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アースフレンズ東京Z・U15 設立4か月で3位!【BリーグU15チャンピオンシップ2018】

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Ⓒマンティー・チダ

強豪に交じって3位! 世界に通用する日本人を輩出するチームへ

BリーグU15チャンピオンシップ2018は、栃木ブレックスU15の優勝で幕を閉じた。ベスト4に残ったチームの顔ぶれを見ると、栃木ブレックス、横浜ビー・コルセアーズ、アースフレンズ東京Z、Fイーグルス名古屋である。栃木と横浜はBリーグU15カテゴリーが始まってからの古参チームで、FE名古屋は昨年のこの大会覇者。東京Zは4月にU15のチームを設立し、そんな強豪チームの中でわずか4ヶ月ながら3位と躍進を果たした。

今大会は準決勝で昨年準優勝チームの横浜と対戦し惜敗したが、3位決定戦では昨年の覇者FE名古屋戦において2Qで相手の得点を7点に抑え、ポテンシャルの高い選手たちが得点を重ねて完勝。3位で大会を終えた。

東京Zは「世界に通用する日本人選手を輩出する」というミッションを掲げている。結果を求められるトップチームとは違い、いかに選手を育成できるかがテーマとなり、このU15カテゴリーはミッションを達成する上で欠かせない。

アースフレンズ東京Z U15チャンピオンシップ3位

Ⓒマンティー・チダ

「岩井HCの細かい指導、きちんとした部分が結果として残った」Bリーグ・塚本剛平氏

東京Zは岩井貞憲氏がヘッドコーチとして指揮をしている。

今大会3位に躍進した東京Zについて、Bリーグ強化育成部の塚本剛平氏は「会場となった大田区総合体育館がアースフレンズ東京Zのホームアリーナという事で力を入れてきたなという面と、岩井HCの指導方針が結果として成績にも出た」と分析する。

「岩井HCによる1対1の指導には定評があり、しっかりと伸ばしてきた。私も練習を見たが、きちんと1対1の整理をしていた。ただやらせるだけでなく、言葉で説明をされていた。試合中も細かい指示が飛んでいたが、岩井HCの細かい指導、きちんとした部分が成績として残った」と続けた。

指導者の細かな指導は、選手たちにとっても大きな財産になる。様々な場面の中で1対1を整理し、選手たちに考える場を与えることは良いことだし、これがモデルになってほしい。

アースフレンズ東京Z U15チャンピオンシップ3位

Ⓒマンティー・チダ

「いかにしてプロ選手を輩出するかがU15チームの存在価値を上げる」岩井HC

岩井HCに試合直後に心境を伺うと、「選手もチームも良い経験になった」と開口一番コメントする。

準決勝で敗れた横浜については「チームとして細かい部分、クオリティーが高かった」と話す。しかし、勝った負けたで評価をしてはいけないとした上で「ポジションが変わっている選手もいたので、長い目で見る必要があったし、選手の成長にもつながった」と成果も強調した。

チーム全員が揃ったのが大会1週間前だったが「ここまで来られたのは、選手たちによるものが大きい。中学校は違うがそれぞれプレースタイルを知っていたので、うまくまとまってくれた」と喜んだ。

「いかにしてプロ選手を輩出するかがU15チームの存在価値を上げる」と力説する岩井HC。「選手は成長したイメージを持ち続けてほしい。特に攻撃面では個人技術を高めてほしい」と続けた。

今大会3位に入ったことも含め、選手たちには試合を通じて得た経験を自分のものにしてもらいたい。

アースフレンズ東京Z 岩井ヘッドコーチ

Ⓒマンティー・チダ

「海外でも通用するバスケを展開する」渡邉晴

チームをまとめた主将の渡邉は「優勝を見せられなかったのは反省、準決勝の横浜戦は相手のキープレイヤーを抑えることができず、自分たちのリズムを作れなかった」と反省したが、3位決定戦に向かって、チームや個人で気持ちを切り替えていた。

「試合中声がけを心掛けたが、みんなの雰囲気を上げるために、しっかり声を出した。チーム全員が揃ったのが1週間前なので、それを考えたらよかったと思う」と振り返る。

「海外でも通用するバスケを展開する」渡邉は視線を海外に向けていた。「最終目標はBリーグのトップや海外でプレーするのが目標、たくさんの人を楽しませる選手になりたい」と今後のビジョンを語った。

チームのコンセプトと共に、世界基準で成長することを誓った渡邉が、今後どのように成長するのか。注目したい。

アースフレンズ東京Z 渡邉晴主将

Ⓒマンティー・チダ

「全力でやらないと勝てない」前田健冴

準決勝・決勝と積極的に得点に絡んだ前田は「自分の力は発揮できなかった。3位に入ろうと頑張れたのは良かった」とまずコメントした。

準決勝では「最後まで我慢しないといけないところで我慢できなく、得点が欲しいところで得点が出来なかったのが悔しい」と反省する。

3位決定戦に向かっていく中で「全力でやらないと勝てない」と気持ちを切り替えて試合に臨んだ。「みんなで頑張ろうと、全力でやろうと。球際のところもしっかりやり切り頑張れた」と成果を挙げた。

「攻撃面では3pシュート決定率の向上、守備面では相手のエースを粘り強く止めること」を今後の課題に挙げた。「この経験を生かして頑張りたい。将来は出来るだけ高いレベルでやりたい」と意気込みを語った。

前田は今大会で「全力でプレーすること」を再認識したようだ。ぜひ次の機会でも「全力プレー」を期待したい。

アースフレンズ東京Z 前田健冴

Ⓒマンティー・チダ


古参チームや昨年の覇者の中で3位入賞。チームの大会における功績やプロセスを伺い、今後の東京Z・U15の躍進、ミッション達成へ目が離せない。