「頑張らないといけない」古田悟ヘッドコーチ
アースフレンズ東京Z(以下 東京Z)は、B2中地区に所属する。昨シーズンは、それまで3シーズンにわたり指揮していた小野秀二氏から斎藤卓氏(現スポーツディレクター)に代わったが、残念ながら20勝40敗で中地区最下位に沈んだ。
今シーズンは、古田悟氏をヘッドコーチとして新たに迎えた。
古田ヘッドコーチと言えば、長年日本代表として活躍し、主将を務めた経験もある。昨シーズンはBリーグ横浜ビー・コルセア―ズの指揮官を務めたが、成績不振によりシーズン途中で退任した。
「頑張らないといけないと感じた」とチームの指揮官として意欲を示したと同時に、 現在W杯アジア2次予選を戦っている日本代表についても「メンバーも揃って強くなっている。多くのチャンスもない。五輪に出場できるチャンスも1回あるかないか。私も行くことはできなかったので、今のチャンスを逃してほしくない。いい意味で注目されるように頑張ってほしい」とエールを送った。
Ⓒマンティー・チダ
アーリーカップ東海 プレシーズンマッチと敗戦が続く
新シーズンに入り、東京Zはアーリーカップ東海、プレシーズンマッチを戦い、敗戦が続いているが、チーム力の底上げを図っている最中である。
しかし、東京Zはアーリーカップ東海で、初戦での名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦、5位決定戦のFイーグルス名古屋にも敗れ6位。プレシーズンマッチの釜山KTソニックブーム戦(以下 釜山)も80-86の結果だった。
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フロントコートから激しいプレッシャーを仕掛け、テンポの速いバスケを
プレシーズンマッチで、釜山の3pシュート成功率は5割を超えていた(29本中15本成功で成功率51.7%)。通常3pシュートは3回に1回決まれば良いとされている。その中で考えれば、かなり高い成功率である。「釜山はドライブが強かったので、そこを抑えると外が空いてしまうというのは仕方がなかった。ぎりぎりまでクローズアウト※することを考えていた。釜山はシュート力があるチームと分かっていたが、最後までシュートが落ちる気配はなかったのはもう少し修正できたと思う。ドライブもキックアウトもうまい選手が多いので、シュートが入っただけでも素晴らしい」と古田HCは述べる。
そして、1Q残り6分ぐらいから23失点を喫していたものの、今シーズンから加入した#11ナイジェル・スパイクスにプレー機会を与えていた。「ケガ明けで、なるべく多くプレーをさせたかった。リズムが変わるかもしれないが、スタートの5人だけで続けるつもりもなかった。しかし、流れが釜山に行ってしまったのは反省」と内幕を明かす。
また、「仕掛けしている間は効いていたが、後手に回ってしまった。早い段階でフロントからプレッシャーをかければ、早いペースに持ち込める。ルーズボールの取り合いなどで、球際も弱かったので失点を築いてしまった」と守備に関しても課題を挙げていた。
プレシーズンの時期なので、選手の組み合わせを模索している段階だが、今シーズンの東京Zはフロントコートから激しいプレッシャーを仕掛け、テンポの速いバスケを目指しているようだ。
ただテンポの速いバスケを目指すなら、得点面でもアウトサイドシュートよりはドライブなど縦の動きを入れたいところ。釜山との試合でも外国籍選手以外に得点面で目立ったのは#22河相智志だったが、アウトサイドシュートが中心で、全体的にペイントエリア内で勝負する回数は少なかったように見受けられた。
「3番ポジションの選手が、インサイドに切り込んで1対1に持ち込めば、最悪ファウルをもらうことはできるので、もっと多く出来ればペイントエリア内で勝負できる。近いポジションで点を取るというのは確率が上がるので、インサイド・アウトサイドそれぞれバランスよくオフェンスプレーをさせたい」と対策を示した。
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アースフレンズ東京Zは、開幕戦を今シーズンからB2昇格を果たした八王子ビートレインズと対戦する。昨シーズンは開幕から勝ち星を重ねることができず下位に低迷したが、課題を克服し、良い状態で開幕戦に臨んでほしい。そして、チームミッションである「日本代表が世界で勝利することに貢献する、世界に通用する日本人選手を輩出する」ことを目指す上で、トップチームのB1昇格は必須項目だ。
※クローズアウト:ディフェンダーがオフェンスプレイヤーとの間合いを詰める動きのこと