得点王は2年連続でガードナーが獲得
3季目のBリーグはレギュラーシーズンが終わり、チャンピオンシップや残留プレーオフとポストシーズンに突入した。その一方でどちらにも出ていないクラブはオフ期間に入り、早くもヘッドコーチの契約満了や選手の退団が発表されている。
そんな中でBリーグの個人賞となる各部門のリーダーズが発表された。
栄えある得点王は、2年連続で新潟アルビレックスBB#54ダバンテ・ガードナーが獲得した。203cm、132kgという強靭な肉体だけでなく高いクイックネスと巧みなステップで得点を量産してきた。
しかし得点自体は、出場時間が平均6分増えながら昨季の28.7から27.6に微減、3P%は7近く下降している。
一方でペイント内でのシュート本数が増え、1試合平均14.7本の試投に対し、成功数は9.6。これはキャリアハイの数字だ。今季のガードナーは試合の中で外角シュートが不調だと判断したら、すぐさまよりゴールに近い位置でのプレーに変える柔軟なプレーが光った。
その証拠にFG%は57.6%と昨季よりもアップ。得点が減った一方で、一本一本の精度は向上した。
またFT試投数に関しても、本数は平均1本以上減っているものの、2番目に多い秋田ノーザンハピネッツ#40ジャスティン・キーナンよりも60本以上多い。
アシストの本数も増え、今季のガードナーはただ点を取るだけではなく、安定感を示しながら周りを生かす部分でも存在感を放っていた。
アシスト王に輝いたマブンガはリーグ1の万能選手か
チャンピオンシップ出場を逃したものの、京都ハンナリーズ#32ジュリアン・マブンガの今季の活躍は素晴らしかった。
平均出場時間は驚異の38.3分で、多くの部門でキャリアハイの成績を残した。昨季比では得点が平均6点、リバウンドが3.9本アップ。とりわけアシストは、4.4本と倍以上に成績を伸ばしている。
今季のマブンガは正ガードの度重なる故障でボール運びを務めるなど、京都のオフェンスの起点となっていた。そこからのパスを確実に得点に結び付けた#50デイヴィッド・サイモンや日本人シューター陣の活躍も大きいが、判断力や視野の広さで攻撃をまとめた。
ターンオーバーが1試合平均3.7本と多いものの得点とリバウンド、アシストでトリプルダブルを6回も記録し、“BリーグのMr.トリプルダブル”と呼ぶにふさわしい活躍だった。
なお、リバウンドは大阪エヴェッサ#55ジョシュ・ハレルソンが初受賞、フリースロー王はシーホース三河#14金丸晃輔が3年連続で輝いた。
秋田残留の要となった2選手もタイトル獲得
絶対的なエースが不在ながら、チームバスケットとタイムシェアでB1残留を決めた秋田ノーザンハピネッツ。チームスタッツでも得点71.3はリーグ16位、失点78.2はリーグ10位と特段いい数字というわけではなく、FG%と3P%、平均アシストに至っては主に17位とオフェンスで苦しんだ。
その一方で、平均スティールは8.2で1位、平均ブロックも2.9で4位とディフェンス面が光った。この2つを牽引したのは#17中山拓哉と#43カディーム・コールビーだ。中山はウイングスパンの長さと読みの鋭さを兼ね備え、B2だった昨季に続いてスティール王のタイトルを獲得。B1の当たりの強さにも屈せず、身体能力に優れる外国籍選手を抑えての1位だった。
またブロック王に輝いたコールビーもB2から2年連続での受賞だ。206cmと決して高さに恵まれているわけではないが、中山同様ボールへの読みが素晴らしく当然ながら身体能力も高い。今年1月26日の横浜ビー・コルセアーズ戦ではリーグ記録タイの8本のブロックを記録。中山とともに、粘り強いディフェンスを生んだ立役者だ。
3P%成功率は千葉ジェッツ#27石井講祐が称号をつかんだ。シーズン最終節でリーグ規定の成功数90に乗せて、成功率1位に躍り出た。平均得点6.6のうち約7割が3Pシュートからの得点だった石井。3P職人として、初のタイトル獲得となった。