参入初年度のリーグ優勝を目指すと宣言
3月15日、藤沢商工会館で今シーズンからルートインBCリーグ（以下、BCリーグ）に加入する神奈川フューチャードリームスの新チーム体制発表会が行われた。
本来であれば一般のファンも迎え入れ、ラゾーナ川崎プラザで行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響もあり報道陣のみへ公開。その報道陣も3人がけの会議テーブルひとつにつき1人ずつと感染対策を行なっての対応となった。
藤本伸也球団代表は冒頭の挨拶で、「地域の子どもたち、地域への貢献。そして選手たちをひとりでも多くNPBへ輩出することや引退後のセカンドキャリア。（これらを考えた）球団運営をしていく」と宣言した。BCリーグの基本理念である「野球を通じて、地域の方々に夢と感動を与える」ことにも通じている。
Ⓒ勝田聡
もちろん勝利への執着心も忘れてはいない。
「勝つことで得られる自信、勝つことによる喜びを味わいたい。BCリーグでは、参入初年度のリーグ優勝はないので、神奈川フューチャードリームスは記録をつくりたい。選手、首脳陣たちとともに（参入）初年度優勝を目指していきます」と意気込んだ。
日本一を目指す、そして神奈川のファンを取り込む意識
球団の首脳陣には「神奈川色」が全面に出ている。
監督には、横浜ベイスターズ（現DeNA）で首位打者を2度獲得した鈴木尚典氏が就任した。GMには大洋ホエールズ・横浜大洋ホエールズで活躍した山下大輔氏。球団アドバイザーには横浜DeNAベイスターズなどでプレーし、昨シーズン限りで現役を引退した荒波翔氏がコーチ兼任で迎え入れられている。
ヘッドコーチには東海大相模高校、東海大学そして日本石油でプレーした林裕幸氏が就任した。林氏にはシドニーオリンピックで日本代表コーチを務めた実績もある。
鈴木監督は「1年目から優勝を目指す。神奈川県民からたくさん応援してもらえるチームに」と端的に目標を掲げ、山下GMは「明るく活気のあるチームにしたい。神奈川県は野球王国でありレベルの高い地域。強いチームであることが絶対条件となるので、現場と一体になって強いチームをつくっていきたい」と意気込んだ。
Ⓒ勝田聡
また、荒波球団アドバイザーは「やるからには優勝を目指したい。ファンの方に少しでも多く球場に足を運んでもらえるように努力したい。また、選手たちのプレーを見た子どもたちに『野球をやりたい』『プロを目指したい』と思ってもらえて、感動を与えられるように支えられたら」と子どもたちへの好影響を意識している。
Ⓒ勝田聡
林ヘッドコーチは「思いはひとつです。日本一になるための練習を続けていきたい。楽しみにしていてください」と宣言した。
このように首脳陣たちは、チームの勝利、ファン、そして神奈川についてそれぞれの立場から語った。「優勝」という目標や「神奈川に対する意識」が強く感じられた。
青木颯主将は群馬での経験を伝える
熱いのは首脳陣だけではない。選手たちも新しいチームでの始動に思いを馳せている。
初代キャプテンに任命された青木颯は「チームは日本一、選手は個人個人の目標、その二つを達成できるように、そして神奈川の地域を盛り上げて子どもたちへ夢を与えていきたい」とチームだけでなく個人の目標達成にも言及した。
Ⓒ勝田聡
また、何をチームに浸透させたいかとの問いには、「練習時間をどれだけ大事にできるか。野球についてどれだけ長く考えられるか。日本一になったときの群馬は個々人の意識が高かった」と群馬ダイヤモンドペガサスでの経験を挙げた。
トライアウトで150キロを記録し話題を呼んだ杉浦健二郎は「トライアウトのときとはフォームが全く違います。似ているところはまったくないです（笑）」とフォーム改造に取り組んでいることを明かした。軟式球から硬式球への変更にも苦労しているという。
Ⓒ勝田聡
青木も杉浦も新しい環境でプレーするにあたり、今までより進化を遂げようとしていることが伝わってきた。チームはキャンプに入り、4月11日の開幕戦（対栃木ゴールデンブレーブス／ビジター）、そして4月18日の本拠地開幕戦（対福島レッドホープス／横浜スタジアム）に向けて意識を高めていくことになる。
神奈川フューチャードリームスは、参入初年度でのリーグ優勝を成し遂げることができるだろうか。「独立リーグも神奈川は強い」とファンが叫ぶような盛り上がりを期待したい。
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