今年の得点王はジェームズ・ハーデン 意外にも初受賞
今年も熱い戦いが繰り広げられた2017-18シーズンNBA。シーズンの振り返りとして、チーム順位と共に気になるのが、得点王やアシスト王などの各スタッツリーダーだろう。今年は初受賞選手が多く、各選手のキャリアがより彩られる形となっている。
では、そんな今年の各スタッツリーダー達を見ていこう。
まずは得点部門から。
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今季得点王に輝いたのが、ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデン。リーグ屈指の点取り屋として名を馳せている彼だが、意外にも今回が初受賞となった。それもそのはず、昨年まで得点ランキング2位が3シーズン続いていたのである。彼にとっては、やっと手に届いた”一番”であった。
今年のハーデンは以前からの武器※ユーロステップに加え、左右や後ろと自在に使い分ける※ステップバックを習得。このステップバックを駆使しシーズンで3Pを265本沈め、ユーロステップからはファウルを貰いフリースロー成功数624本を記録した。今季の3Pとフリースロー成功本数はどちらもNBA1位の記録で、外からも中からも攻められるオフェンス力を存分に発揮した結果だ。
チームもNBA1の勝率でプレイオフに入り、彼にとってはナンバーワン尽くしのシーズン。最も旬なプレイヤーである彼が、今年のプレイオフでもナンバーワンになれるのかが楽しみである。
※ユーロステップ:レイアップやダンクに行く際のステップで、通常と違い左右に進路を変えながら進むステップ。欧州の選手たちがNBA選手に対抗するために使っていたため、この名前が付けられた。
※2ステップバック:ドリブルを止めた後に、ボールを持ちながら後ろに下がり相手から遠ざかるステップ。近年は後ろだけでなく、左右にも移動するパターンが加わっている。
リバウンド王はピストンズのドラモンドが2015-16シーズン以来2度目
NBAでトップクラスの高さを持ったビッグマンたちの見せ場が、このリバウンド部門。リバウンドとはシュートが外れた後に跳ね返るボールをキャッチすることを言い、空中で奪い合うことが多いため、当然高さがある選手たちが有利になる。
このリバウンド部門の上位陣はこちらの選手たち。
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今季のリバウンド王はデトロイト・ピストンズのアンドレ・ドラモンドで、2015-16シーズン以来2度目の栄冠に輝いた。ドラモンドは身長211cm、体重126.6 kgのビッグマンで、屈強なフィジカルで相手を寄せ付けず、最もいいポジションを確保しリバウンドを稼ぐ、典型的なNBAのインサイドプレイヤーだ。今季はリバウンド王と共に、2015-16シーズン以来2度目となるオールスターにも出場を果たした。自身には好調なシーズンだったが、所属チームのピストンズは思ったように勝ち星を挙げられず、苦しいシーズンとなった。
一方でシーズン後半に、新しい風が吹いたピストンズ。クリッパーズからブレイク・グリフィンが電撃移籍をしてきたのだ。シーズン途中の移籍だった為すぐには結果が出なかったものの、グリフィンとドラモンドはリーグでも屈指のインサイドコンビであることは間違いない。来年のピストンズはイースタン・カンファレンスを揺るがす存在になるかもしれない。
こちらも初受賞! アシスト王はサンダーのラッセル・ウェストブルック
続いてはアシスト部門。アシストを簡単に説明すると、得点に繋がるパスのことを言い、定義としては「シュートに直接つながる最後のパス」である。フリーの選手たちを素早く見つけ、自ら敵を引きつけてノーマークになる能力が必要だ。そんな今季のNBAアシスト上位はこの選手たち。
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今季のアシスト王に輝いたのは、今回が初受賞のオクラホマシティ・サンダーのラッセル・ウェストブルックだ。さらに、前人未到の2年連続シーズン平均トリプルダブルも記録し、アシスト王に華を添える形となった。これはNBAにとっても歴史的なシーズンになったと言えるだろう。
この大記録が示しているようにアシストだけでなく、得点で8位、リバウンドでもセンター以外の選手でトップ13位と、昨年に続き抜群のオールラウンドぶりを発揮した。
ウェストブルックがアシスト王に輝いたのは、ポール・ジョージ、カーメロ・アンソニーという点取り屋がチームに加わってアシスト先が増えたことが要因だろう。
ウェストブルックが中に切り込み、外からはジョージやアンソニーが射抜く。NBA屈指のBIG3の波に乗った時の攻撃力は凄まじいものがあり、勢いに乗ったサンダーを止めることは容易ではなかった。
そんなウェストブルック率いるサンダーは、強豪ひしめくウェスタンカンファレンスにてシーズン4位に滑り込んだものの、プレイオフでユタ・ジャズに破れまさかの1回戦敗退となってしまった。今夏にFAとなるポール・ジョージは他チーム移籍が濃厚と言われ、もう一人のスタープレイヤーであるアンソニーはベテランの域に入ったため、支配力が落ちてきている。
ウェストブルックがNBAで唯一手にしていないとも言えるチャンピオンリング。それを獲得するためには、”勝てるための答え”を見つけ出さなければならないだろう。
デイビスが3回目のブロック王 オラディポは初のスティール王に輝く
最後はブロック部門とスティール部門の紹介。どちらもディフェンスで、相手ミスを誘発するプレイだ。では、ブロックとスティール部門上位選手達をみていこう。
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今季ブロックリーダーは、今回が3回目の受賞となったペリカンズのアンソニー・デイビス。つながった眉毛がトレードマークで、身長が208cmとNBAでもトップクラスだ。長い腕と素晴らしい運動能力、反応速度もガード選手並のため相手のシュートに素早く反応しブロックを量産する。
今季は得点部門でもNBA2位、チームもプレイオフに3シーズンぶりの出場、1回戦を※3スイープで突破し自身初プレイオフ2回戦に駒を進めた。
スティール部門は、今年ブレイクしたペイサーズのオラディポが初受賞している。野生的な動きでスティールを量産し、NBA9位の平均失点を誇るペイサーズディフェンスを支えた。
オラディポ率いるペイサーズは4月24日現在、昨年のイースタン・カンファレンス王者であるキャバリアーズとシリーズ2勝2敗となり、互角の戦いを見せている。このシリーズでも、オラディポのスティールによってチームが勢いづく場面も見られている。
今後この勢力が、東の王者キャブスと”キング”レブロンにどこまで迫れるかが楽しみだ。
※3スイープ:シリーズを負け無しの4連勝で勝ち進むこと。相手をホウキで一掃してしまうという意味。