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「岩手のシンボルになってほしい」岩手ビッグブルズを初年度から支えるブースター、菊池敏治さんの想い

菊池敏治
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Ⓒマンティー・チダ

「岩手ビッグブルズ」リーグ参入初年度からのブースター菊池敏治さんとの出会い

岩手ビッグブルズは残念ながら東京八王子トレインズに敗れ、B3降格が決まった。

これまでの歴史を振り返ると、岩手ビッグブルズはbjリーグ時代にファイナルズまで進出を果たし、強豪と呼ばれることもあった。筆者は岩手ビッグブルズの取材で岩手県に3回取材で伺った。岩手ビッグブルズの取材経験は数えるほどだが、リーグ参入初年度から岩手ビッグブルズを見つめてきたブースター、岩手県在住の菊池敏治さんとは様々な場面で交流した。

菊地さんとの出会いは、2011-12シーズンのbjリーグファイナルズ後、有明コロシアム近くの飲食店で開催されたブースター交流会だった。当時、大阪に住んでいた筆者は、京都のネットラジオ番組でファイナルズに初進出した京都ハンナリーズの取材で上京していた。取材後、京都ハンナリーズブースターから誘われて会場に向かった先で、ファイナルズを観戦していた菊池さんと出会う。

2011-12シーズンから、筆者はラジオ番組をきっかけにバスケットボールの取材を始めた。関西のチームは取材などで認識はしていたが、東北のチームは情報把握が出来ていなかった。岩手ビッグブルズもこのシーズンから参入したので印象は薄かった。しかし、菊池さんから岩手ビッグブルズの事を教わり、機会があれば岩手へ取材に行きたいなと思うようになった。その時の内容を事細かく覚えていないが「ビッグブルズへの愛」を感じた瞬間だった。

筆者が東京に移住してから2年目の2014年12月に、京都ハンナリーズが岩手県一関市で岩手ビッグブルズと試合が行われることを知り、取材で現地に向かった。当時は、ウエスタンカンファレンス・イースタンカンファレンス首位同士の試合で注目度も高く激しい試合だった。試合終了後、菊池さんをはじめとした岩手ブースター、京都ブースターと懇親の場を持つことになり、バスケットボールの話で大いに盛り上がったことを覚えている。

2015年2月には盛岡市内で開催されたホームゲームに取材で伺い、有明で行われたbjリーグファイナルズの時も取材することができた。結果は4位に終わったが、岩手ブースターはその瞬間を堪能していた。

岩手ビッグブルズ

岩手県のプロスポーツチームの礎を築いた「岩手ビッグブルズ」の歴史

岩手ビッグブルズは、東北3番目のプロバスケットボールチームとして2010年に設立され、2011-12シーズンからbjリーグに新規参入する。これまでbjリーグ5シーズン、Bリーグ2シーズン戦ってきた。初年度は伸びしろのある若手や岩手・東北にゆかりのある選手で編成したが、カンファレンス7位でシーズンを終える。

2012-13シーズンに入ると、2011-12シーズンに琉球をbjリーグ優勝に導いた桶谷大氏(2018-19シーズンから仙台HC)をヘッドコーチに招聘し「全国制覇」を目標にチームを編成する。桶谷体制になって2シーズンともプレーオフで敗退したが、3シーズン目の2014-15シーズンは、前半戦で当時のリーグ新記録19連勝を達成するなど、シーズン中はカンファレンス首位をひた走った。その勢いでプレーオフ進出を決めると、福島、青森と下してファイナルズ進出を果たす。ファイナルズはカンファレンスセミファイナルで秋田に敗戦し、続く3位決定戦でも滋賀に敗れて4位でシーズンを終えた。

2014-15シーズンは、勝久ジェフリー氏(2017-18渋谷HC)がヘッドコーチに就任し、プレーオフに進出したが、カンファレンスセミファイナルで敗退した。

Bリーグ元年となった2016-17シーズンから今シーズンまではB2東地区に所属し、東地区最下位で入れ替え戦を迎えていた。

菊池敏治

「岩手のシンボルになってほしい」菊池敏治さん

菊地さんとは2015年bjリーグファイナルズ以来の再会だった。場所は横浜アリーナ「B2・B3入替戦」の会場だ。岩手からもブースターが横浜に駆け付けたが、どこか勢いを感じなかった。ファイナルズは「頂点」を目指す戦いだった反面、今回は「B2残留」を目指す戦い、守る側の立場で迎えた試合だった。入替戦に向けてバスツアーも組まれたものの、残念ながら最小備考人数に届かず中止に追い込まれた。

試合が始まる前に、岩手ビッグブルズに対する想いを聞いてみた。

「B2・B3の入替戦なので、落ち着かない。がけっぷちだから」
頂点を目指す戦いではなく、残留を目標とする立場こその心境が言葉として表れる。

「選手起用もあるけど、良い選手を獲得できなかったのが現状を表している」と菊池さんはチームが低迷する原因をあげた。レギュラーシーズン平均得点65.5はB2最下位で唯一の60点台、平均失点も81.1で下から3番目の数字で終えた。入替戦でも八王子相手に55点しか獲得できなかった。

「シュートが入らない。ロースコアに持っていくためにも24秒ぎりぎりまでボールを回すのはわかるけど。シュートが入らないのが一番良くない」と得点を重ねられないチーム事情に、菊池さん自身も頭を抱えていた。

「チームが勝利しないと存在意義も問われるし、B2・B3だと観客動員にも影響が出る」と危惧する。2017-18シーズンの主催試合平均観客数は1062人で、2016-17シーズンよりやや持ち直したが、bjリーグ最終年2015-16シーズン(1275人)と比較すると依然減少傾向にある。

「子どもたちがビッグブルズを応援しているし、(入団を)目指しているので、(プロとして)魅せてあげないと子どもたちがかわいそう。応援している親もかわいそうですけどね。だからこそ岩手のシンボルになってほしい。岩手はサッカーチームもありますが、サッカーよりもバスケットボールをしている人が多い。子どもから大人まで、みんなが一生懸命応援できるようにするためにも、ある程度勝ってもらわないと困る」とチームに対し、叱咤激励をする。

「地元のチームだからこそ、応援し続けたい」岩手ビッグブルズは、岩手県の活性化を担い、岩手県民の希望の象徴、そして初年度からチームを追いかける菊地さんをはじめとしたブースターの「夢」でもある。地域活性化を図るためにも「夢」と「希望」を与え続けてほしいと願うばかりだ。

岩手ビッグブルズ

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