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B.LEAGUE記者会見レポート「データ分析を超える気持ちのこもった試合を期待」

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B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18 試合形式

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B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18(以下CS)は、5月12日のクォーターファイナル(以下QF)から開幕する。QFは2戦先勝方式を取り、1勝1敗で終えた場合は、DAY2と同じ日にインターバルを置いてGAME3を10分間(前後半各5分)行う。セミファイナル(以下SF)も同じ形式で進める。ファイナルは、5月26日に横浜アリーナで1勝先勝方式、1発勝負で開催する。

大河正明チェアマンは「ここから先は結果が全て。昨年もデータでは語れない熱戦が続いた。分析を超える気持ちのこもった試合を期待したい」と話し、ファイナルの会場になる横浜アリーナについては、「体育館とは違う演出を考えている。12000人収容できるようなので、早い段階でチケットを売り切りたい」と語った。それでは、今週末に開催されるQFのカードと共に、当日の会見の模様もあわせてお届けしよう。

【QFカード紹介】千葉(東地区1位)VS.川崎(ワイルドカード上位)@千葉・船橋アリーナ

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クォーターファイナルでは屈指の好カードとなった。会見に参加した千葉・富樫は「川崎が相手で嬉しくはない」とコメント。川崎・辻は「できたら避けたい相手」と発言するなど、QFで対戦することは「控えたかった」が本音だろう。

千葉は、激しい守備からの超高速攻撃(トランディションオフェンス)で戦ってきた。そして、天皇杯も昨年から2連覇を達成した。自分たちのバスケをやり切れば勝利に近づく。レギュラーシーズンの連敗も昨年末のA東京戦で2連敗したのみだ。1度負けた相手に対しては、エナジーを発揮し次に戦う機会では必ず勝利をもぎ取っている。

川崎は、リーグ中盤までオンザコート1の時間帯で負け越すことが多かった。しかし、#18鎌田の台頭で勝ち越すこともできてきた。それに加え、大黒柱#22ファジーカスが帰化選手となり、バリエーションも多彩になった。そしてハッスルプレーでチームを鼓舞する#00デービスの出場時間が増えることや、#17アマンドソンも含め、リバウンドで優位に立てる陣容が揃ってきた。

この両チームは、5月2日に対戦している。ファジーカスが帰化選手としての初戦を迎えた時で、リバウンド・ルーズボールで優位に立った川崎が千葉を下している。会見でも千葉・富樫は「想像はしていたけど本当に強かった」と話す。しかし、「いろいろ修正できれば違う展開になると思うし、オフェンスリバウンドがカギになる」と続けた。

さらに辻に対しては「スリーポイントを決められた後のポーズを見るとイラっとするので、それだけは決めさせたくない」と意欲を示すと、辻は「(富樫も)シュート決めた後も喜んでほしい。今度シュート決めた後のポーズを教える」と笑いを交えながらやり返す場面もあった。そして「リバウンドとルーズボールはさらに強くなった」と自信をのぞかせた。

最終節のリベンジをしたい千葉か、東芝グループ最後のCSに燃える川崎か、勝利の女神はどちらに微笑むだろうか。

【QFカード紹介】三河(中地区1位)VS.栃木(WC下位)@愛知・ウイングアリーナ刈谷

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三河は中地区1位通過で全体の1位。一方の栃木は開幕当初に敗戦が重なった影響から、途中指揮官が交代するという苦難を乗り越え、CSに滑り込んだ。三河は、ハイポストに位置する#32桜木にボールを入れてパスを繋いでいき、オフェンスリバウンドで粘りながら攻撃回数を増やして優位に立ち、個人技で勝負できる#6比江島、シュート力には自信がある#14金丸らが得点源として試合を進める。一方の栃木は、主将#0田臥を中心に全員で攻守を展開するチーム。こちらもルーズボール、リバウンドの意識が強いチームだ。#4ギブスの激しいスティールにも注目したい。

会見で、栃木・田臥は何度も「チャレンジャー」という言葉を使っていたのが印象的だった。昨年の王者だがCSに関してはワイルドカード下位なので、位置付けとしては8番目となる。「負けたら終わりだから、結果にこだわる激しさを試合で出さないと勝てない。1試合1試合の大切さもわかっているので、いかにチャレンジャーとして挑めるかが大事」と意気込みを語る。

一方の三河・比江島は、昨年のセミファイナルの話に及び「昨年は悔しい負け方をした。栃木は初代王者なので、ホームコートでリベンジをしたい」と雪辱を誓った。

レギュラーシーズンは三河の3勝1敗。しかし、昨シーズンのSFでは1勝1敗からGAME3で栃木が僅差で勝利した。どちらがより粘りを見せて、リバウンドで優位に立つのか注目をしたい。

【QFカード紹介】A東京(東地区2位)VS.京都(西地区2位)@東京・アリーナ立川立飛

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A東京は前日本代表のパヴィチェヴィッチHCのもと、ピック&ロールを主体とした攻撃、選手にはハードワークを求めてきた。代表に#24田中、#6馬場、#15竹内が召集されるなどタレント揃いだ。一方の京都は、浜口体制7シーズン目となり、モーションオフェンスに磨きをかけて攻撃に時間をしっかり使い、ルーキー#3伊藤を司令塔にリバウンド・ルーズボールにこだわりを見せ、けが人が出て全員が揃わなくても他の選手がカバーするなどでCS初出場を決めた。

京都・内海は旧bjリーグ時代から数えて、京都在籍4シーズン目。先々週の川崎戦、先週のA東京戦は、全員が揃わない中、オンザコート0などで勝負を挑んだ。振り返るとうまく機能した時間もあれば、そうでない時間もあった。そして、今週末のQFでは、スミスが出場停止。伊藤とダブの出場は現段階で微妙なところだ。「チーム全員でカバーする」京都が先週の戦いを踏まえてどのように修正するのかが気になるところだ。

A東京は、ここにきてようやく全員が揃ってきた。3月から4月にかけて4Qのスコアが伸びなく、勝ち負けを左右することもあったが、第30節の栃木戦DAY2から4Qでもしっかりスコアを伸ばして勝利を決めた。会見に参加した田中は「ハードワークを求めるHCのもと、1年間全力で取り組んだ自信はある。流してきた汗は裏切らない」と自信をのぞかせた。

今週末に再び相対する両雄の試合は、また別物になるのだろうか?

【QFカード紹介】琉球(西地区1位)VS.名古屋D(中地区2位)@沖縄・沖縄市体育館

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琉球は初めてCSでホーム開催を実現した。今シーズンから加入した古川も「あの空気でできるのは自分の経験の中でも実感できている。自分たちにとってはプラスに働くし、相手にとっては脅威に感じる」と意気込みを見せる。「ディフェンスには絶対の自信をもっている」古川が会見で話した通り、チームの1試合あたりの平均失点はリーグで唯一の60点台である。「ディフェンスで崩れなければ我慢せず爆発していきたい」古川の言葉通りの展開になれば、勝利も大きく近づいていく。

名古屋Dは平均年齢28.4歳ながら、#8張本を中心に主力を張る日本人選手の平均年齢は25歳前後と若い。開幕当初から熟成できれば面白いと言われて続けたチームでもある。勢いもあれば、若さながらの脆さも同居する。混戦だった中地区2位争いも最後に抜け出しCS進出を果たした。インサイドには、#24バーレル、#34ブラッキンズという破壊力抜群の選手か控え、PG# 21笹山も含めて、前線からの激しいプレッシャーから速い展開に持ち込めれば、勢いに乗れるチームだ。張本は「プレッシャーを力にかえて、早い展開のバスケに持ち込みたい」と意気込みを見せた。

レギュラーシーズンは琉球が4戦すべて勝利している。しかし対戦は昨年の11月が最後だ。ここからリセットして勝ち上がるのはどちらなのか?

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アンバサダーの秋元才加と大河チェアマン

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