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琉球の組織力は盤石!地区首位を独走中 【Bリーグ西地区】

2018 12/19 11:00SPAIA編集部
バスケット選手,ⒸShutterstock.com
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並里、岸本、橋本がうまく共存、攻守に充実

今季のBリーグは1/3が終了し、上位と下位の差がはっきりし始めてきた。そこで地区ごとに18クラブの戦績から、好調の要因や改善点を探る。第3弾は西地区。

強固なディフェンス力を発揮し、昨季はセミファイナル進出まで躍進した琉球ゴールデンキングス。ただ彼らにとってそれはゴールではなく、あくまで通過点だった。

今季も大型補強を行ったが、ガードを主体にバスケットを展開する佐々宜央ヘッドコーチにとって朗報だったのが#1橋本竜馬と#3並里成の加入だ。

すでに#14岸本隆一というフランチャイズプレーヤーがいる中での加入だったが、主に並里がゲームメイク、岸本が得点、橋本がディフェンスとリーダーシップで存在を発揮し、うまく共存。その上で佐々ヘッドコーチの目指すスマートなバスケットを展開している。

現に平均ターンオーバーは、昨季の14.1から10.6に減少。単純計算で1試合当たり3.5回攻撃回数が増えていることになる。

また、昨季リーグで最小を誇った平均失点は、今季も69.8点で1位(アルバルク東京とタイ)。さらに#12ジェフ・エアーズ、#40ジョシュ・スコットが加わったことでインサイドに柱ができ、オフェンスも安定するように、昨季はケガもあり不振に終わった、#51古川孝敏も好調だ。

攻守ともに組織力が高く、他地区の上位クラブからも地力で勝利するなど、今季の充実ぶりが伺える琉球。彼らの目標は地区優勝ではなく、あくまでリーグの制覇だ。

大黒柱不在時に課題を残す名古屋D 京都は外国籍選手の負担軽減がカギ

琉球同様にスタートに成功した名古屋ダイヤモンドドルフィンズだが、12月に入って足踏み状態だ。

その理由は、#2マーキース・カミングスへの依存度が高いことだろう。

192cmというアンダーサイズながら、驚異の身体能力とスピードを生かして25点近い平均得点を叩き出しているスコアラーだが、どうしてもミスマッチというハンデを負わなければならない。

そのため外国籍選手の登録の関係でベンチ外になる試合もあるが、カミングス不在時は1勝5敗、平均得点は81.8から71に低下しており、全く別のチームに変わってしまうのである。

他の外国籍選手の奮闘はもちろんながら、マークが厳しくなっている#9安藤周人の復調が求められる。今季はオフェンスで活路を見出しているだけに、その路線のバスケットを展開できるかがカギになりそうだ。

同様の課題は同地区3位の京都ハンナリーズにも言える。

開幕前に所属選手の不祥事があり、編成が遅れてしまった京都。それでも勝ち星が先行し健闘しているが、とにかく#32ジュリアン・マブンガと#50デイヴィッド・サイモンの負担が大きい。

フル出場を含め、40分を超える出場時間があったマブンガが4試合、サイモンが7試合。平均出場時間は18試合以上出場する選手の中でワンツートップだ(マブンガが38.2分、サイモンが37.2分)。11月に#23シャキール・モリスを獲得し、負担は和らいだが、いまだ依存度は高い。

ただこの2人の大車輪の活躍で幾多も接戦を制しており、起用法はなかなか難しいところ。 特にマブンガは21.4得点、9.1リバウンド、9.1アシストと平均トリプルダブルを達成してしまいそうな成績を残している。

#3伊藤達哉、#7晴山ケビンが確実に成長しているだけに、2人の外国籍選手の健康状態に留意しながらシーズンを戦っていきたい。

光明見えるも波の激しい下位3チーム

京都に続き4位に付けている大阪エヴェッサは、序盤の#27熊谷尚也の不調とケガが響いた。ただ熊谷は徐々に調子を上げてきており、前半と後半の立ち上がりの失点をもう少し減らしたいところ。

昨季よりも序盤で勝敗が決まる試合は減ったものの、依然立ち上がりに課題を残しており、これが不安定な試合展開に起因している。

5位と6位の滋賀レイクスターズとライジングゼファー福岡は残留プレーオフ圏内から抜け出したい。

滋賀はシーズン前から不安視されていた柱の不在をやはり露呈。#32狩野祐介の奮闘や12月に入って目覚ましい活躍を見せる#1西裕太郎と、いい話題はあるものの接戦時の弱さが目立つ。

また福岡はヘッドコーチ交代などでチーム内が安定せず、日本人選手の調子が蓋を開けてみないと分からないという状況が続く。

安定したスコアラーがおらず、ディフェンスで崩壊する試合も多い。得点でチームを引っ張り、若手として活力を与えている#13津山尚大が希望となるか。