昨シーズンはチャンピオンシップにも出場!2年連続なるか
昨シーズンはB1中地区2位という好成績であった三遠ネオフェニックス。チャンピオンシップクオーターラウンドでアルバルク東京に敗れてしまったものの、Bリーグ1年目の成績としては上々であり、大健闘だったといってもいい。
しかし、今シーズンは同じ中地区に、同じ愛知県のチームであるシーホース三河が移ってきた。三河は開幕から絶好調で、10節終了時点で17勝2敗と連勝を続けている。
2年連続でチャンピオンシップ出場を狙うには最大の敵ともいえるだろう。昨シーズンよりさらに厳しくなった中地区で、三遠は存在感を示すことができるだろうか。
攻守の中心は対照的な2人!
チームの中心は太田敦也だ。206cmの身長を持つ日本屈指のビックマンは、2007年のチーム創設当初からフェニックスでプレーし、今年で11年目。
所属当初はオーエスジーフェニックス東三河だったチーム名も、浜松・東三河フェニックスを経て、現在の三遠ネオフェニックスへと変わった。チームの歴史に太田あり、今シーズンも中心選手として活躍する。
ディフェンス面での安定感は日本人選手の中でもピカイチだ。日本代表でも、ゴール下を任されることもある。
他チームではこのポジションは外国人選手が担うことも多いが、太田は近年珍しくなった純粋なセンターの選手。彼のような選手は、日本代表にとっても貴重な存在だ。
近年はオフェンスにも力を入れており、さらにプレーの幅を広げている。
太田ともにチームを引っ張っているのが、ポイントガードの鈴木達也である。太田とは対称的に、169cmと小柄だ。
しかし、相手のマークの穴を瞬時に見抜く眼と、柔らかいハンドリングで、ノーマークの見方に正確なパスを出すことが出来る選手である。ディフェンスの中心が太田なら、オフェンスの中心は鈴木、この2人がチームを引っ張っていく姿に注目したい。
田渡兄弟の直接対決にも注目!
フェニックスで3年目を迎えた田渡修人も注目だ。チーム屈指の3Pシュート精度を誇り、昨シーズンの成功率は41.2%、リーグ4位の数字だ。
鈴木と並び、オフェンスで輝く選手である。筑波大学から入団して以降、考えすぎて自分のプレーができなくなってしまい、控えに甘んじていることが多かったが、昨シーズンにようやく花開いた。
自分のポジションの役割にとらわれすぎていたのが、状況に応じて適切なプレーができるようになったのだ。
田渡といえば、バスケ一家で育ってきた選手でもある。父は京北中学・高校バスケ部監督の田渡優、兄は埼玉ブロンコス(B3リーグ)に所属する田渡敏信、そして弟が今シーズンから横浜ビー・コルセアーズに入団した田渡凌だ。
横浜といえば、三遠と同じくB1リーグ中地区に所属するチームであり、11月4日・5日には兄弟直接対決が実現していた。こちらも、今後の見どころの1つとなっていくだろう。
新戦力も加わりチーム力はさらにアップ
フェニックスは新戦力も充実している。鈴木とはタイプの違う高身長ポイントガードの川島勇人や、日本では2014年からプレーするベテラン外国人選手のスコット・モリソン、NBAでの経験が豊富なカルティエ・マーティンなどが、今シーズンから加入している。
特にマーティンは、外国人選手にしては珍しいガードを務められる選手だ。太田がセンターとしてしっかりしているため、こういったタイプの選手が獲得できるのも、チームの強みとなっている。
三遠では、どの選手たちもレベルの高いプレーを見せることができ、さらに連携のレベルも高い。どんな5人がコートに立とうと、プレーの質が落ちることは一切ないのだ。
オフェンス面でもディフェンス面でも、おのおのがしっかりと役割を果たしてくれている。全員が持ち味を発揮し、2年連続のチャンピオンシップ出場、そして王者の座を狙う。