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【Bリーグ第1節】アルバルク東京、SR渋谷との東京ダービーを制す

2018 10/11 11:00マンティー・チダ
アルバルク東京,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】互角な戦いが続き、A東京が1点リードで前半終了

昨季のBリーグ王者アルバルク東京(以下A東京)はFIBAアジアチャンピオンズカップ出場後1週間という厳しいスケジュールでBリーグ開幕戦に臨んだ。サンロッカーズ渋谷(以下SR渋谷)をホームに迎え、DAY1は73-71、DAY2も87-79と連勝し好スタートを切った。

DAY1の立ち上がりからSR渋谷#6ロバート・サクレらが得点を重ね、優位に試合を進める。

一方のA東京は残り4:55、#24田中大貴に代わってコートに入った#6馬場雄大が、自らのディフェンスリバウンドから成功させたファストブレイクで同点に。同じタイミングでコートに入った筑波大学時代のライバル、SR渋谷#14杉浦佑成とマッチアップしながらも気負うことなく制していく。

アルバルク東京

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残り2分前後には、SR渋谷#34ライアン・ケリーにダンクを含めた2連続得点を許し逆転される。しかし、ここでも馬場が3pシュートなどで1点ビハインドまで持ち直し、1Qが終了する。

2Q早々に、#53アレックス・カークと#10ザック・バランスキーの得点で勝ち越しに成功したA東京。速攻から#15竹内譲次を経由し、最後はカークが決めたダンクで5点リード。

残り7:44にタイムアウトを請求したSR渋谷。その後も5点差のまま試合は進むが、残り4:54でSR渋谷の#1清水太志郎が2点差に詰める3pシュートを炸裂させ、オフィシャルタイムアウトを迎える。

オフィシャルタイムアウト後も、A東京・馬場がスティールからファストブレイクを決めれば、SR渋谷・ケリーも逆転となる3pシュートを入れるなど、一進一退の攻防が続く。残り2:48にはA東京がタイムアウトを請求したものの、終盤に向かって拮抗した展開は続き、A東京が1点リードで前半を終える。

【DAY1後半】SR渋谷に粘られるが、A東京がカークの得点で勝利を決める

後半に入り、A東京・カークが得点を挙げるも、サクレのミドルシュートとケリーの3pシュートで再び勝ち越しに成功するSR渋谷。しかし、A東京・田中のゴール下からのジャンパーと#3安藤誓哉のレイアップが決まり、またしても両者同点に。残り1分を切ってからSR渋谷・#0満原優樹の個人ファウルが続きA東京にフリースローを献上するが、何とか踏ん張り3点差で次につなげる。

4Qに入っても拮抗した展開は続く。オフィシャルタイムアウトまで6点にリードを広げたA東京だったが、ここからSR渋谷の猛攻が始まる。A東京がファウルを重ね、ケリーが着実にフリースローを沈めていく。そして、レイアップを決めて同点にする。A東京は残り2:43にタイムアウトを請求し粘りを見せるが、#9 ベンドラメ礼生が3pシュートを入れて、SR渋谷が再び逆転に成功する。

アルバルク東京

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残り2分を切ってA東京も意地を見せる。今季から採用された新ルールに活路を見出し、タイムアウトからの再スタートを、フロントコートのサイドラインからの14秒プレーではなく、バックコートのエンドラインからの24秒プレーで選択。カークが1度はシュートを外したものの、オフェンスリバウンドからポゼッションを獲得すると、3pシュートを沈めて1点を勝ち越す。

ここでSR渋谷は残り51.1にタイムアウトを請求。何とか粘りたいSR渋谷は、ベントラメが得点し1点リード。しかし、A東京もカークがバスケットカウントとなる3点ショットを成立させて2点差に。

SR渋谷は、タイムアウトを請求せずに攻撃へ転ずると、A東京・バランスキーがディフェンスファウル。残り12秒のタイミングでSR渋谷はタイムアウトを請求。直後に#24広瀬健太のシュートが外れ、次の守備で満原がディフェンスファウルをコールされ、獲得したフリースローをカークが着実に沈めて4点リード。

これで勝負あったかと思われたが、SR渋谷はベントラメの厳しい体勢からの3pシュートが炸裂。そして、ファウルゲームに持ち込むが、A東京・田中のフリースローが1本決まり勝負あり。A東京が73-71でSR渋谷を下した。

「誰とマッチアップするにしても集中力は切れなかった」A東京・馬場

2年目を迎えたA東京の馬場雄大は、主力としての風格が漂っていた。日本代表の一員としてW杯アジア2次予選を戦い、オーストラリア、イランに歴史的勝利を果たすなど大きな経験をし、チームに合流した。

アルバルク東京

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1Qの途中からコートに入った馬場は、同じタイミングでコートに入った大学時代のライバル、SR渋谷・杉浦とマッチアップをする。馬場自身「杉浦は特別」と表現するが、攻撃面ではリバウンドからファストブレイクを決め、守備面では杉浦を無得点に抑えライバル対決を制した。

次に待ち構えていたのが、元NBAで今季からSR渋谷に加入したケリーとのマッチアップだった。「ポストアップもアウトサイドシュートもできるので、何でもできる選手だなと思った」と馬場が話す通り、SR渋谷の新たな得点源となっていた。

しかし「誰とマッチアップするにしても集中力は切れなかった」と続けた馬場はケリー以上の仕事を果たす。得意のスティールからファストブレイクを決めるなど見せ場も作り、ダンクと見せかけてダブルクラッチを炸裂させれば、コーナーからのシュートを確実に入れるなど引出しも増えていた。

厳しい日程の中、昨季のリーグ王者としてマークされる立場となるチームを2年目の主力が引っ張っていく。

「この負けは前向きに捉えている」SR渋谷・ベントラメ

ジャカルタで行われたアジア競技大会で様々な困難を乗り越え、チームに合流したSR渋谷・ベンドラメ礼生。今季はベントラメがポイントガードに入り、ケリーがスモールフォワードに入ることで、チームとして高さを売りにできることもあり、慣れ親しんだポイントガードで開幕戦を迎えた。

アルバルク東京

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当初より彼はもっとリングにアタックすることが必要と感じており、開幕戦後も「もっとアタックできたと思う」「僕が先陣を切ってペイントアタックして、他の選手も勢いに乗ってくれれば」と話し反省している。

一方で「実際にボールを運んでいて、誰もボールを触らずにシュートまで持っていこうと思えばできる。しかし、ガードのポジションはみんなにボールを触らせることも必要で、誰もボールを触らずにシュートを外したら、味方も嫌な雰囲気になる。難しいけど積極的にやらないといけない」と自身の役割についてもよく理解しており、敗戦を糧に前を向いた。

新たなスタイルに手応えを感じたSR渋谷、今後の戦いぶりに注目したい。