前年は2大大会で準優勝
2016年、どのチームよりも悔しい思いをしたのが東山高校だろう。インターハイ、ウインターカップ、ともに福岡第一高校に敗れての準優勝だった。いずれもあと一歩というところで、涙を飲む結果となった。
国体ではなんとか京都代表として優勝を果たしたものの、やはり「東山高校」として栄光をつかみたいという気持ちは強いはずだ。
2017年のインターハイでも、優勝した福岡大大濠に敗退してしまい、ベスト16で終わっている。2年連続で福岡の高校に敗れてしまっており、なんともやりきれない思いでいっぱいだろう。2017年のウインターカップこそリベンジの時だ。
新たな司令塔が、チームを勝利に導く
東山高校のキーマンは、南天仁(たかひと)選手だ。
昨年はチームの絶対的なエースで、U-26日本代表に選ばれた岡田侑大選手(現:拓殖大学)、そして司令塔として活躍した藤澤尚之選手(現:天理高校)など、3年生が中心のチームであった。だが彼らが卒業したことによってメンバーはガラリと変更した。
そんな中、新たに司令塔として期待されているのが、南選手なのである。身長は168cmと低いが、スピードとシュート力が高く、得点を生み出す能力に長けている選手だ。今年の東山のオフェンスの中心となる選手である。
昨年の準優勝を経験した留学生選手にも注目
もう1人の注目選手が、昨年は2年生選手として全国の舞台を経験したカロンジカボンゴ・パトリック選手である。身長は206cmとかなりの長身だが、決してフィジカルだけに頼ったプレーをするわけではなく、非常にクレバーな部分を持ち合わせている。対戦相手からは、身長以上にも厄介だと思われる選手だろう。
また練習中に時折関西弁が飛び出すなど、チームメイトとのコミュニケーションもとれており、連携面でも心配はない。今年の東山は、司令塔である南選手とパトリック選手とのコンビネーションが、チームの勝敗を左右することになるだろう。
優勝に向けての課題は課題は山積み
東山にもまだまだ課題があり、南・パトリックのコンビネーションがカギを握るということは、必然的に相手のマークもそこに集中してしまうということとなる。しかし、それを上手くかいくぐるのが司令塔である南選手の役割だ。
コート全体をしっかりと見回し、他の選手たちの調子なども考慮しながら、誰にボールを回すのか。こういったポイントガードとしてもっとも重要な「ゲームコントロール」の部分を、もっと鍛え上げていかなければならない。
パトリック選手も、昨年から引き続きメンタル面が課題となる。昨年はファールなどがきっかけで集中力を欠いてしまい、プレーが乱れてしまうということがあった。昨年から改善は見られているが、今後も「我慢」が課題となってくるだろう。
先輩たちのはたせなかった夢を絶対に叶える!
東山高校が勝ち上がるためのポイントは、やはり南選手・パトリック選手を中心とした連係プレーだろう。さらに個々の選手たちの全体的な底上げも、ウインターカップまでの課題だ。昨年の東山高校は先輩たちの存在が大きかったが、彼らだって負けてはいられない。
先輩たちが達成できなかった全国制覇という夢を叶えることが出来るのは、今現役である彼らだけなのだ。昨年の悔しさや今年のインターハイでの悔しさも、このウインターカップで晴らしてほしい。