森下は開幕ローテーション入りが当確
2月1日に始まった春季キャンプも全球団が打ち上げた。新型コロナウイルスの影響もありオープン戦が無観客試合となったが、選手、首脳陣たちのやることは変わらない。ここからは開幕戦に向けて、オープン戦で最後の調整を行っていく。今まで以上に熾烈なレギュラー、開幕一軍争いが繰り広げられることになるはずだ。
そのなかで注目されるのは各球団のルーキー、それもドラフト1位の選手たちだろう。高校生の金の卵、大学生や社会人出身の即戦力候補と、様々な立場にあるセ・リーグのドラ1ルーキーたちのここまでを振り返ってみたい。
セ・リーグでは森下暢仁(明治大→広島)が唯一、春季キャンプで一軍スタートだった。シート打撃で結果を残しただけでなく、オープン戦でもここまで2試合に登板し、6回を投げ2失点とここでも安定した投球を見せている。
報道によると、開幕3戦目の中日戦での登板が有力視されており、開幕ローテーション入りはほぼ当確。また、すでに新人王候補にも名前が挙がっているほどだ。V奪回を目指すためにも森下の奮闘は欠かせない。まずはローテーションをしっかりと回ることが求められる。
森、石川はアクシデントがありながらも確かな手応え
実戦で結果を残したのが森敬斗(桐蔭学園高→DeNA)だ。二軍の練習試合で結果を残すと、2月19日には一軍の練習試合ロッテ戦にスタメン出場。その試合でも安打を放っている。その後、右足甲の違和感で練習試合を回避し、別メニューとなっているのは少し心配だが、新世代の息吹を感じさせてくれる活躍だった。
DeNAは遊撃のポジションを大和と柴田竜拓のふたりが一軍でレギュラーを争っているが、今年で大和は33歳、柴田は27歳になる。そろそろ次世代の遊撃手を育てていきたいところだろう。このオープン戦では23歳の百瀬大騎がチャンスをもらっているが、ここまでは結果残すことができていない。数年後に大和、柴田らから森がそのポジションを受け継ぐことになるかもしれない。
森と同じように練習試合で結果を残しながら、アクシデントで様子を見ているのが石川昂弥(東邦高→中日)である。2月19日の練習試合での一軍抜擢をほぼほぼ手中に収めていたが、直前に左肩痛を発症し大事を取った。すでにバント練習などは行なっており、完全復帰まであと少しとなっている。
与田剛監督からは三塁のポジションで高橋周平を脅かす存在になることを期待されている。すぐにレギュラー争いに加わることは難しくても、怪我が癒え二軍で結果を残すことができれば、早い段階での一軍での起用もありそうだ。
奥川、堀田、西ら高卒の投手たちは一歩ずつ
今年のルーキーで大注目のひとりである奥川恭伸(星稜高→ヤクルト)は、1月の新人合同自主トレ中からノースロー調整が続いていた。そこからネットスロー、キャッチボールと順調に回復すると2月22日には初のブルペン入り。その後も24日、29日と2度ブルペンに入り投球を披露している。高津臣吾新監督もその投球を見て絶賛しているが、一軍での起用には慎重な様子。じっくりと育てていく方針となりそうだ。
堀田賢慎(青森山田高→巨人)は右肘の炎症の影響で別メニュー調整が続いていたが、すでにキャッチボールは再開。1年目は二軍・三軍で体を作ることが規定路線。シーズン半ばまでに一軍で登板することはなさそうだ。早くても昨年の戸郷翔征のようにシーズン終盤となりそうだ。
西純矢(創志学園高→阪神)は、春季キャンプ終盤の2月25日に二軍ではあるが打撃投手に初登板した。自チームの若手相手だが、安打性のあたりはほとんどなく好投。「50点くらい」と自己採点は厳しめだが、内容は評価されており早ければ3月の教育リーグで実戦デビューする可能性もあるとのこと。西が虎のエースへ向け、第一歩を踏み出した。
【2019年ドラフト1位<セ・リーグ>】
巨人:堀田賢慎(青森山田高/投手)
DeNA:森敬斗(桐蔭学園高/内野手)
阪神:西純矢(創志学園高/投手)
広島:森下暢仁(明治大/投手)
中日:石川昂弥(東邦高/内野手)
ヤクルト:奥川恭伸(星稜高/投手)
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