男子でもっとも注目すべきは福岡第一高校
男子では、福岡第一高校に注目したい。2016年は、重冨周希・友希選手(現:専修大学)の双子のガードが中心となり、インターハイとウインターカップの2冠を達成した。172㎝と小柄であるが、スピード感のあるプレーが持ち味。
しかし何よりも、お互いがコートのどこにいるか目で見なくてもわかっているのか、どんなパスでも通してしまう連携が印象的だった。意思疎通ができているとかそういったレベルではなく、きっと双子ならではのプレーなのだろう。
福岡第一高校は当然ウインターカップ2連覇を狙っているはずだ。昨年1年生ながら主力を務めていた松崎裕樹選手は、この1年でさらにパワーアップした。今まではスピードを生かしてガンガン攻めていくプレーが多かったが、今年は更に広い視野を持って、司令塔のような働きが期待されている。
さらに195㎝の外国人留学生、バム・アンゲイ・ジョナサン選手も昨年の2冠を達成した選手の1人だ。インターハイでは準決勝敗退と苦汁を飲まされたが、ウインターカップでリベンジとなるだろうか。
群雄割拠の男子バスケ
対抗するのはインターハイの覇者、福岡大大濠のほか、準優勝の明成高校などが挙げられる。福岡大大濠は、やはり横地聖真選手の勝負強さに注目していきたい。
準決勝の帝京長岡戦で見せた2度のブザービート。まだ1年生ではあるが、ここ1番で本当に頼りになる存在であった。彼以外にも、U-19日本代表を経験した司令塔・中田嵩基選手の存在も見逃せない。
福岡大大濠に決勝で敗れた明成高校も注目だ。決勝の試合もかなりの熱戦となったが、最後は相原アレクサンダー学選手のフリースローが決まれば同点というところでミスをしてしまい、非常に悔しい思いをしていることだろう。
3連覇時の中心選手であった八村塁選手の実弟、八村阿蓮選手もエースとして成長中である。決して福岡勢だけが主役ではない。もちろんこの2校以外にも、東山高校や帝京長岡高校など強豪校が多く、どの高校が勝ち上がってくるか予想するのは非常に難しい。
群雄割拠の男子高校バスケ、最後に頂点に立っているのはどの高校だろうか。
女子は桜花学園と岐阜女子の因縁の対決
女子の方は、インターハイと同じく桜花学園と岐阜女子の2強になるのではないだろうか。桜花学園といえば、ウインターカップ最多の21度の優勝を誇る、名門中の名門校だ。2016年はインターハイ・国体・ウインターカップの3冠を達成し、名実ともに日本最強のチームであった。
だが岐阜女子も負けていない。2016年はインターハイ・国体・ウインターカップすべてで決勝で桜花学園に負けてしまい準優勝。しかし、その悔しさをバネに、2017年インターハイでは桜花学園を破って優勝しており、実力は拮抗している。永遠のライバルであるこの2校の対決は、やはり2017年ウインターカップでも最大の注目ポイントだ。
ともに昨年から主力だった選手が健在
桜花学園の注目選手は、やはり山本麻衣選手だ。この名門校で1年生の時から活躍し、ウインターカップでも2年連続で優勝を経験している。それだけに、自分たちの代でインターハイに敗北してしまったことを、1番重く受け止めている人物なのではないだろうか。
シュート、ドリブル、パス、すべてのプレーの質が高く、さらに冷静さと勝負強さを持ち合わせている。インターハイでは徹底的にマークされたが、彼女が本来の力を発揮することが、桜花学園優勝への最大の近道だ。
岐阜女子では、バイ・クンバ・ディヤサン選手に注目したい。インターハイ決勝の桜花学園戦では、チーム最多となる40得点・28リバウンドを記録。優勝の原動力となった選手だ。
身長は190cmと、女子バスケ界では屈指の高さを誇る。それでいてフィジカルをつかったプレーだけでなく、他の選手達との連係プレーの質も向上してきた。
山本麻衣選手は最大のライバルで尊敬すべき相手だという彼女だが、インターハイに続きウインターカップでも勝利となるだろうか。
まったく読めないウインターカップ
ウインターカップの予想だが、男子の方は本当に難しい。どのチームもそれぞれの強みを持っており、なおかつ隙がない。どのチームが優勝してもおかしくないという状況である。一方で女子は桜花学園・岐阜女子の2校が抜きんでている印象だ。
ここ数年因縁の相手になっている2校だが、その関係は今後もまだまだ続いていくだろう。ダークホース的な高校の登場にも期待していきたいところだが、果たしてどうなるだろうか。この冬が楽しみである。