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ウェイドは引退!? NBAベテラン選手の決断

2018 5/6 15:00OSはーでん
ビンス・カーター
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Ⓒゲッティイメージズ

長年NBAを支えてきた名選手たち

時の流れとは早いもので、今年は平成30年、2000年代に入ってから18年が経過した。それはNBAの世界でも同様で、2000年代のNBAを支えてきた名選手たちが、ベテランと呼ばれるような年齢になってきている。2017-18シーズンのリーグ内最年長選手たちを見ていこう。

最年長選手たち

ⒸSPAIA

今シーズンの最年長選手は、41歳の”スラムダンク王”ビンス・カーター。史上最高とも評される2000年のダンクコンテストで、圧倒的なダンクを次々見せつけ優勝。シーズン後のシドニーオリンピックでは、フランスの218cmの選手を飛び越えてダンクを決めるという人外なパフォーマンスを披露し、一躍、ダンク王と呼ばれるようになった。
そんなカーターも41歳となり、選手としては充分すぎるほどプレイを重ねた。しかし、現在も練習中に豪快な※ウィンドミルを決めるなど、まだまだ若手選手にも負けないジャンプ力は健在だ。

2位は、名脇役としてチームを支えたマヌ・ジノビリとジェイソン・テリーの2人で40歳。ジノビリはサンアントニオ・スパーズ一筋で16年間プレイ。
今年のプレイオフでは王者ウォリアーズに4-1と完敗だったが、唯一の白星を挙げた試合では要所で大量得点を挙げる活躍を見せ、まだまだ第1線で活躍できる実力をアピールした。

ジェイソン・テリーはジノビリと違い、多くのチームを渡り歩く※2ジャーニーマンとして計6チームで活躍。ダラス・マーベリックス時代には、ダーク・ノビツキー、ジェイソン・キッドらと共に優勝を経験した。明るい性格と、爆発力のある得点力で主にベンチから流れを変える※3シックスマンとしての役割が多かった。

3位はダラス・マーベリックスのダーク・ノビツキーで39歳。元ロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアントと共に、1つのチームの最多年数所属記録を持つ。マーベリックスにとっても、祖国ドイツにとっても、そしてNBAにとってもレジェンドと呼べるプレイヤーである。

他には、ジャマール・クロフォード(38)、デイビット・ウェスト(37)、パウ・ガソル(37)、ザック・ランドルフ(36)、ドウェイン・ウェイド(36)、ジョー・ジョンソン(36)などの名選手がズラリと並ぶ。

※ウィンドミル:腕を風車のように回してから、決めるダンクシュート。 ※2 ジャーニーマン:チームからチームへとよく移籍をする選手をこう呼ぶ。 ※3シックスマン:ベンチから出てきて流れを変える選手。スタメンと同様の力がありながらも、起爆剤としての役割を担うために、ベンチスタートでプレイする。

ベテラン選手 去就情報(2018年4月26日現在)

今シーズンもレギュラーシーズンが終わり、プレイオフに進んでいるNBA。選手たちの中には、すでに今シーズンが終了している選手もいる。ベテラン選手たちの最新情報はこのようになっている。

去就情報

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41歳のカーター、40歳のテリー、39歳のノビツキーは来年も現役続行の意思を表明。ノビツキーが来年もプレイすれば、同一チームの所属最多年数記録を塗り替えて21年間所属と、ランキング単独トップに躍り出る。

40歳のジノビリは、まだまだNBAトップでも通用することを今回のプレイオフで示し、所属チームのスパーズからも残留の希望が伝えられている。
今夏の決断次第ということではあるが、多くのファンが来年も彼の勇姿が見られることを祈っている。同じスパーズのガソルは、あと3~4年間の現役続行を望んでおり、実現すれば41歳までプレイする見通しだ。

一番の衝撃は、ドウェイン・ウェイド引退の可能性だ。36歳と年齢的には引退してもおかしくはないものの、今までの彼のプレイぶりを考えると少し早いようにも思える。
契約を来年以降結んでいないということと、レブロン・ジェームズから勧められヒートに戻った経緯を考えると、今年が最後であった可能性は高い。今夏に彼がどのような決断を下すのか、注目である。

NBAの歴史上もっとも長くプレイした選手は45歳までプレイ

現在41歳と90日のカーターは、NBA選手としては長寿プレイヤーの部類に入る。しかし、歴史上では8番目の長寿選手に過ぎず、過去にはもっと年齢を重ねてからプレイした選手が存在するのだ。

長寿選手トップ5

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1位はなんと45歳と363日のナット・ヒッキー。NBAに1年のみ参戦(NBA前のリーグで主にプレイ)した彼は、当時監督と選手の二足のわらじを履いていた。実際にプレイしたのは2試合のみという記録だが、確かにNBAでプレイした最年長プレイヤーである。

2位はケビン・ウィリスの44歳と224日。ウィリスは21年間のNBAキャリアで、合計38,362分、1,424試合を戦い抜いた鉄人である。彼はその長いNBAキャリアの中で、計8チームを渡り歩いた苦労人でもあった。しかし、1991-92シーズンにはオールスターに選ばれ、キャリア晩年の2002-03シーズンにはNBA優勝を果たしており、実力を伴った選手であった。

3位は、80年代セルティックス黄金期をラリー・バード、ケビン・マクヘイルと共に支えた、ロバート・パリッシュ。43歳と254日までプレイした。パリッシュは当時珍しい大型の選手で、ゴール下で抜群の強さを見せた。21年間のNBAキャリアで、NBA優勝4回(セルティックス3回、ブルズ1回)、9回のオールスター選出、バスケットボール殿堂入りという輝かしい功績を残している。

このランキングを見るとトップ5のうち、4選手がインサイド(センター)プレイヤーであることがわかる。これは、バスケットの性質上、平面でのスピードが衰えても高さでカバーができるからだろう。もしも、カーターが来年も1シーズンを通してプレイすることになれば、ランキング5位に入り、インサイドプレイヤー以外ではヒッキーに次いで歴代2位、選手のみでの記録としては最年長記録となる。