【学校紹介】安江監督に率いられ、岐阜県内では無敵の存在
岐阜県羽島郡岐南町にある岐阜女子高等学校は1940年に設立された私立女子校。創部からおよそ40年の歴史を持つバスケットボール部は、安江満夫監督に率いられ、1988年に初めて全国の舞台を踏んでから岐阜県内で負け知らず。
2000年からは全国タイトルにも手が届くような超強豪として知られるようになり、2015年のウィンターカップで初の日本一を経験。絶対女王・桜花学園(愛知)の対抗勢力として、ナンバーワンの実力を誇る。
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高校バスケ冬の全国選抜大会、通称「ウィンターカップ」。2016年のこの大会で準優勝を果たしたのが岐阜女子(岐阜)。本稿では、全国トップクラスの戦力と実績を誇る同校のインターハイでの成績を予想。
岐阜県羽島郡岐南町にある岐阜女子高等学校は1940年に設立された私立女子校。創部からおよそ40年の歴史を持つバスケットボール部は、安江満夫監督に率いられ、1988年に初めて全国の舞台を踏んでから岐阜県内で負け知らず。
2000年からは全国タイトルにも手が届くような超強豪として知られるようになり、2015年のウィンターカップで初の日本一を経験。絶対女王・桜花学園(愛知)の対抗勢力として、ナンバーワンの実力を誇る。
昨年のインターハイにも岐阜県代表として出場した岐阜女子。50点以上の差で1・2回戦を突破し、3回戦で成長著しい聖カタリナ学園(愛媛)と相対。
聖カタリナ学園はルーキーイヤーの梅木千夏選手が大当たり。スピード感あふれるドライブに、岐阜女子ディフェンスも苦しめられるが、ファトーらインサイドでの戦いを制して80-67で準々決勝進出へ。
続く福島西(福島)との一戦を66-48で制すると、準決勝で待ち受けるのは大阪薫英女学院(大阪)。ポストアップから起点を作り、外からの3Pを中心に攻める相手に苦労するが、この試合もファトーが誰も寄せ付けない高さと強さを見せつけて得点を量産。チームに勝利をもたらした。
決勝では宿敵・桜花学園(愛知)と対戦。ゴール下でファトーに仕事をさせないという明確な狙いを持った桜花ディフェンスが、序盤から完璧に機能。得点源を奪われた形の岐阜女子は石井選手を中心としたドライブで攻めるが、すべてが得点につながるわけもなく60-48で敗戦。相手のオフェンスを要所で抑えつつ、手堅く決めてくる女王・桜花学園。牙城の高さを思い知らされた一戦だった。
ウィンターカップでは女王へのリベンジを目指し、初戦から着実に勝ち上がる岐阜女子。しかし、2回戦の聖和学院(宮城)戦は前半が点の取り合いに。また準々決勝の八雲学園(東京)戦では、ファトー選手のインサイド封じにあい苦しめられる。それでも、藤田歩選手の卓越したゲームメイクや、中も外も関わらず点を奪った石井香帆選手、攻撃の中心となった2年のディヤサン選手などの活躍により、「ファトー選手頼み」のチームからの脱却を図り、経験値を高めて再び桜花学園への挑戦権を得ることに成功。
そして迎えた決勝戦、「勝てば高校3冠達成」と序盤からアクセル全開の桜花学園に主導権を握られる。この試合でも桜花学園のファトー選手対策は固く、藤田選手と石井選手がサブ得点源として機能。徐々に点差を詰めていき、第3ピリオドでは相手の連続ミスから得点を重ね、ついに同点へ。
ここから両者、激しい点の取り合いに。残り30秒で67-65。あと1プレーで大逆転という局面で、完璧な守備を見せたのは桜花学園だった。岐阜女子は女王をギリギリのところまで追い詰めたものの、あと一歩のところでリベンジ達成とならなかった。
チームを支えた石井選手、ファトー選手、藤田選手。彼女たち3年生が抜ける来年度、期待がかかるのは2年生センターのディヤサンだろう。身長は180㎝とファトーよりも高く、ウィンターカップではファトーのバックアッパーとしての出場がメイン。そうでありながら、聖和学園戦でチームトップの23得点をマークするなどポテンシャルは十分。岐阜女子のゴール下を支配する存在となりそうだ。
また、高精度の3ポイントシュートが魅力の2年、石坂ひなた選手にも注目。パスを受けて、ボールをリリースするまでの一連の動作に淀みがない素晴らしいシューターで、ディヤサンと並び来季の岐阜女子の得点源として期待されている。
岐阜県内では無敵の存在であり、全国的に見ても桜花学園の次に手堅く、負ける可能性の少ないバスケを展開している岐阜女子。相当なアップセットがない限りは、ここ数年の主要大会の決勝カードは常に桜花vs岐阜女子ということもあり、来る次のインターハイでも頂点を決める戦いで相まみえることになると予想。
前述の2名に加え、パワーフォワードの小野佑紀選手も全国で通用する逸材として注目。唯一の懸念は司令塔となるポイントガードだ。U-17日本代表の山本真衣選手を擁する桜花学園が一歩抜きん出ており、1年かけて育成していくことが覇権奪回のための最重要課題と思われる。
桜花vs岐阜女子の2強時代に突入して数年、桜花相手の勝利は2015年のウィンターカップ決勝戦のみ。しかし、実力差は以前よりも詰まってきており、岐阜女子のチーム強化は着実に実りつつある。次のインターハイでも、取りこぼしさえなければ岐阜女子の決勝進出はかなり有力。新チームの成熟を図りながら約束の舞台へと戻る、岐阜女子の再挑戦に注目したいところだ。