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【Bリーグ第33節】川崎は中地区自力優勝消滅 ファジーカスの連続ダンクも活かせず

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,ニック・ファジーカス,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】富山の変則的なシステムに苦しむも、同点で前半を折り返す

川崎は#33長谷川技のレイアップで先制。続いて#7篠山竜青、#22ニック・ファジーカスに得点され、富山は残り8分3秒のところでタイムアウトを請求する。タイムアウト明けに川崎は富山の変則的なディフェンスに苦しむものの、篠山がフェンスぎりぎりまでボールを追い、#0藤井祐眞もスティールで貢献するなど、富山にリードを許さない展開で1Qを終了した。

2Q、出だしは富山#0レオ・ライオンズに先制されるが、#6船生誠也がシュートを決められず上積みできない。川崎はリングまでのプロセスはうまくいっていたが、得点までは繋がらない。しかし、#22ニック・ファジーカスから#31シェーン・エドワーズにパスを繋げることができると得点が生まれ、篠山のレイアップで6点リードしたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。

その後、富山#7阿部智和に3pを決められ、さらに#34ジョシュア・スミス、ライオンズに得点を許し逆転される。

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,ニック・ファジーカス,Ⓒマンティー・チダ

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終盤、長谷川が2本の3pを決めるなど奮闘するものの、結局37-37で前半を折り返す。

【DAY1後半】守備の強度をあげた川崎 富山を振り切って先勝

後半、立ち上がりからエンジン全開の富山。ライオンズの3pを皮切りに、インサイドをアタックする。スミスのポストプレー、#11宇都直輝、そしてセカンドチャンスからスミスが押しこみ、最後は宇都がペイントエリアからコーナーで待ち構えていた#9水戸健史にノールックパス。それを受けた水戸は3pを決め、川崎は8点ビハインド。たまらずタイムアウトを請求した。

その後、ファジーカスが連続得点をして追撃態勢を整えると、川崎は守備の強度を上げる。篠山のスティールから#21バーノン・マクリンがファストブレイクを決めると、今度は長谷川の好守備から、マクリンがバスケットカウントを決めて52-52と同点に持ち込む。

富山阿部に3pを決められて再び勝ち越しを許した川崎だったが、ファジーカスが2本連続でダンクを叩き込む。さらに篠山もレイアップを決めるなど、勝ち越しに成功し、62-57で川崎5点リードで最終Qへ。

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,ニック・ファジーカス,Ⓒマンティー・チダ

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4Q、川崎はリードを保ったまま、ファジーカスをコートに戻して、この日初めてマクリン、エドワーズと3人がコートにそろい踏みし、ビッグラインナップを形成。リバウンドで優位に立つ川崎は、ミスマッチを突いて、ファジーカスからエドワーズのロングパスが通り、エドワーズがバスケットカウントを成功させリードを広げる。リズムが生まれると、ここまでスコアであまり目立っていなかった#14辻直人が得意の3pを沈めると、その後も得点を重ねていった。

終盤、富山のシュート攻勢に合い、一時は4点差まで詰められるものの、最後は86-79で川崎が逃げ切った。

2連続ダンクを披露するも、富山スミスとのマッチアップに一苦労 ニック・ファジーカス

この日は珍しいシーンを二つ、目にすることになった。一つは過去の「記憶にない」とファジーカスが話す場面である。それは、3Qの連続でダンクを決めたところだった。

ファジーカスは、身長210cmと高さはあるものの、試合中にダンクを披露することはめったにない。どちらかというと手先を器用に使うシュートが多く、今季も富山戦まではレギュラーシーズン2本しかダンクを決めていなかった。

「1本目はスピンしてライオンズをかわすことができれば、ダンクを決められると考えていた。2本目は右足から飛んだから、楽にダンクをできると思った。2本連続で決めるなんて、記憶にない」とファジーカスは笑顔で振り返る。

もう一つは、富山スミスとのマッチアップだった。身長208cm、体重138kgの巨漢を目の前にすると、マッチアップするだけでも恐怖を感じてしまう。ゴール下で見ていても、その迫力は相当のものだ。

富山はスミスを中心にインサイドを攻めていく。「とにかくでかいので、1対1で守るのは不可能」とファジーカスは、守り方を変えて二人がかりでスミスを止めるプランを明かした。「前半は落としてくれたけど、後半は彼も調子を上げてきて、タフなマッチアップだった」とファジーカスの発言から、厳しかったことが伺える。

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,ニック・ファジーカス,Ⓒマンティー・チダ

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DAY1はスミスを抑えたこともあり、勝利することができたが、DAY2はスミスに31得点16リバウンド、オフェンスリバウンドを10個許すなど、スミスにやりたい放題された。この敗戦により、新潟に中地区優勝マジック3が点灯した。

自力優勝は逃したものの、川崎のチャンピオンシップ進出は決まっている。レギュラーシーズンは残り5試合。チャンピオンシップに進んだ後のためにも、この5試合で様々な引き出しは準備しておきたい。