B1同様に東地区はハイレベル
世間的にはB1ばかりが注目されているBリーグだが、コアなファンにとってはB2クラブの動向も気になるところである。特に自動昇格や入替戦が懸かったプレーオフには、僅か4クラブしか進むことができないため、シーズン終盤になるとB1以上に熱い戦いが続く。今回はそんなB2の現状を見ていく。
東地区は群馬クレインサンダーズ、茨城ロボッツ、仙台89ERSの3チームが勝率6割を超え、激しい上位争いを演じている。当初は外国籍選手を含め、戦力の充実している茨城が首位を走っていたが、仙台が追走。ともに観客動員数も好調だ。
茨城は外国籍選手の安定に加え、#2福澤晃平、#25平尾充庸、#27眞庭城聖の3名が2桁得点を記録と、攻撃力はB2トップクラス。対する仙台は、桶谷大ヘッドコーチの組織的なバスケットとディフェンスがフィットし、2年目の#7澤邉圭太がブレイク。ベテラン選手も心強い。
そして序盤こそ噛み合わなかったが、15連勝を記録するなど一気に上位に躍り出た群馬。その中心は、平均30得点近い高い得点力でチームを引っ張る#1トーマス・ケネディーだ。だが、現在群馬は観客動員数が低迷しており、成績が伴っていても昇格ができない状況に直面している。チームはもちろん、フロントの努力も必要になってくるだろう。
B2首位を走る信州だがアリーナ問題に直面
シーズン当初から、信州ブレイブウォリアーズが首位を走る中地区。信州は今季、#11石川海斗、#50ウェイン・マーシャルら中堅からベテランを加えた。これが功を奏し、昨季から在籍していた#5武井弘明、#55アンソニー・マクヘンリーといった存在もあり、強固なディフェンスで相手をねじ伏せ、平均失点はリーグトップを記録している。
ところが、気になるのは群馬同様にB1ライセンス取得が難しいこと。これまでホームタウンにしていた千曲市での5,000人のアリーナ確保が難しく、他の自治体に協力を要請しなければならない。成績が好調なだけに、何とか解決したい問題だ。
信州の後を追いかけるのは、ファイティングイーグルス名古屋。仙台や信州から勝ち星を挙げるなど状態は上向き。中地区の首位争いは信州とFE名古屋に絞られそうだ。
実績十分の西地区は今季も予想不可能
昨季入替戦に進んだ熊本ヴォルターズ、一昨季入替戦を戦った広島ドラゴンフライズ、そして昨季はB1に所属していた島根スサノオマジックと、実績を備えたクラブが名を連ねている西地区。毎年ハイレベルな地区となっているのだが、やはり今季もレベルが高い。
序盤は多くの選手を入れ替えた広島が先行。#2朝山正悟や#24田中成也など、ウィング陣としたバランスの良い得点力が魅力のチームだ。しかし、今季を勝負の1年と定めた熊本が下馬評通りの強さを発揮し、広島と同等の成績となっている。
熊本は司令塔の#2古野拓巳、200cmの#1中西良太とB1レベルの選手に加え、#23チェハーレス・タプスコットが中心。今季はとにかくケガ人が多く、なかなか思い通りの布陣でプレーができてはいないが、それでも上位に位置付けているのはさすがと言える。
そしてスタートダッシュに失敗した島根が、ここにきて勝利を積み上げている。大きくメンバーが変わった島根もケガ人が多い状況だが、#8グレゴリー・エチェニケ、#18相馬卓哉、#25ロスコ・アレンを軸に踏ん張り、茨城に連勝するなど上り調子である。
ここまでいくつかクラブ名を挙げたが、先述通りプレーオフには4クラブしか進出できない。3地区の優勝と各地区2位クラブのうちの1位(=ワイルドカード)に限られ、特にワイルドカードの争いは、毎年1勝、2勝を争う戦いだ。
B1からB2に降格することと同様、B1昇格にもクラブの命運が懸かっている。国内の最高位のB1を目指すB2クラブの戦いにも、注目していただきたい。