らしさのひとつです。
【聖地その2】ボートレースファンのメッカ、住之江競艇場(大阪)
全国に数ある競艇場の中で、ボートレースファンに最も愛されているのが大阪市住之江区にある住之江競艇場です。通称「BOAT RACE住之江」。これまで、ボートレース界の1年を締めくくる賞金王決定戦や、その他主要SG戦が多く開催されてきました。
また、昭和の時代から野中和夫選手、松井繁選手などのトップレーサーを輩出、女子でも鎌倉涼選手という稀代の名手を生み出しました。1995年の植木通彦vs中道善博の名勝負の舞台となった聖地は、地下鉄・住之江公園駅から歩いてすぐという好アクセスも相まって、日々多くのボートレースファンが集う場所になっています。
【聖地その3】関東のボートレースファンが集う、戸田競艇場(埼玉)
関東のボートレース場として名を馳せるのが、埼玉県戸田市にある戸田競艇場です。通称「BOAT RACE戸田」。もともとは1940年に当時の日本政府が進めていた東京五輪開催のために整備されましたが、太平洋戦争が始まったことで五輪開催は幻に、開場も中止となります。
正式な開場は1954年。しかし戦後の復興の象徴である1964年の東京五輪開催に合わせて一時営業を停止し、軌道に乗り始めたのは五輪後の1970年代からでした。近頃は2020年東京五輪の開催地の候補として名も上がるなど、良くも悪くも五輪と縁のある競艇場です。
2015年に現役を引退、当時73歳で現役最年長レーサーだった加藤峻二選手が主に活躍した競艇場としても知られています。加藤選手の功績を称え、ニックネームをそのままつけたタイトルレース「隼杯」も開催されています。
【聖地その4】九州ボートレース界の中心、福岡競艇場(福岡)
九州地方で最大級のボートレース場として知られるのが、福岡市中央区にある福岡競艇場です。通称「BOAT RACE福岡」。福岡の商業の中心・天神エリアからも歩いて10分程度という好アクセスで、すぐそばを福岡都市高速が走り、マリンメッセ福岡などの大型施設や高層ビルもそびえる、極めて都市型のボートレース場です。
かつては竹中直人さんがCMキャラクターを務めたほか、有名芸能人が出演したり、地元のラーメン屋が出店するイベントが1年を通じて開催。5月には「どんたく特選レース」、7月には「山笠特選レース」など地域性豊かなレースが開催されます。
【聖地その5】都内にもあるボートレース施設、平和島競艇場(東京)
東京都大田区で1954年に開場したボートレース場として知られるのが平和島競艇場です。通称「BOAT RACE平和島」は、背後にマンションがずらりと並ぶ都市型の競艇場。江戸川・多摩川と都内に3つあるボートレース場の中で最も売上が多く、総理大臣杯や全日本選手権競走といったSGレースの会場になることもあります。
さまざまな飲食店が入る中で、知る人ぞ知る名店が「はまかぜ」です。おいしいもつ煮込みを500円で提供、平和島を訪れるボートレースファンの胃袋を満たしてきた老舗も魅力の一つです。
まとめ
本稿で紹介した5つの聖地のみならず、どの競艇場も、かつては若者が近づきにくい印象がありましたが、現在ではファミリー層も訪れやすくなっています。時代とともにニーズは変遷しますが、水上での熱い戦いぶりは変わることはありません。これからも名勝負が生まれる舞台として存続し続けるでしょう。