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筒香嘉智、山川穂高に続くのは?過去のファーム本塁打王から読み解く次世代スラッガー候補

2020 3/18 11:00林龍也
今季ブレイクに期待がかる阪神・陽川尚将と広島・メヒア
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ⒸSPAIA

ファーム本塁打王の翌年、4名が一軍でも二桁本塁打

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、開幕が延期になったプロ野球。選手たちの調整も難しい状況が続くが、期待の選手たちが無観客開催のオープン戦で輝きを放ちつつある。そこで今回は、過去のファーム本塁打王たちの翌年の一軍での成績を振り返りつつ、今季期待のスラッガーを展望していきたい。

2010~2019年の10年間で、イースタン、ウェスタン合わせて延べ24名の本塁打王が生まれている。その顔触れには、今季からメジャーリーグへと戦いの舞台を移した筒香嘉智(レイズ)や、2年連続本塁打王を獲得している山川穂高(西武)、2度の首位打者に輝いた柳田悠岐(ソフトバンク)など、錚々たるメンツが並ぶ。

イースタン本塁打王

ウェスタン本塁打王

本数を見ると、最多は2010年の筒香嘉智で26本、最小は2012年の高橋周平と竹原直隆の7本、平均本塁打数は16.7本だった。ファーム本塁打王を獲得するまでの平均在籍年数は3.8年。1年目に獲得したのは、筒香、高橋の高卒2名に、山川、柳田、森山恵佑(日本ハム)の大卒3名の計5名。獲得までに一番年数を要したのが、2015年の青松慶侑(ロッテ)の11年目だった。

一概には言えないが、並んだ名前を見ると、3年目までに平均以上の本数でタイトルを獲得した選手が、一軍の舞台でも活躍する傾向があるようだ。

続いて、ファーム本塁打王を獲得した翌年の一軍成績を見ていこう。

イースタン本塁打王の翌年一軍成績

ウェスタン本塁打王の翌年一軍成績

二桁本塁打を達成したのは4名で、最も多かったのは広島のサビエル・バティスタで、2018年に25本塁打を放っている。さらに山川の23本(2017年)、内田靖人の12本(楽天・2018年)、筒香の10本(2012年)と続く。

バティスタに関してはドーピング違反のため契約解除となり、そのプレイを観ることは叶わなくなったが、内田に関しては、今季オープン戦で打率.333、OPS.975と奮闘しており、活躍に期待がかかる。

二度のファーム本塁打王に輝いた陽川、メヒアはブレイクなるか

ここまでは過去の記録を見てきたが、ここからは今後期待の選手について見ていこう。

今回取り上げた中で圧倒的な実績を誇る筒香、山川の共通点としては、二度ファーム本塁打王に輝いていることが挙げられる。いずれも1年目に20本以上を放ち、文句なしのファーム本塁打王となった。近年の活躍はここに記すまでもないだろう。

残念ながら、この高い水準に達する選手はいないが、二度のタイトルということで言えば、陽川尚将(阪神)、メヒア(広島)の2名が該当する。いずれも3、4年目にタイトルを獲得し、20本塁打以上を記録した。

陽川は2018年に、一軍で75試合に出場して6本塁打を放つなど長距離砲の片りんを見せているが、筒香、山川と同じ91年生まれの28歳。もう若手とは言えない年齢だ。しかし、肉体的にピークとなる年齢を迎えてのブレイクにも期待したい。ここまでもオープン戦で本塁打を放つなど奮闘を見せており、定位置奪取の期待がかかる。

メヒアも2019年に56試合で7本塁打を放ち、年々その数字を伸ばしている。外国人枠の関係もあり、まずはチーム内での競争を勝ち抜かなければならないが、そこをクリアして一軍での出場機会を掴めば、一躍ブレイクの可能性もあるだろう。

この2名に、前述の楽天・内田を加えた3名を今季のブレイク候補として期待したい。さらに、ここまでオープン戦打率1割台と苦しんではいるが、2年目に19本塁打を放ちイースタン本塁打王を獲得したロッテの若きスラッガー・安田尚憲にも期待し、シーズンを見守りたい。

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