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巨人の「苦手」は広島 リリーフエース中川皓太「広島キラー」への期待【データで探る天敵攻略のキーマン】

2020 3/20 06:00青木スラッガー
巨人・中川皓太ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

V奪還を果たしたが……広島には5年連続負け越し

長いペナントレースを制するためには「天敵を作らないこと」が大事な要素のひとつになる。大きく負け越す相手が1チームでもいるとトータルで貯金を積み重ねることは難しく、また相手の貯金を増やすことを助けてしまい「優勝」の二文字は遠のいていく。

その意味では昨季苦手とした相手との対戦は序盤戦の見どころになるだろう。早い段階で「天敵」の意識を払拭し、良い流れを生み出していきたいところだ。

そこで、苦手チームとの対戦データから天敵攻略の鍵を探っていきたい。今回は昨季5年ぶりのリーグ王者に立ち、常勝軍団復活となるか注目の巨人を取り上げる。

2019年 巨人 チーム別対戦成績

昨季の巨人が苦手とした相手は広島だ。DeNA、阪神、中日、ヤクルトのセ・リーグ4球団に加えて交流戦でも勝ち越したが、広島にだけは負け越した。

近年の両軍の戦いを振り返ると、巨人は2015年から5年連続の負け越し。特に2017年は7勝18敗、2018年は7勝17敗1分け、昨季も10勝14勝1分けと、この3シーズンは圧倒されている。今季は悪い流れを断ち切ることができるだろうか。

丸は古巣相手に機能 リリーフエース中川は広島キラーとなるか

主な選手の広島戦データを振り返り、天敵攻略のキーマンを探っていきたい。

2019年巨人対広島 打撃個人成績

昨季の両軍の対戦といえば、注目されたのは広島からFA移籍した丸佳浩。不動の3番打者としてV奪還へ大きく貢献した丸だが、古巣との対戦でもチームトップの20打点を挙げて頼りになる存在だった。

ほかの主力選手は坂本勇人が打率.340 、亀井善行も打率.354と広島に好相性を見せた。一方でやや苦戦したのが岡本和真。打率.240、5本塁打はブレーキというほどではないが、4番がもう少し当たってくれば勝ちを拾えるゲームも増えてくるだろう。

2019年巨人対広島 投手個人成績

先発では退団した山口俊が3勝0敗とチームに3つもの貯金をもたらしており、その穴はやはり大きい。大リーグへ旅立った右腕の穴埋めが先発陣の課題となってくる中で、心配なのがメルセデスだ。広島戦は5試合に登板し防御率4.44、0勝3敗の成績。シーズン全体で8勝を挙げたが広島相手には苦戦した。

好投した投手にも目を向けると、リリーフでは中川皓太が13試合に登板して防御率0.63と圧巻の投球を見せた。昨季はセットアッパー、クローザーとしてブレークを果たし、リリーフが課題と言われていたチーム状況にあって救世主となった左腕だが、天敵広島戦においてもその存在は光った。今季もブルペンの柱として、そして広島キラーとして大きな期待がかかる。

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