インターハイで福岡大大濠と熱戦を演じた帝京長岡
インターハイでは、惜しくも3位に終わってしまった新潟県の帝京長岡高校。準決勝の福岡大大濠との試合は、相手の1年生・横地聖真選手に2度のブザービートを決められてしまい、何と第4オーバータイムまでもつれる熱戦となった。
試合は1時間にもわたり、まちがいなく高校バスケ史に残るほどの1戦であったが、最後は87-89で福岡大大濠の勝利に終わってしまった。
思い返せば、昨年のウインターカップ準決勝でも、福岡第一と第2オーバータイムまでもつれる熱戦を演じている。非常に粘り強いチームなのだ。
だが最終的にこの2試合は負けており、ウインターカップにいたっては続く北陸学院との3位決定戦も落としてしまい、2連敗で冬が終わってしまっている。今年の冬こそ、笑って大会を終えたいところだ。そのためには、優勝をつかみ取るしかない。
体格はそれほど大きくないがスピードと連携でカバー
帝京長岡のチームとしての特徴は、選手たちの身長がそれほど高くないということだ。外国人留学生選手を除けば、2017年のインターハイでもっとも高い選手で187cm、ほとんどの選手は170cm~180cm前半であった。中学時代はそれほど実績のない選手も多かったが、高校に入学してから過酷な練習量をこなし、ここまで成長してきた。
そんな帝京長岡の注目選手は、祝(ほうり)俊成選手である。祝選手は170cmと小柄なガードであるが、とにかくパスワークが絶妙だ。味方の位置を素早く判断すると、相手のマークが届かないところに絶妙なパスを出す。
そして次の瞬間にはシュートが決まり、本当に一瞬で得点を生み出してしまう。自身も高いドリブル技術とスピードを持ち合わせており、突破力もあるのだ。合わせてシュートの精度も高く、彼から生み出される攻撃パターンの豊富さこそが、帝京長岡の強さにつながっている。
2人のガードのコンビネーションにも注目
祝選手と抜群のコンビネーションを誇るのが、もう1人のガードである池田大雅選手だ。インターハイの福岡大大濠戦では、第3オーバータイム残り12秒から見事なスティールを決めて、同点のゴールを奪っている。
祝選手が司令塔なら、池田選手はエースといった存在だろう。高い身体能力を生かしたスピード感のあるプレーが魅力。
祝選手、池田選手共に勝負強さを持ち合わせており、ここ1番ではとても頼りになる存在なのだ。この2人ガードからポイントを奪っていくのが、今年の帝京長岡の黄金パターンである。
誰が起用される?3人の外国人留学生
帝京長岡のさらなる特徴は、外国人選手が3人もいるところだ。ブラ・グロリダ選手、ティレラ・タヒロウ選手、ケイタ・カンディオーラ選手が在籍しており、昨年のウインターカップでのチームの柱、タヒロウ・ディアベイト選手の後釜を誰が務めるのかにも注目が集まている。
新潟県予選ではケイタ選手が、インターハイでは主にブラ選手がスターターを務めていた。日本人選手の身長はそれほど高くないものの、その足りない部分を留学生選手たちがカバーしてくれているのだ。
また、選手としてのタイプもバラバラなのも面白い。ケイタ選手やティレラ選手はオフェンス型の選手であるが、ブラ選手は留学生には珍しくディフェンス型の選手。自己犠牲でチームに貢献してくれる選手なのだ。
今年のチームは、キャプテンの五十嵐平選手を中心とした守備のチームであり、その方針にブラ選手はぴったりと合っている。だが、チーム状況に合わせてケイタ選手やティレラ選手を投入し、オフェンスで流れを変えることができるというのも帝京長岡の強みだろう。
さらにバスケの大会では、試合ごとに登録メンバーを変更できるというルールもある。いったい誰が試合に出てくるのか、そういった点にも注目だ。
徐々に成績をのばす帝京長岡!次なる目標はもちろん優勝
帝京長岡は、2014年に初めてウインターカップに出場し、2016年に3度目の挑戦でベスト4に入るまでになった。インターハイでは2015年、そして2017年にも3位に入っている。こうしてみると、現状では準決勝が1つの壁となっているという感じだ。
しかし、徐々に成績を伸ばしてきているのも確かであり、チームは経験を積むたびに強くなっていている。次なる目標は、準決勝の壁を破り決勝に進出、さらにその勢いで一気に優勝まで駆け上がることだ。