概要
NBAドラフトとは、NBA各球団がアマチュア選手との契約交渉権を獲得するためのものです。
ドラフトの対象者となるのは、アメリカ国籍を持つ者の場合は大学を卒業した者か、22歳に達した者となります。
また海外選手の場合は22歳に達した者かNBA以外のプロリーグに所属した選手が対象。これらの選手には自動的に権利が与えられます。
しかし、22歳に達していなくても入団できる方法があります。それがアーリーエントリー制度です。
Photo by A.RICARDO/Shutterstock.com
ストーブリーグで毎シーズン盛り上がりを見せるのがドラフトですが、その中にアーリーエントリーという制度が存在します。 MLBやNPBのドラフトにはない制度なので、バスケファン以外には馴染みのない制度かもしれません。 そこで今回は、アーリーエントリーという制度について解説します。
NBAドラフトとは、NBA各球団がアマチュア選手との契約交渉権を獲得するためのものです。
ドラフトの対象者となるのは、アメリカ国籍を持つ者の場合は大学を卒業した者か、22歳に達した者となります。
また海外選手の場合は22歳に達した者かNBA以外のプロリーグに所属した選手が対象。これらの選手には自動的に権利が与えられます。
しかし、22歳に達していなくても入団できる方法があります。それがアーリーエントリー制度です。
アーリーエントリー制度とは、上述のとおりドラフト対象ではない選手でもNBAチームに加入できる制度です。この制度がなかった時代は、ドラフトの対象要件を満たしてドラフト参加することでしか入団する術がありませんでした。
アーリーエントリー資格の自動取得権利のない選手が権利を得たい場合は、ドラフトの60日前に宣言する必要があります。そこから、各球団のワークアウトに参加してドラフトでの評価や情報などを収集することができます。
制度が導入されてから、年々アーリーエントリーを宣言する選手が増えている傾向にあります。
この制度のメリットはただひとつ。ドラフト対象外の選手でもドラフト権利を得ることができ、いち早くNBAを目指すことができることです。
この制度で最も成功した選手といえば、キャバリアーズのレブロン・ジェームズ選手でしょう。
ジェームズ選手の成功例もあってか、現在ではアーリーエントリーが主流になりつつあります。
また、球団側としても有望な選手をドラフトを介さずに獲得することができますし、有望株を他球団に渡さないような戦略をとることもできます。
メリットも多いアーリーエントリーですが、一方でデメリットも幾つか存在します。
まず、有望な選手が大学を介さずにNBAを目指してしまうため、NCAA(全米大学体育協会)の空洞化もささやかれています。
NCAAと言えば、大学の体育協会としては世界最大規模で、人気も高く、その分影響力も非常に強い団体です。
さらには、身体能力や将来性を優先してしまい、スキルなどが未熟な若手選手が増えることで、チームのレベルが低下してしまうという声も少なからずあるようです。
アーリーエントリーに関わる規定は年々改善されており、徐々に良い方向へ向かっているようです。
しかし、未だ課題は多い印象です。NCAAへ進むはずの有望選手がNBAに直接行ってしまうことによる、アマチュア側とNBA側との溝も改善の余地があります。
さらには、育成リーグである、NBDLの整備も急務です。MLBなどにもマイナーリーグはありますが、選手数などが少ないので、NBA独自の方向性で煮詰めていく必要がありそうです。
アーリーエントリー制度をうまく利用すれば、レブロン・ジェームズ選手のような高卒のスター選手が多く出てくることでしょう。 確かに問題点もまだ多くありますが、メリットも大きい制度なので、今後の制度の改善にも期待です。