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NBA八村塁が早くも新人王候補に名乗り、1試合平均14点超の活躍

2019 12/16 17:00田村崇仁
八村塁Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

渡辺雄太とNBA初の日本人対決も実現

米プロバスケットボールNBAは全30チームが82試合のレギュラーシーズン序盤戦を終え、日本人初のドラフト1巡目、全体9位で入団したウィザーズの八村塁が新人離れした得点力とリバウンドで奮闘している。

12月14日は敵地テネシー州メンフィスで、渡辺雄太がツーウエー契約を結ぶグリズリーズと対戦し、NBAで初めて日本人対決が実現。八村は開幕から24試合連続で先発出場し、10得点、4リバウンドで2桁得点を8試合連続に伸ばした。ビジネス面で新たな「日本市場」の開拓にも熱視線が注がれる中、各チームの大型新人の中で出色の成績を残しており、地元メディアでは早くも新人王候補に名乗りと期待する声も出ている。

リバウンドは新人でトップ、得点は4位

開幕から14日のグリズリーズ戦まで24試合全てに先発。1試合平均14.2得点、6.0リバウンド、1.7アシストは、ゴール下での働きが求められるパワーフォワードとして出色の数字といっていいだろう。12月14日現在で得点はルーキー全体の4位、リバウンドでは堂々のトップに立っている。

全米が注目したドラフトの「ビッグ3」で見ると、全体1位の最右翼ウィリアムソン(ペリカンズ)は開幕前に右膝の手術を受け、まだNBAのコートに立っていない。2位のモラント(グリズリーズ)は平均得点(18.7)、アシスト(6.4)の両部門で新人トップと指名順位にふさわしい活躍で総合力の高さをアピール。3位のバレットも1試合平均得点5位と人気球団ニックスで主力に定着し、大物ルーキーでも明暗が分かれている状況だ。ドラフト外入団ながら平均得点で新人2位のナン(ヒート)のような選手も台頭している。

NBA新人成績

米CBSは週間ルーキーランキング1位に

米CBSスポーツは12月9日、最新の「NBA週間ルーキーランキング」を発表し、八村を堂々の1位に選んだ。これは独自に上位10人を選出しているものだが、12月1日に敵地ロサンゼルスでのクリッパーズ戦に先発出場し、約38分のプレーで自己最高の30得点をマークした活躍を評価した。

「彼はまだ課題の3点シュートに苦しんでいるが、リング下とミドルレンジのプレーは、ほとんどのルーキーをはるかに超えている」と称賛。「彼は常にフィールドを動き回り、さらにディフェンスこそが彼のキャリアの中で最大の武器になるだろう」と守備面での尽力も評価している。

NBAも日本市場開拓に熱視線

八村の活躍はコート外でも新人離れしたものだ。米ナイキ社の展開するNBAの元スーパースター、マイケル・ジョーダン氏の名を冠した「ジョーダン・ブランド」とも契約。スポンサー収入は新人ながら十数億円とも報じられ、関連グッズの人気もチームトップ。その人間性と明るいキャラクターも受け入れられ、すっかり人気者でウィザーズの「顔」になった。

チームは初めて日本語版公式サイトとツイッターアカウントを開設し、既にフォロワーは3万人を超えたという。日本語と英語を操るリポーターのザック生馬さんら専属スタッフを配置。2000年代に中国の姚明が一大ブームをアジア市場に起こしたが、日本市場の開拓にチームも熱視線を送っている。

2017年に日本の楽天もウォリアーズと契約し、その金額は1年2000万ドル(約21億8000万円)と報じられる。来年は東京五輪もあり、バスケットボール日本代表にエース八村らNBA選手の活躍は不可欠で「史上最強チーム」の活躍に期待が高まるばかり。将来的には日本でのNBA開催も現実味を帯びてきそうだ。