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故障者続出のソフトバンク バレンティン、岩嵜翔ら新旧戦力で穴埋め図る

2020 3/3 06:00勝田聡
ソフトバンクのバレンティン選手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

バレンティン、ムーアら新戦力が結果

4年連続日本一、3年ぶりのパ・リーグ制覇を目指すソフトバンクでは、今年から加わった新戦力がしっかりと結果を残している。

NPB通算288本塁打の大砲であるウラディミール・バレンティン(前ヤクルト)は、2月26日に行われたロッテ戦(練習試合)で待望の移籍後初本塁打を放つと、3月1日の阪神戦(オープン戦)でも一発。さっそく持ち前のパワーを発揮している。

MLB通算54勝の左腕で先発候補のマット・ムーア(前タイガース)は、3月1日の阪神戦(オープン戦)で1回無失点。ストレートは150キロを超えており、2三振を奪った。外国人枠の問題もあるが、開幕ローテーション入りはほぼ確実となった。

ルーキーでは、ドラフト1位の佐藤直樹が、オープン戦初打席で三塁打を放ち、外野の一角を奪わんとアピール。ドラフト3位のサイドスロー右腕である津森宥紀は好投を続けている。2月26日に行われたロッテ戦(練習試合)で2回無失点、3月1日の阪神戦(オープン戦)でも2回無失点と結果を残した。中継ぎとして開幕一軍入りは間違いなさそうだ。

新しく戦力として台頭しそうな選手もいる。育成契約の大砲候補・リチャードと右腕の尾形崇斗だ。現時点では育成契約のままだが、3月に入っても一軍に帯同を続けており、オープン戦では出場機会を与えられている。とくに尾形は2試合で5回無失点、5奪三振、与四球はわずかに1個と上々の出来。最速152キロのストレートにスライダーとフォークなどを操り、三振を奪う能力に長けている。

千賀滉大や甲斐拓也、牧原大成に周東佑京と次々に育成契約から主力が生まれるソフトバンクに、また新星が誕生するかもしれない。

苦しい台所事情だが岩嵜翔とサファテが復帰予定

投手陣にけが人が相次いでいる。開幕投手の大本命だった千賀滉大はここまで実戦登板がない。2月29日にはリハビリ組に合流し、復帰の目処が立っていない状態だ。

その他にも投手陣では高橋礼がキャンプ中盤に左太もも裏を痛めて離脱。2月24日にブルペンに入ったが、開幕に間に合うかは不透明な状況だ。千賀、高橋礼と昨シーズン2桁勝利を挙げたコンビが開幕不在の可能性もある。

中継ぎ陣では2年目の甲斐野央が右肘靭帯損傷により離脱。トミー・ジョン手術ではなくPRP治療を選択しており、状態によっては今シーズン中の復帰も見えてくる。しかし、開幕一軍入りは絶望的。チームは昨シーズン65試合に登板したセットアッパーも欠いた状態で開幕を迎える。

その他にも田中正義や大竹耕太郎といった先発候補たちも戦列を離れており、台所事情はかなり苦しい。

一方で復活を目前にしている選手もいる。まずは2017年の最優秀中継ぎ投手である岩嵜翔。2月29日の阪神戦(オープン戦)で1回無失点。わずか7球で阪神打線を封じ込めた。

そしてデニス・サファテである。昨年は故障で離脱しており1試合の登板もなかったが、今年は2月1日からキャンプに合流。すでにブルペンでの投球も行なっており、オープン戦での登板も予定されているという。NPB通算234セーブの豪腕が開幕から一軍に復帰できれば心強い。

かつてチームを支えた中継ぎ投手たちが戻ってくることで、故障者の穴を埋めることになりそうだ。

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