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【B.LEAGUE試合レポ】第28節 千葉VS.西宮 「試合をうまく終えることよりも、収穫のあるものにしたかった」

千葉VS.西宮
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ⒸSPAIA

【DAY1前半】序盤から大量リードの千葉、小野が2Qでトップリーグ通算3000得点達成

千葉VS.西宮

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ディフェンスリバウンドから速攻で#21エドワーズのレイアップシュートが決まり、幸先よくスタートした千葉は、#2富樫も得点に絡みリードを広げていく。その後#10チェンバースが個人ファウル2回目をコールされ#27石井と交代したが、#3パーカーのダンクなどでリードは12点となり、残り4:26で西宮はタイムアウトを請求する。しかし、千葉は引き続き主導権を握り、終盤はパーカーのバスケットカウントなどでさらにリードを広げ千葉が18点リードとし1Qが終了する。

2Qに入り、千葉は#34小野がトップリーグ個人通算3000得点を達成。勢いそのままに3pシュートも2本連続で決める。西宮は小刻みに選手交代をしていくが、千葉の勢いは止められない。小野のスチールから、アシストをもらった#8ライオンズがダンクを決めれば、バスケットカウントとなる3点ショットも決める。25点差を追いかける西宮は、#2バーンズが3pシュートを決めるなど喰らいつくも、千葉は石井が速攻からのシュート、3pシュートなどでリードを広げ、エドワーズもダンクを叩きこむ。西宮も#13道原が3pシュートを決めるも、千葉が27点リードで前半を折り返す結果となった。

【DAY1後半】今季限りの現役引退を表明した千葉・伊藤が守備でチームに貢献

千葉VS.西宮

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西宮#5ヒルに連続得点を許した千葉だったが、富樫がバスケットカウントとなる3点ショットを決めると再び千葉のペースへ。エドワーズ、パーカーと得点が続き、チェンバースが3pシュートを決める。西宮もヒルが孤軍奮闘するが、千葉はパーカーが連続得点をしてさらに得点差を広げる。中盤から終盤に向かっても、ライオンズの得点を皮切りに、パーカーがバスケットカウントを含め連続でゴールを決めると、ライオンズのスチールから富樫がファストブレイクを決めてリードは34点まで広がった。西宮は終盤道原の得点などで喰らいつくも、千葉28点リードで3Qは終了した。

3Qの終盤から得点が止まっていた千葉だったが、エドワーズ、石井、小野と3pシュートが決まり、この時点で千葉のリードは35点。そしてコートサイドに、先日今季限りで現役引退を表明した#44伊藤がコートサイドで待機し、残り6:35交代でこの日初めてコートに入る。個人ファウルをする場面はあったものの、守備面で相手がゴール下に突入する際にしっかり体を入れてシュートを良い形で打たせない状況を作っていく。それに呼応するように、ライオンズが3pシュートを決めると、このところ結果も出ていなかった#31原が、2月10日の富山戦以来の3pシュートを決め、チーム得点も100に乗せる。その後#25荒尾も出場を果たし、フリースローを含め3得点を稼ぐ。結局DAY1は106-76で千葉が西宮を下し、今季6回目の100点ゲームを達成した。

【振り返り1】「ステップアップのためにはタフにならないといけない」千葉・大野HC

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DAY1においては、立ち上がりから千葉が常に主導権を握って勝利した。千葉・大野HCは「自分たちのやるべきことをやろうとしたが、何人かの選手がリラックスする場面もあった」と指摘する。西宮は2018年に入ってからまだ3勝しかしておらず、先日B1降格プレーオフに進むことが決まってしまった。前節も横浜に連敗して、決してチーム状態が良いとも言えない相手に対してどう戦っていくかも、チャンピオンシップに向けて考えるべきポイントだった。

「ステップアップするためには、自分たちの課題と収穫を見つけられるよう、タフになりエナジーを持っていないと得られない」と大野HCは続けた。昨シーズンはわずか1勝の差でチャンピオンシップホーム開催を逃している。少しでも良い位置でチャンピオンシップに進出するためにも、良い緊張感で臨まないといけないということだろうと解釈した。

この試合でトップリーグ通算3000得点を達成した千葉・小野は「まだ通過点ですし、そんなに気にしていない」と話した後、「チームが勝つことが一番ですから」と言葉は少なかったが、個人の成績よりもチームの勝利に頭を置いていた。

最後に小野はこんなコメントを残した。「全員がディフェンスからアグレッシブにできた。それに尽きる」

どんながチームが相手でも全員がディフェンスからアグレッシブに実行をしていく、それが千葉ジェッツなのである。

【振り返り2】「試合をうまく終えることよりも、収穫のあるものにしたかった」千葉・伊藤

千葉VS.西宮

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19日に千葉・伊藤が今シーズン限りで現役引退を表明した。16年間の現役生活において、日本を代表するセンタープレイヤーとして活躍する一方、千葉ジェッツ在籍以降は、チームの精神的支柱となり、ブースターとの交流もSNSを通じて図っていた。

記者会見以降の反響は「かなりあった」そうで、選手入場の際、いつもは前もってポーズを準備してブースターの前に披露することが多いが、この日は「登場するタイミングでポーズは決めた」と話す通り、手を横に大きく広げた後右手を胸に当てて登場した。「皆さんの声は届いています」というメッセージが込められたポーズだった。

そして試合が進み、4Q残り6:35に伊藤はコートサイドに現れ出番を待つ。その前に大野HCが伊藤のもとに駆け寄り、長く言葉をかけていた。この段階で残り7分弱残っていたということで「7分持つか?」と確認したそうだ。「引退会見の後の最初の試合で、試合の最後にコート上で立っていて欲しかったので」と大野HCは確認した意図を話す。

伊藤の今季の出場時間で一番長かったのは、ガフニーと契約解除後、外国人登録がエドワーズのみ(パーカーは帰化選手扱い)だった2017年12月2日新潟戦で16:58が最長。それに次ぐのが2017年10月8日の京都戦で10:28だ。それ以外は概ね7分以下で、シーズン平均でも4分弱。伊藤は「1分でも長く試合に出られれば嬉しいし、出ている以上はチームにプラスになるような仕事ができれば」とその時の心境を明かした。

「守備面で貢献しようと思っていた。大野HCからも守備がキーポイントになると指示もあったので。難しい試合だったけど、しっかり試合をすることができた。この試合をうまく終えるということよりも、最後に成功するために、この試合を使って収穫のあるものにしなければいけないという想いから、コートに立っているメンバーで守備をしっかりやろうと声を掛け合っていた」と続けた。