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出場1試合で伝説に ランス・ブランクス 【NBAプレイオフ記録集② 】

2018 5/10 06:00OSはーでん
ベン・シモンズ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

2部門を紹介

2017-18シーズンが終了し、プレイオフにて熱い戦いが繰り広げられているNBA。シーズン中に比べて、より集中力を増した選手達が見せるパフォーマンスは、究極のバスケットボールと言えるだろう。そんなプレイオフでの各記録を振り返ってみたい。今回は個人スティール、ブロックショット部門を取りあげる。

出場1試合で3スティール! 通算記録はレブロンが2位に

平均スティール数では、いわゆるスターではない選手が一度限りの大舞台で結果を残している。その選手がランス・ブランクスだ。彼自身NBAキャリア自体もわずか3シーズンで終えており、特に目立った成績も残せなかった。
しかし唯一のプレイオフ出場時に3スティールを記録したため、平均スティール数トップの座に立っているのだ。この記録はNBAの歴史にしっかりと刻み込まれており、そのため彼のプレイを見たことがない人々もランス・ブランクスという名前を知ることができるのだ。

2位はキャリア平均でも2.6本を記録しているスティールの“名手”マイケル・レイ・リチャードソンで2.8本。そして現役選手での最高位は5位のベン・シモンズで2.3本となっている。
通算記録の方はというと、現地4月29日の試合で4スティールを記録し通算399本としたレブロン・ジェームズが1位、2位はスコッティ・ピッペンの395本である。

ピッペンは”ワンマンレスキュー隊”と呼ばれるほどディフェンスでよく動きスティールを量産し、ブルズ黄金期を支えた。また、通算スティール部門はマイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、ジョン・ストックトン、コービー・ブライアント、ジェイソン・キッド、ラリー・バードといった豪華なメンバーがランクインしているのも特徴的だ。

エンビード、デイビスといった現役選手がランクインしたブロック部門

平均ブロックトップに立ったのは、ヒューストン・ロケッツを2連覇に導いたアキーム・オラジュワンで、プレイオフ平均3.3本を記録している。オラジュワンは攻守に優れたオールラウンドなセンターで、その証拠に史上4人しか記録していない※クアドラプルダブルという珍しい記録を残している。
また、オラジュワンの代名詞と言われる”ドリームシェイク”は、華麗なフットワークで相手を翻弄してしまうもので、当時トップセンターだったデイビット・ロビンソンをもってしても守るのは不可能と言わしめたほど。

2位は約223cmの長身でブロックを量産したマーク・イートンで2.8本、3位は現役選手のニューオーリンズ・ペリカンズのアンソニー・デイビスが2.8本を記録している。

ブロック通算記録の方はというと、サンアントニオ・スパーズ黄金期を支えたティム・ダンカンが568本でトップとなっている。続いて2位がカリーム・アブドゥル・ジャバーの476本、3位はオラジュワンで472本。気になるレブロンの成績はというと、216本で19位であった。

※クアドラプルダブル:バスケット主要5項目のうち、4項目以上で2ケタ成績を1試合で挙げること。ちなみにオラジュワンは得点、リバウンド、アシスト、ブロックで記録した。

レブロンは4部門でトップ10入り! プレイオフ出場試合数が鍵

今回のプレイオフ通算記録の4部門トップ10入りは、毎年NBAプレイオフの多くの試合をこなし、最後まで驚異的なパフォーマンスを残すレブロンならではの結果と言えるだろう。 彼の通算プレイオフ出場試合数は224試合。これはコービーやマジック・ジョンソン、ジョーダンよりも上の数字であり、それだけプレイオフで多く勝ち進んでいるということが言える。レブロンは昨年まで7年連続NBAファイナル出場という記録を残しており、史上7人しか記録していない偉業を遂げていることにも頷ける。

また、将来レブロンと同様の記録を残すことができそうなプレイヤーも現れている。今年のルーキー、ベン・シモンズである。シモンズは現在まででプレイオフ5試合を行い、トリプルダブルを1試合で記録。平均では得点18.4、リバウンド10.6、アシスト7.4、スティール2.4、ブロック0.8とほぼトリプルダブルの成績を残している。まだ5試合ではあるが、リバウンド、アシスト、スティール部門でレブロンのプレイオフ平均記録を上回っており、ルーキーの彼が今後どのような記録を残してくれるのかに期待が掛かる。

レブロンのプレイオフ記録が彼の引退までにどこまで伸びるのかに期待すると同時に、次世代のスターとも言えるシモンズがその記録にどれほど迫っていけるのかも楽しみだ。プレイオフという舞台で極限のパフォーマンスを見せてくれる選手たちを、記憶と記録の両面から見ていこう。

※2全てのデータは2018年04月30日付