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令和元年のBリーグで活躍期待の若手選手

2019 10/19 11:00ヨシモトカズキ
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プレータイムを獲得した滋賀の“元A東京”コンビ

開幕してから数試合が終わったBリーグ。新人はもちろん、環境を変えて開花が期待できそうな若手選手が奮闘している。

昨季、新人王に輝いたのは、シーズン中盤にシーホース三河へ加入した#2岡田侑大だった。今季、岡田のようにインパクトを残せる選手はいるのだろうか。可能性を秘めた若手選手を紹介する。

一番に名前を挙げたいのは、滋賀レイクスターズ#2齋藤拓実だ。学生時代から能力の高さは折り紙付きだったが、選手層が厚いアルバルク東京では2シーズンで僅か37試合の出場に留まったため、今季は出場機会を求め滋賀に期限付きで移籍。この移籍は、絶対的な司令塔が不在だった滋賀に見事マッチしたようで、開幕からスタメン出場し平均で2桁得点かつアシストも5本以上を記録。A東京在籍時とは比べものにならないほどに存在感を示している。滋賀にとって待望の正ガードが誕生したのだ。

同じく、A東京から移籍した#6シェーファーアヴィ幸樹も確かな成長の跡が見られる。インサイドで体を張りながら、すでに2桁得点を2度も記録。試合の貢献度を示すPIRも高水準で、チームになくてはならない選手だ。今夏は日本代表選手としてワールドカップも経験し、世界レベルを体感している。

ともに期限付き移籍ということが惜しいが、今季、滋賀の躍進のカギを握る選手と言っても過言ではない。

シューター不在の富山に中距離が得意な前田が食い込む

3Pシューターの大塚裕土が川崎ブレイブサンダースに移籍し、シューター不在となった富山グラウジーズ。その穴埋めを任されたのは、ここまで及第点の活躍を見せている新人の#12前田悟だ。

青山学院大学時代の前田は、ミドルシュートを武器に下級生のときから活躍。今季はその距離を伸ばし、3Pシューターとしての役割を託された。その期待通り、初戦で4本の3Pシュートを含む22得点を記録。少々調子の波があるものの、平均10点を超える活躍を見せている。体の当たりも強く、ディフェンスでも存在感を発揮。大塚の退団により、空いた穴を見事に埋めている。

主軸の#34ジョシュア・スミスをケガで欠く厳しい局面のチームだが、前田の外角シュートで打開したいところだ。

異色の経歴を誇る中村はベテランが多い京都をけん引

現在アメリカに渡っている馬場雄大(テキサス・レジェンズ)は、大学に籍を置いたままA東京に入団したが(その後卒業)、同様に大学に在籍したままBリーグに飛び込んだのが京都ハンナリーズ#6中村太地だ。

おそらく、今後出てこないであろう異色の経歴をたどっている中村は特別指定制度を利用し、大学1年時には三河、2年時には富山、そして昨季は横浜ビー・コルセアーズと、毎年所属クラブを変え入団している。そして今季は、京都と本契約を交わした。

一戦力として中村を獲得した京都では、これまでの試合全てで先発出場。昨季までの中村は、大学の授業やチーム練習の合間を縫ってクラブに参加していたため、他選手とプレーを合わせることに時間がかかった。だが今季は、京都でのプレーに専念しているため、チームに溶け込むのが早い。

22歳ながら堂々たるゲームメイクでベテラン選手が多い京都の面々をリードし、チームの連勝に貢献。シュート率の改善が目下の課題ではあるが、190㎝の司令塔は魅力。高校時代からガードを務めていたため、場数は踏んでいる。視野も広くIQも高いのでBリーグのフィジカルやディフェンスの激しさに慣れれば、成績の向上に期待ができそうだ。