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身長差を無効にするスクープショットを操るバスケ選手4選

2017 7/12 14:39吉田 和喜
トニー・パーカー
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Photo by Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

スクープショットはディフェンスがチェックに入る前にふわりと浮くシュートで決めるため、身長差に関係なく決めることができるシュートだ。そんなスクープショットを身に着けて活躍するNBA選手や日本人選手を紹介する。

高い技術を要するスクープショット

スクープショットとはジャンプシュートでもなく、レイアップシュートでもない、ゴール前でディフェンスがチェックに入る前にふんわりとアンダーハンドでボールを浮かせて打つショットのことだ。同じようなショットにはオーバーハンドで打つフローターシュートもある。バスケット漫画の王道であるスラムダンクでも登場し、桜木から”へなちょこショット”と呼ばれたので有名だ。
高い技術力を必要とし、リバウンドが取られやすいなどデメリットがあるが、ブロックされにくく、ディフェンスと身長差があっても決めやすいため、身長の低い選手が体得したいシュートといえる。

スクープショットといえばトニー・パーカー選手

アメリカ国籍を持たない選手で初めてNBAファイナルMVPにも選出されているサンアントニオ・スパーズのトニー・パーカー選手。他にも2015年にユーロ史上、歴代1位となる1,032得点を記録するなど、攻撃的なポイントガードとして活躍している。
その抜群の得点力の武器となっているのがスクープショットだ。身長188cmとNBAでは小柄ながら、独特の早いステップから繰り出されるスクープショットは大柄のセンターでもブロックすることが難しく、キャリア平均でフィールドゴール成功率50%弱と、ガードとして非常に高い成績を残している。

最高シューターのステファン・カリー選手もスクープショットの使い手

現役最高のシューターとして抜群のシュートセンスを武器に得点を重ねるポイントガードのステファン・カリー選手。所属するゴールデンステイト・ウォリアーズでは圧倒的なスコアラーとして活躍し、2015-2016シーズンでは史上初の満票獲得でのMVPに選ばれている。
そんなステファン・カリーの魅力としてよく3Pシュートが注目される。ただ191cmと決してNBAでは大柄でない体ながら、相手とのスペースをあける卓越したハンドリングからのスクープショットやフローターシュートにも注目だ。自分よりも10cm以上高いディフェンスを躱(かわ)しながら放たれるスクープシュートは芸術的だ。

ニューヨーク・ニックスで新たなスタートを切るデリック・ローズ選手

シカゴ・ブルズからドラフト1位指名を受けてNBA入りを果たしたデリック・ローズ選手。NBAのポイントガードの中では珍しいフィールドゴールが得意なタイプの選手だ。デビューの2008-2009シーズンではプレーオフデビュー戦で36得点をあげ、新人王にも輝いた。
デリック・ローズ選手の鋭いドライブやドライブを警戒した相手を翻弄するように繰り出されるスクープショットはファンを魅了する。ケガによる不調にも悩まされたが、2016-2017シーズンからはニューヨーク・ニックスに所属することになり、活躍に期待がかかる。

憧れのNBAの舞台へ挑んだ富樫勇樹選手

身長差を無効にする力を持つスクープショットやフローターシュートは、体格で欧米に劣る日本人には相性の良いテクニックだ。そんなスクープショットやフローターシュートを得意とする日本人選手が富樫勇樹選手だ。身長167cmと日本の平均身長よりも低く、決して体格で恵まれているとは言えないが、高いシュート力を武器にNBAに挑戦し、見事ダラス・マーベリックスのサマーリーグのメンバーに選出された。
海外の壁のように立ちはだかるディフェンスを前に、インサイドに切り込んでから放たれるスクープショットやフローターシュートは会場を大きく沸かせた。現在は千葉ジェッツでプレーしている。

まとめ

相手ディフェンスを翻弄するかのように、ふんわりとしたボールでシュートを決めるスクープショット。NBAでも身長の低い選手たちが当たり前のように使っている。体格で劣る日本人選手にとっても海外と対抗するための武器になるテクニックで、富樫勇樹選手などスクープショットを活用する選手たちの活躍に注目が集まっている。