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【Bリーグ第35節】千葉が2季連続地区優勝 盟友で掴んだチームのタイトル

Bリーグ,千葉ジェッツ,田口成浩,富樫勇樹,アルバルク東京,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY2前半】A東京・馬場にアタックを許すも、2点リードで折り返す

千葉は立ち上がりから、#2富樫勇樹のフローター、#3マイケル・パーカーの速攻からの得点など、残り5分を迎えるまでに7点リードする。その後、A東京#10ザック・バランスキーにバスケットカウントを許す他、点差を詰められる場面があったものの、千葉はエンドラインから走った富樫がオフェンスリバウンドをし、そこから#1ジョシュ・ダンカンがダンクを叩き込むと、再びペースアップ。A東京のパスが乱れ、ボールを奪った富樫がファストブレイクを決めれば、最後は#3田口成浩からパスを受けたパーカーが3pを沈め、千葉が9点リードで1Qを終了した。

2Q、開始して1分ぐらいから、A東京・#6馬場雄大にペースを奪われる。ケガで欠場した#24田中大貴に代わりスタート5を務めた馬場。その馬場はリングに向かってアタックをして流れを掴むと、得意のスティールから得点を重ね、オフィシャルタイムアウトまで一人で10点を稼ぎ、千葉に3点差まで接近した。

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タイムアウト明け、千葉は再び馬場のスティールから#1小島元基にファストブレイクを許す。しかし#21ギャビン・エドワーズのバスケットカウントで、A東京に行きかけた流れを取り戻す。

A東京#53アレックス・カークに得点を許すなど、終盤に向けて厳しい展開になったが、千葉が2点リードで前半を折り返す。

【DAY2後半】千葉が2季連続地区優勝 富樫を中心に得点

後半に入り、ターンオーバーからA東京#15竹内譲次にダンクを決められるが、エドワーズ、#10アキ・チェンバース、そして富樫の3pで加点し、パーカーの好守備もあってA東京に得点を許さなかった。

中盤に入ったところで、A東京#51ミルコ・ビエリツァがアンスポーツマンライクファウルを取られ、そこからさらにペースを握りたい千葉。しかし#27石井講祐がフリースローを2本外し、その後の攻撃でも富樫がオフェンスファウルを宣告されてしまう。

一方、千葉のペースから流れを変えようとしていたA東京。小島がスティールから速攻を狙うも、バランスを崩してトラベリングをコールされて、チャンスを逃した。ピンチを脱した千葉は、A東京と点の取り合いになるものの、セカンドチャンスからダンカンが押しこみ、さらに富樫がA東京#2齋藤拓実との1on1から3pを沈めて、12点リードで最終Qを迎えた。

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4Q、千葉はA東京に立ち上がりから得点を重ねられ、5点差まで詰められる。タイムアウトでA東京の流れを止めると、千葉は富樫のアシストから石井が3pを入れ、富樫も自ら3pを決める。直後にパーカーがアンスポーツマンライクファウルを宣告されるが、リバウンド争いでもチームで粘りを発揮し、A東京に得点を許さない。

オフィシャルアウト後、千葉は富樫を中心に得点を重ねリードを広げると、最後はエドワーズがダンクを叩き込み試合終了。千葉がA東京を87-76で下し、この瞬間2季連続の東地区優勝を果たした。

「強え~なと思った」田口成浩

千葉が、持ち味を存分に発揮した試合だった。DAY1は出だしから得点が伸びない中ロースコアで勝利し、地区優勝へのマジックを「1」としていた。そして、この日シーズン50勝に乗せると同時に、東地区優勝を2季連続で達成した。

「ホームで地区優勝を決められてホッとしている」と大野篤史HCは、記者会見の冒頭に語る。2日間とも入場者が5000人を超えて、2階自由席奥の通路では立ち見客で溢れていた。当然のように千葉に対する応援コールもコート上に大きく響き、選手やスタッフの後押しになっていた。
そして、田口も秋田から千葉に移籍した最初のシーズンで、地区優勝の瞬間を迎えることになった。

「シーズン前から地区優勝を含めて、目標にしていたので達成できてうれしい」と田口は話す。昨季も秋田で地区優勝を成し遂げ、bjリーグ時代から数多くの大舞台を踏んでいる。改めて千葉で地区優勝を迎えた意義を語ってもらった。

「強豪と呼ばれる東地区の中、さらに最高勝率で優勝できたのは嬉しい。ここでなければ経験できない事、最高の経験をさせてもらった」と喜びに浸り、地区優勝を決めた瞬間「強え~な」と感じていたという。

Bリーグ,千葉ジェッツ,田口成浩,富樫勇樹,アルバルク東京,Ⓒマンティー・チダ


「東地区の中で優勝ができたので、客観的に見て強いと思った。自分もチームメイトだけど、本当に強いと。もっともっとチームの一員として、チームにプラスになれるようにしなければ、周りからも認めてもらえないし、選手としても成長はできない。レギュラーシーズン残り2試合とチャンピオンシップで結果を残して、自分の名前を覚えてもらえる様にしたい」と優勝した喜びと同時に、気を引き締めていた。

「遠慮なく言ってくれるのですごく助かった」富樫勇樹

「栃木と3ゲーム差だったので、このままいけば優勝できるだろう」エースの富樫はそう考えていた。だから“焦り”もなかったようだ。

「地区優勝を成し遂げて嬉しいが、昨季ほどではなかった。地区優勝で勝ったとしても、チャンピオンシップに勝たないといけないという気持ちの方が強い」と、喜んではいたが昨季のこともあってか、すでに先を見据えていた。

今季は開幕から川崎に連敗して始まった。エドワーズの合流が遅れ、富樫も代表活動の影響を持ったまま、試合を迎えていた。しかし、チームは少しずつ調子を取り戻し、10連勝を経験するなど、終わってみればシーズン最高勝率で優勝を成し遂げた。

富樫にとっては、秋田で一緒にプレーしていた田口の存在が大きかったようだ。「最初の30試合、(田口は)どのリズムで自分が打てばよいのか、ディフェンスの駆け引きでかなり悩んでいた。最近の20試合では、シュートの確率も上がってきたし、ディフェンスの信頼もチームとしてもあると思う。そこは彼が必死にやってきた結果だと思う」と田口を思いやる。

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「秋田時代一緒にやっていて、またどこかで一緒にやりたいと思っていた。今季また一緒にできて、さらに結果を残すことができたのは嬉しい」と富樫は、盟友と共に過ごしたシーズンを振り返った。

「遠慮なく色んなことを言ってくれるので、チームの中であまり声を発する選手がいない中、すごく助かった」と田口に感謝する。

富樫も今や日本を代表するポイントガードになった。しかし、富樫の原点は秋田に所属していたころまで遡る。当時の中村和雄HCに期待され、田口と共に大きく成長して今日がある。いろんなことを言い合える存在が同じチームにいることは大きい。

千葉が念願のBリーグ制覇を達成した瞬間、盟友たちの念願がかなう瞬間でもあるかもしれない。