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アルバルク東京HCと主将「共に学び、共に信じ」栄冠【B.LEAGUE AWARD SHOW】

Bリーグ
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Ⓒマンティー・チダ

MVPは比江島が獲得、ベストファイブは2年連続同じ顔触れに

5月29日に華々しく開催された「B.LEAGUE AWARD SHOW 2017-18」。昨年のビルボードライブ東京から、恵比寿ガーデンプレイス広場に会場を移して開かれた。

洒落たスーツに身を包んだ選手たちが登場し、2017-18シーズンに活躍した選手や関係者を中心に表彰が行われた。レギュラーシーズン最優秀選手賞は比江島慎(三河)、ベストファイブに選ばれたのは同じく比江島、そして富樫勇樹(千葉)、田中大貴(A東京)、ニック・ファジーカス(川崎)、金丸晃輔(三河)の5名だ。2年連続で同じ選手たちがベストファイブに輝いた結果となった。

その他、特別表彰としてファッション、SNS、マスコットなどの表彰もあり、千葉勢が独占。各タイトル獲得者も壇上に上がって表彰を受けた。また松島良豪(北海道)率いる「劇団松島」がサプライズで登場し、「ダンシング・ヒーロー」に合わせてキレのあるダンスを披露するなど会場は大いに湧いた。

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A東京で8年間主将の正中岳城が見た「AWARD SHOW」

MVPを獲得した比江島や、ベストファイブを2年連続で獲得した富樫、田中、金丸は日本を代表するプレーヤーだ。ニック・ファジーカスも昨年MVPを獲得。4月には日本への帰化申請が受理され、6月29日から開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2019アジア地区の一次予選では日本代表の救世主として期待されている。

シーズン中に活躍した選手たちの表彰が続く中、正中岳城はBリーグ2代目王者A東京のキャプテン、そして受賞者の一人として「AWARD SHOW」に参加した。前身のトヨタ時代も含めると8年間主将としてチームを引っ張ってきた正中。日本を代表する双子の選手、公輔(栃木)・譲次(A東京)の「竹内ツインズ」と同じ世代だが、プレースタイルに関しては「いぶし銀」という言葉が似合う選手だ。

リーグ優勝の表彰でルカ・パヴィチェヴィッチHCと共に壇上に上がった正中は「タレント力豊富な選手とは違う立場でプレーし、8年間主将を務め、入団11年目にこういう席にお邪魔することができたのは非常にうれしい」とスピーチした。

リーグ優勝のときに掲げたトロフィーは「重かった」という。「トロフィーのために練習し、様々なことを犠牲にして戦っている。そういうものが伝わってくる重み」と主将としてのプレッシャーも噛み締めた。

「AWARD SHOW」の後、正中に感想を聞いた。「チームがあるからこその役割であり、試合に出ていなくてもトロフィーを掲げる瞬間、セレモニーの瞬間にやってきて良かったな、というような気持ちにさせてくれる。やはり勝つということでしか、こうして陽に当たることは無いと思う。勝ちにこだわってチームを率いてきてよかった」と、壇上の雰囲気を味わった者しかわからない気持ちを、自らの言葉で表現した。

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妥協することで勝つ試合は無い

A東京がリーグ優勝を決めてから3日。改めて正中にパヴィチェヴィッチHCの印象を聞いた。 「勝ちに対して貪欲ですね」と話した後、このように続けた。「勝つことに対して、骨の折れるプロセスを経ないと勝つことはできないということをプレーヤーとしても知っているし、チームをまとめる身でも知っている。妥協を許さない。妥協することで勝つ試合は無い。情熱的にチームをコーチングして下さっているので、(パヴィチェヴィッチ)HCが醸し出す自信とか、HCのもとで様々な積み重ねをすることでタイトルに近づくという自信の感覚を、自分たちは一番近くで感じることができた。このコーチングでタイトルは取れたので、今の自分たちには必要な存在だったと思う」と、チームにとって大きな存在だったことを明かした。

今シーズン開幕前にHCが着任。チーム戦術が変わったことなどに関するコミュニケーションについては「HC自身の想いやコーチング、戦術を根付かせようと基本的な取り組みの中で、自分たちに徹底して自分のやりたいことを伝えていた。シーズンを通して、しつこいくらい教えや伝えはあったので、コミュニケーションは乏しいというより、むしろあった方だと思う」と証言した。

レギュラーシーズン終盤に、後半得点が伸びず敗れる試合もあったが、CSのセミファイナルではレギュラーシーズン全体1位の三河を下し、ファイナルも制した。この時のことを振り返ってもらった。

「シーズンを通じてチャンピオンシップに向かっていくプロセスの中で、様々な障害があった。選手が揃わない、代表活動、けが、新しいチームだから戦術が根付かないなど、超えていかないといけない要素がたくさんあった。これをひとつひとつ整理してどういう方向に向かっていきたいか、どのような戦術で勝ち切りたいかというのが少しずつ見えてくるのが、3月・4月のむしろ負けた試合で、終盤リードしながらも追い上げられて落とした試合だった。自分たちもこういう敗戦は許容できないものもあった。敗戦から学んだシーズンだった。
『やらないといけないことを、やらないと勝てない』ということを学びながらやってきた。そういう学びがあったからこそ、やることをやれば勝てるという自信を取り戻して5月に戦いを挑めたことが良かった。色んなバイオリズムの中でマネージメントをし、チーム全体が精神的にもフレッシュになり、最後やるしかないとなった。HCが最後の方で言っていたのは『おもいっきりやることだ』と、おもいっきりやる前提には『自分たちの戦術を理解して冷静に知的でスマートにプレーをすることだ』と言われていたので、力を引き出すことに重きを置いていた」と話した。

様々な障害をクリアして敗戦から学び、チームの原点である戦術を理解する選手たち。そして、それを理解させたうえで「おもいっきりやらせた」パヴィチェヴィッチHCとの信頼関係は、こうして築きあげられた。

パヴィチェヴィッチ

慣れていないヨーロピアンスタイルについてきてくれて、信じてくれた結果だ

パヴィチェヴィッチHCは、終始リラックスモードだった。「AWARD SHOW」でサプライズ出演した松島のパフォーマンスには笑顔を見せつつも「北海道には3回負けたことを思い出した」と苦笑いしながらコメントする様子も伺えた。

「ヨーロッパでこのようなイベントはあまりない」というパヴィチェヴィッチHC。派手な演出に対しても「正直楽しめました。シーズンの締めにふさわしい、素晴らしいエンターテインメントでした」と満足そうに答えた。

セレモニーの中で最優秀ヘッドコーチのスピーチが無かったことを受け、スピーチを求められた場面では「光栄ですね。A東京のヘッドコーチとして機会を与えられたこと、優勝ができたことを誇りに思う。選手も本当によく戦ってくれた。慣れていないヨーロピアンスタイルについてきてくれて、信じてくれた結果だと思う」と選手に対する感謝の気持ちも忘れなかった。

HCや選手たちは「共に学びながら、共に信じながら」一つの目標に向かっていき、リーグ優勝を達成した。勝つべきチームが勝ったチャンピオンシップだったのかもしれない。

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