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【インターハイ2017予想】女子バスケ・札幌山の手(北海道)

2017 3/8 11:01SOL
バスケットボール
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Photo by melis / Shutterstock.com

高校女子バスケ界きっての強豪とされる札幌山の手高等学校。本稿では、3年生が最後の試合だった2016年のウィンターカップのハイライトや、引退後の札幌山はどうするのか詳しく紹介する。また、同校の今夏インターハイでの活躍を予想する。

【学校紹介】女子高校バスケ界・北の名門として

札幌山の手高等学校は、札幌市西区にある1911年に設立された私立校だ。国際交流が盛んな校風で、前身の札幌香蘭女子学園時代から世界各国から留学生を受け入れてきたこともあり、スポーツ系部活動の強化に成功してきた。
女子バスケ部はWリーグに数多くの選手を輩出してきた女子高校バスケ界の名門である。近年は道内の有力選手が集結。地道な強化策が実り、2010年にはインターハイ・国体・ウィンターカップと高校3冠を達成するなど、留学生パワーに頼らないチーム構成で着実にパワーアップが進んでいる。

【ウィンターカップハイライト】ベスト8で昭和学院に惜敗

2016年インターハイ3位の成績を引っさげて、同年のウィンターカップに北海道代表として出場した札幌山の手。28年連続35回目の出場だった。初戦となった2回戦は龍谷富山(富山)と対戦。フルタイム出場の池田玲奈選手が42得点と大暴れ、115-65で大勝し順調な滑り出しを見せる。3回戦では星城(愛知)と対戦。前半は僅差で終えるものの、第3ピリオドでつかんだリードを守りきる形で何とか勝利をつかむ。
続く準々決勝、札幌山の手が相対したのはウィンターカップ優勝5回を誇る強豪・昭和学院(千葉)。実績では格上の相手に対し、序盤は接戦を繰り広げるものの、第3ピリオドに3ポイントシュート5本を固め打ちした昭和学院が点差を大きく広げることに成功。最終スコアは55-91で敗戦、準決勝進出とはならなかった。

【新チームの注目戦力】才能豊かな1年生メンバーが新体制の主力に

昭和学院の多彩な攻撃の前に屈したウィンターカップを最後に、3年生の主力が引退し1・2年生主体の新チームが始動した。
注目はウィンターカップでも活躍した東藤ななこ選手と松永夏海選手の1年生コンビ。ともにポジションはスモールフォワード、そして1年生ながらインターハイからメンバー入りを果たしている有望株だ。180cmを超える上背はないものの、東藤選手はリバウンドの強さに、松永選手は得点力の高さに定評がある。
栗林未和選手や池田玲奈選手など圧倒的な3年生の力で勝ち上がってきた印象が強く、主力が抜けた新チームはまだ再構築段階といったところ。しかし、この2名に加え、ウィンターカップで全国の舞台を経験したポイントガードの畠山愛花選手も含め、才能豊かな1年生メンバーが新体制の主力となりそうだ。

【新人戦2017】圧倒的な力を見せつけて優勝!

新チームで初めての公式戦となったのが第29回全道高等学校新人大会。
札幌山の手は、1回戦の稚内戦で213得点を挙げて大勝。この一戦を皮切りに、2回戦の旭川龍谷戦(115-32)、準々決勝の旭川明成戦(105-39)、準決勝の海星学院戦(117-70)と4試合連続で3桁得点を決めるという圧倒的な得点力を見せつけて決勝に進出する。
決勝の相手は札幌東商業。成長著しい新興チームを相手にコンスタントに得点を重ねて、86-53で勝利。この大会を制し、幸先よいスタートを切った。

【インターハイ2017予想】引退した3年生の穴をどう埋めるかが鍵

次なるターゲットは夏のインターハイ。この1年間の戦いぶりを見ると、番狂わせがない限り北海道代表の座は札幌山の手が手にすることになりそうだ。その中で進化を迫られるのはポイントガードの畠山愛花選手。155cmと小柄な司令塔は、上背に勝る選手が多くいる全国の舞台ではインサイドへのボールの供給に苦労し、ターンオーバーを取られることも多かったため、さらなるパス技術の向上が望まれる。
U-18女子日本代表にも選出されチームの絶対的な柱だった栗林未和選手の穴を埋める存在は、やはり1年生の東藤ななこ選手しかいない。旧体制では1年生ながら攻撃の起点ともなっていただけに、そのフィールド内での存在感をどこまで大きく出来るかが、チームの浮沈の鍵を握ることになりそうだ。
この両者の成長があれば、持ち前の粘り強いディフェンスと速攻はさらに1段階上へと進化し、2年連続全国ベスト4への扉が開くはずである。

まとめ

全国優勝は果たせなかったものの、卒業していく栗林選手たちの世代の総合力はまさに全国トップレベルのものだった。その後を継ぐ後輩たちは、期待と同時にプレッシャーとも戦っていかなけれならないのもまた事実。新体制はスタートしたばかり。女子高校バスケ界の北の名門の今後の戦いに注目したいところだ。