【学校紹介】1/320を目指す戦いを続ける新興勢力
八雲学園中学校・高等学校は、1938年設立、東京都目黒区にある中高一貫教育を行う私立女子校です。バスケットボール部は近年メキメキと実力を積み重ねてきたいわば「新興勢力」。
2009年にウィンターカップに初めて出場しましたが、それから2年後、インターハイには2011年に念願の初出場を果たします。以降6年続けて東京都代表として本戦に出場中です。しかし、東京都は320校以上が競い合う激戦区。東京成徳大高や明星学園などのライバル校と毎年1枠をめぐる戦いを繰り広げています。
【ウィンターカップハイライト】ベスト8で幕を閉じた冬
東京都代表として出場した八雲学園のウィンターカップ。初戦となった2回戦では聖カタリナ学園(愛媛)と対戦しました。序盤は五分五分の展開が続くも、U-18日本代表の佐藤由璃果(さとうゆりか)選手がインサイドでの強さを発揮しゴールを量産、前半で18点差をつけたこともあり89-57で圧勝のスタートを切ります。続く3回戦は、2度目の全国の舞台となる県立旭(神奈川県)の粘りに苦しむも99-89でなんとか振り切り勝利を奪い準々決勝に駒を進めます。
準々決勝で八雲学園を迎え撃ったのは、インターハイ枠(2位)で出場している岐阜女子(岐阜)。ディヤイ・ファトー選手とバイクンバ・ディヤサン選手の高さとパワーに押されるものの、スピードあるドライブと高さを織り交ぜた攻撃で対抗します。
しかし、実績は格上の岐阜女子は得点が10点ビハインドで折り返すことに。後半の巻き返しを狙いましたが、第3ピリオド序盤に連続得点を許すと一気に振り切られてしまい、51-69で敗戦。八雲学園のウィンターカップはベスト8で幕を閉じました。
【新チームの注目戦力】スーパールーキーから唯一無二のエースへ
3年生が引退した新チームにおける最大の武器は、U-17日本代表にも選出されたセンターの奥山理々嘉選手となるはずです。
180cmという恵まれたフィジカルだけでなく、内外問わず正確なシュート、質の高いステップワークやボールハンドリングが魅力のプレーヤーで、ウィンターカップでも背番号5を身につけて先輩たちを支える活躍を見せました。スーパールーキーと呼ばれたのはこの冬までで十分。これからはチームにとって唯一無二のエースとしての活躍が求められています。
【新人戦2017】東京成徳大高に大敗し、ほろ苦デビューに終わる
新チームとなって初の公式戦となった新人戦都大会、八雲学園の初陣はウィンターカップが終わって2週間という1月8日でした。難なく2勝を挙げて4チームで争う上位リーグに進出します。初戦は明星学園に対し71-52で勝利。続く第2戦は国本女子と大接戦の末67-64で辛くも勝利します。
しかし、第4ピリオドに怒涛の追い上げを見せられた末にギリギリ勝ちをもぎとった形。一抹の不安を残し挑んだ第3戦は、東京成徳大高に61-75で敗れて都大会優勝はならず。前半終了時点で25点差をつけられる「力負け」で、いささかほろ苦い船出となりました。
【インターハイ2017予想】まずは激戦区・東京都予選を勝ち抜けるか
ここ数年の公式戦上位リーグの結果を見る限りでは、八雲学園、東京成徳大高、明星学園の3校間の実力差はさほど大きくなく、東京都予選を勝ち抜けるかどうかが最初の難関となりそうです。冬までの主力だった3年生がチームを卒業した今、万能型エース・奥山選手が活躍を見せるほかにも、控えメンバーとしてチームを支えたそのほか1・2年生の実力開花が待たれるところ。
ここ一番での勝負強さはあるだけに、予選を突破すれば再び全国ベスト8を視野に捉えることができるかもしれません。
まとめ
佐藤由璃果と吉田舞衣という年代別代表プレーヤー2名が得点源としてチームを支えていた2016年の八雲学園。この穴を埋めるための時間はそれなりにかかりそうです。新チームの船出は決して順調とは言えないものの、ポテンシャルあるメンバーが揃うだけにチームが完成した時の強さは計り知れないものがあります。今後の進化に期待したいところです。