今シーズンこそ上位進出なるか⁉
昨シーズンは、中地区で5位に終わった富山グラウジーズ。その成績は18勝42敗、勝率ジャスト3割。最下位ではなかったものの、B1リーグの勝率下位4チームに入ってしまい、残留プレーオフに進むこととなってしまった。
そこで勝ってしっかりと残留できたが、選手たちもブースターも最後までヒヤヒヤしていたことだろう。
2017-2018年シーズンは、第10節終了時点で8勝11敗とやや負け越している。だが同地区ではシーホース三河が圧倒的な成績を残しているため、中地区では3番目の勝率を残すことが出来ている。
もし他の地区に所属していたのであれば、この勝率だと厳しかっただろうが、これも巡り合わせだ。チャンピオンシップに出場するためにも、ここから中地区2位に上がっていきたい。
前半の借金が致命的になってしまった昨シーズン
昨シーズンは本当に苦しい戦いが続いた。とにかく開幕から勝ち星がつかず、シーズン前半である第16節が終わった時点での成績は5勝25敗。
チーム離脱者が続出したという事情もあったが、もはや上位進出は絶望的な状態であった。それでも、デクスター・ピックマン加入から徐々にチームが上向くと、シーズン後半の戦績は13勝17敗を残せた。
この間、横浜ビー・コルセアーズの10連敗などもあって、なんとか中地区の最下位は回避することが出来た。B1残留プレーオフでも、1回戦で横浜に勝利し、なんとかB1に残留を確定させる。
後半は良い戦いができていたので、それを今シーズンも維持したいところだ。
昨シーズンが飛躍の年となった宇都直樹
注目選手は宇都直輝だ。昨シーズンから富山グラウジーズに移籍し、平均得点9.5に加えて、リーグトップの平均アシスト数4.3をマーク。チームの中で大きな存在感を放った。
とにかくスピード感あるプレーが彼の持ち味で、素早いドライブで相手のゴール下に攻め込み、そしてレイアップで簡単に得点を奪っていく。もちろん相手のディフェンスは十分に警戒しているはずなのだが、わかっていても止められないほどのスピードを持つのが宇都なのだ。
1on1になると、彼を止められる選手はいないのではないだろうか。
富山に移籍する前(Bリーグ発足前)は、トヨタ自動車に所属していたものの、控え選手の域を脱することは出来なかった。しかし、新天地では中心選手として活躍。昨シーズンでもっとも躍進した選手の1人である。
今シーズンも、第9節終了時点でアシストランキングではトップ。さらに得点ランキングでも外国人選手たちに混ざって上位に顔を出している。昨シーズン以上の活躍に期待できるだろう。
3人の外国人選手の三者三葉の活躍を見せる
外国人選手にも注目していきたい。サム・ウィラード、ドリュー・ヴァイニー、デクスター・ピットマンらの3人が、三者三様に活躍してくれている。
ウィラードは、2013年から富山に所属する経験豊富な助っ人だ。激しいプレーにも表情ひとつ変えることなく、ブロックやリバウンドなどでチームに貢献してくれている。今やチームの精神的柱ともなった選手だ。
ヴァイニーとピットマンの2人も、また新たな化学反応を起こしてくれそうな予感だ。実はこの2人は、2012年のNBAサマーリーグで、マイアミ・ヒートのチームメイトとして戦った仲。
昨季ピットマンが途中加入したのも、ヴァイニーが声をかけたからだという。2人とも攻守にわたってオールラウンドに活躍できる選手だが、ヴァイニーもどちらかといえば仕事人タイプ。
昨年はケガで離脱してしまったが、堅実なプレーでチームに貢献する。
NBAで4年間のプレー経験があるピットマンは、211cmの超大型ながら機敏な動きが得意だ。スクリーンやピック&ロールなどを得意としている。
柔らかいフックシュートなども使う、非常に器用な選手だ。インサイド陣の存在感は、ますます強くなっている。
必要な戦力はそろった!あとは結果を残すだけ
富山にはさらに青木ブレイクや大塚裕士など、必要な選手を次々に獲得した。今の富山は、戦力的に見ても、攻守ともに隙のない戦力が揃っているように思う。
あとは彼らのプレーがチームにマッチするようになっていけば、どんどん勝ち星を重ねていけるはずだ。今シーズンこそ、チャンピオンシップ出場となるだろうか。