ダブルダブルorトリプルダブルとは?
まず、"ダブルダブル"と"トリプルダブル"の定義について説明しよう。
バスケットの主要成績5部門である、得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックの中で、2ケタ成績を2部門記録することをダブルダブル、2ケタ成績を3部門記録することをトリプルダブルという。下記の表にてダブルダブルとトリプルダブルとなる例を見てみよう。
ダブルダブルやトリプルダブルは、得点、リバウンド、アシストの3部門の中で記録されることがほとんど。スティールやブロックが2ケタに乗ることは、NBAのレベルでは難しい。
そんな中で、2016-17シーズンにウォリアーズのドレイモンド・グリーンが、史上初の得点を含まないトリプルダブルを達成している。ちなみにその成績は、4得点、12リバウンド、10アシスト、10スティール、5ブロックという成績だった。
また、4部門で2ケタを記録することを"クアドラプルダブル(quadruple-double)"、5部門で2ケタを記録することを"クィンタプルダブル(quintuple-double)"という。
クアドラプルダブルは2018/02/13現在までに5度記録され、クィンタプルダブルは記録されたことはない。
2017-18シーズン 前半戦のダブルダブルリーダーはウルブズのビッグマン
では今季前半戦のダブルダブル数はどうなっているのか?2018/02/13現在、米スポーツ専門局ESPNによると以下の通りになっている。
3位のラッセル・ウェストブルック以外は、全員センターという結果になっている。これは、センターは得点とリバウンドでダブルダブルを記録することが多く、バスケットではアシストよりもリバウンドの方が多く記録し易いからだろう。
その証拠に、現在のチームリバウンド数がリーグ平均40代であるのに対し、アシストは一番多いウォリアーズでも30.6であることからもわかる。
そして最もダブルダブル数が多い、ウルブズのタウンズは22歳で売り出し中のビッグマン。
2m13cmのセブンフッターでありながら3Pを打ったり、自らボールを運んで速攻を仕掛けるなど、大変器用な選手。ルーキー・オブザ・イヤーにも輝いており、今後NBAの顔になっていくであろう選手だ。
ウルブズはタウンズともう一人の若手注目株、アンドリュー・ウィギンズ、そして今オフにオールスタープレイヤーのジミー・バトラーを迎え、充実のラインナップとなっている。タウンズ率いるウルブズが、NBAの次世代を担う日はそう遠くはないだろう。
今季のウェストブルックも、ほぼトリプルダブル級のスタッツ!
そして、近年多くの選手が量産しているトリプルダブルランキングは以下の通りとなっている。
2018/02/13現在
昨年に引き続き、ウェストブルックが16回で第1位、それをレブロンが10回で追う形となっている。
ウェストブルックは、トリプルダブル数こそ前年のペースよりは落ちてはいるが、25.5ポイント、9.3リバウンド、10.3アシストと、"ほぼ"平均トリプルダブルと言っていい数字を残している。
そして"キング"レブロンも、26.3ポイント、8.1リバウンド、8.9アシストと準トリプルダブルの数字だ。
特筆すべきは、今シーズンルーキー扱いのベン・シモンズ。2016年ドラフト1位でNBAに入ってきたが、怪我のために1年目は出場なしに終わった。そして、ついにNBAデビューを果たした今季、噂に違わぬ活躍を見せている。
現在のところ、16.4ポイント、7.7リバウンド、7.3アシストという素晴らしい成績となっている。ネクストレブロンとも呼ばれ、そのレブロンにも認められている才能は"本物"だったようだ。
歴代ダブルダブルorトリプルダブルリーダーは?
では最後に、今までに最もダブルダブルorトリプルダブルを記録した選手たちを見てみよう。
まずはダブルダブルから。
続いてトリプルダブル。
ダブルダブル1位はウィルト・チェンバレン。彼は1試合100得点をはじめとして、伝説的な記録を数々持っている選手だ。
当時では考えられない巨体と身体能力を持って、NBAを席巻した。2位のモーゼス・マローンはオフェンスリバウンド歴代1位の記録を持っており、殿堂入りも果たしているレジェンドである。
そしてトリプルダブルは、史上二人しかいないシーズン平均トリプルダブルを達成している、オスカー・ロバートソンが181回でダントツ1位。ウェストブルックが達成するまでは、誰も真似のできない記録と言われていたほどだった。
2位はマジック・ジョンソン。長身ながらポイントガードを務め、圧倒的なパスセンスで"ショータイム"と言われる速攻を繰り出し、レイカーズの黄金期を支えた。
面白いことに、ダブルダブルの上位3名はゴール下が主戦場のビッグマン、トリプルダブルはアウトサイド中心のポイントガード3人になっているところ。
やはり、ダブルダブルは得点とリバウンドが取れる選手、トリプルダブルはアシストが多く記録できる選手が、達成しやすい記録である。
現在のところ、両成績とも現役選手の名前はTOP3に入っていないが、トリプルダブル数ではウェストブルックが95回で第4位につけている。今のペースでウェストブルックがトリプルダブルを量産すれば、"不可能"と思われていたロバートソンの大記録を抜く日がくるかもしれない。