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かつてウインターカップで行われたダンクコンテスト!その注目選手とは

2017 10/13 10:05Mimu
バスケ ダンク
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2003年まで開催されたダンクコンテスト

高校バスケの大会の最高峰でもあるウインターカップ。メディアからの注目度が非常に高いこの大会では、かつてダンクコンテストや3Pコンテストなども行われていた時期もあった。
1989年の第20回大会から2003年の代34回大会まの期間、開会式が終わった直後に男子はダンク、女子は3Pシュートのコンテストが毎年行われていたのだ。
ちなみに参加者は大会側から指定されるのではなく、事前に参加を希望していた選手のみが参加することとなっていた。あくまで余興であるが、この大会でも名場面が多い。今回は男子のダンクコンテストに注目し、かつての名選手たちを紹介していこう。

高校時代からダンクの名手!大宮宏正

まず紹介するのは、現在も名古屋ダイヤモンドドルフィンズで活躍する大宮宏正選手だ。
以前からさまざまなチームに所属しており、JBLのリング栃木ブレックスやNBLリーグの熊本ヴォルターズ、bjリーグの琉球ゴールデンキングスに所属している際には、各リーグでダンクコンテストに出場していた経験もある。日本バスケ界きっての名ダンカーである。

そんな大宮選手は、学生時代から派手なダンクを決めていた。栃木県の作新高校3年生だった2001年に、ウインターカップのダンクコンテストに出場しているのだが、何とこの時、圧倒的な成績を残して優勝を果たしている。
当時のダンクダンクコンテストは2度の試技があり、それぞれ50点満点、合計100点満点で競うというルールの中、大宮選手の得点は何と99点。2位の藤澤紀幸選手(育英高校)が89点、3位の井上聡人選手(八王子高校、元東京ッサンレーブスなど)が88点なのだから、いかに圧倒的なのかが分かる。

大宮選手はその後専修大学へと進学し、インカレ優勝やユニバーシアード大会なども経験。その一方で、京王杯のダンクコンテストで優勝をはたしてる。いつの世代でも、ダンクでファンを魅了していた選手だ。

身長181cmながら華麗なダンク

続いては永山誠選手を紹介しよう。京都の名門・洛南高校で1年生から活躍し、3年連続でウインターカップに出場。そして3年生だった95年のウインターカップに出た際に、ダンクコンテストに出場した。

永山選手が見せた試技は、本当に見事であった。3Pラインあたりから助走をつけて、ゴール手前で何と真後ろを向き、そのままジャンプしたのだ。空中で体を180度回転させて、そのままダンク。もちろん審査員の得点は50点満点。この年のダンクコンテストチャンピオンとなった。

その後は日本大学、松下電器、和歌山トライアンズなどで活躍。身長181㎝と、バスケ選手としてはそれほど高くないが、プレースタイルでは高い精度のシュートを武器とした選手だった。
アウトサイドから美しいフォームで放たれたボールは、美しい放物線を描いてゴールに吸い込まれていく。思わず見とれてしまうほどテクニックをもった選手であった。そんな永山選手が高校時代にダンクコンテストに出場していたとは、意外な1面である。

まるで和製ジョーダン!?抜群の身体能力を持った長澤晃一

そして最後に紹介するのは、長澤晃一選手だ。熊代工業のセンターとして出場した2000年のウインターカップ。この年のダンクコンテストで、伝説的なプレーを見せている。

ゴールラインに対して、斜めに走っていくように助走をつけ、ペイントエリアのやや後ろから大ジャンプ。まるで本当に飛んでいるかのような、長い滞空時間のジャンプを見せると、そのままボールをリングに叩き込んだ。
マイケル・ジョーダン氏はその長い滞空時間から「エア・ジョーダン」という異名がついていたほどであったが、インパクトでは長澤選手も負けていなかった。

得点はもちろん50点満点。かと思いきや、なんと審査員のうちの1人が10点の札の横にさらに5点の札を重ね、合計55点にしてしまった。満点を越えたのは、後にも先にも長澤選手のみである。

中学時代はバスケの合間に陸上の三種競技(100m走・砲丸投・走り高跳び)を練習して、秋田県代表になったこともあるほどの身体能力の持ち主であり、その身体から生み出される見事なダンクであった。ちなみに、社会人に入ってからはラグビーに転向したという異色の経歴もある。

試合ではあまりお目にかかれないからこそ盛り上がる

高校バスケでは、ダンクシュートはあまりお目にかかれない。ゴール下で余裕があるのならレイアップシュートの方が確実だし、ダンクは着地時に危険がある。あれだけのジャンプをするには、かなりの体力を要すると思われ、序盤からダンクを連発すると後半まで体力が持たないという戦術的な理由もある。

だからこそダンクが盛り上がるのだ。現在でもBリーグではダンクコンテストが開催されており、大きな盛り上がりを見せている。ウインターカップでは過去の記録となっているが、いまだ記憶にハッキリと焼き付けられているというファンも多い。