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山岡泰輔はオリックス開幕戦の連敗を8で止められるか?

2020 3/6 11:00勝田聡
オリックス・山岡泰輔投手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2年連続で山岡が開幕投手に、球団記録は山田久志の12年連続

最下位からの脱出を目指すオリックスでは、2年連続で山岡泰輔が開幕投手の大役を務めることになった。昨年は8回3失点と好投したものの勝ち星はつかず、チームは延長10回サヨナラ負けを喫している。今年こそ開幕戦で白星をつかみ取りたいところだろう。

さて、オリックスにおける開幕投手の歴史を振り返ると、2000年以降では、川越英隆が2005年から2007年に3年連続で任されたのが最長。その他では金子千尋(現・金子弌大/日本ハム)が6度務めたが、2度の2年連続が最長だった。複数年連続の開幕投手という点では、今年から背番号「19」を受け継いだ山岡は、金子に並んだことになる。

さらに歴史を遡ると、阪急時代、山田久志が12年連続(1975年〜1986年)で開幕投手を務めた。これはオリックス(前身球団含む)の球団記録であることはもちろん、プロ野球記録にもなっている。

12回の開幕戦の勝敗は8勝2敗。なかでも1975年から1979年までは5年連続で白星を手にしている。この5年連続開幕戦勝利も日本記録である。

開幕戦は8連敗中、うち延長が4度

オリックスの開幕戦戦績2011年~19年ⒸSPAIA


オリックスの開幕戦成績を振り返ってみると、ここ数年は苦しんでいる。なんと2010年を最後に白星から遠ざかっているのだ。

2011年は延長12回引き分けだったこともあり、2012年から昨年まで8連敗中。これは球団史上ワーストでもあり、引き分けを挟まない記録では、1952年~59年の東映(現日本ハム)と並んでパ・リーグワーストでもある。

また、8連敗のうち延長戦までもつれ込んだのが、昨年を含めて4回もある。連敗が始まる前年の2011年も引き分けだったことを考えると、9年間で5度の延長戦ということだ。

そのスコアを見ると大敗は1度もなく、サヨナラ満塁弾で決着のついた昨年を除きすべて2点差以内の接戦だった。まさに接戦をものにできていないのである。

ちなみに開幕戦連敗の日本記録は、阪神の11連敗(1991年〜2001年)である。オリックスにまだ猶予はあるが、そろそろ連敗を止めたいところだ。

山岡は紅白戦、オープン戦でも好投

連敗ストップの役目を託された山岡は、ここまで順調に調整できている。今年は2月1日のキャンプ初日からブルペンに入ると、ストレートだけでなく変化球も投げ込む力の入れようだった。

シート打撃での登板を経て迎えた2月21日の紅白戦では、もうひとりの開幕投手候補だった山本由伸とのマッチアップ。山岡は初回に吉田正尚から本塁打を打たれ、2回2失点だったが悲観する様子もなく、「全球種を試せた」と前を向いていた。

この翌日に西村徳文監督が開幕投手を発表したことからも、できがよかったことがうかがえる。

2月29日の日本ハム戦(オープン戦)では、開幕投手が公表されてから初めて登板し、5回を投げ被安打1、与四球1、無失点。70球と少ない球数でまとめてみせた。

山岡は2017年の入団1年目から3年連続で規定投球回に到達し、昨年、最高勝率のタイトルも獲得した。ここまでは着実にステップアップしていると言っていいだろう。今年は開幕戦の連敗を止め、1996年以来のリーグ優勝までチームを導きたい。

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