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日本ハム・中田翔は4番死守なるか? 開幕投手の有原航平も順調

2020 2/29 11:00勝田聡
北海道日本ハムファイターズの中田翔ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

中田翔を中心とした白熱する4番争い

昨年の日本ハムは序盤から首位争いを演じていたが、徐々に失速し最終的には5位に終わっている。今年は「北の侍」こと小笠原道大氏をヘッドコーチ兼打撃コーチとして招聘し、巻き返しを図っている。その小笠原コーチ効果なのか4番争いが白熱している。

栗山英樹監督は就任以来、ほぼ中田翔を4番に据えてきた。昨シーズンはその割合が減ったとはいえ、124試合に出場したうちの115試合でスタメン4番を張っていた。しかし、今年は「1番打つやつを使う」と宣言しており「4番・中田」にこだわっていない。

その言葉通り、2月19日に行われた練習試合の広島戦では4番に大田泰示が座り、中田は5番だった。それが発奮材料となったのか、その試合で中田は本塁打を放ち、貫禄を見せている。

その後のオープン戦3試合ではすべて「4番」で起用されているが、これは候補の一人である大田が両足の張りで欠場していることもある。大田が万全な状態で戻ってくれば、また争いとなるはずだ。

もちろんその他にも候補はいる。来日2年目の王柏融もオープン戦で打率.429(7打数3安打)と好調だ。3安打はすべて二塁打というのも心強い。万全であれば4番争いに入ってきてもおかしくはない。

練習試合での5番での起用に中田は、「悔しかった」と表現したものの、後日「どうでもいい。任されたところでしっかりとやるだけ」と発言し直している。中田の発言はいかようにも解釈できるが、結果を残したことによる自信の表れかもしれない。

栗山監督が言う「1番打つやつ」は誰になるのだろうか。

有原航平ら先発投手陣が順調な仕上がり

栗山監督は昨シーズンから先発投手に長いイニングを投げさせず、早い段階で継投を繰り出す「ショートスターター」の戦略を取り入れた。全投手ではないが、今年も同様の戦略を用いて戦っていくことは明らかになっている。

そんな中、ショートスターターとは無縁の有原航平に開幕投手を託した。それも2月21日午後2時21分に発表している。栗山監督によると「チームから20勝投手は久しく出ていない。20を目標とするとなかなか届かない。だからそれを超えたところで伝えた」とのこと。有原に対しての並々ならぬ思いが込められているわけだ。

この言葉からも有原は基本的には勝ち星がつかないショートスターターではなく、従来どおりの先発投手として期待していることがよくわかる。

当の有原は順調そのもの。2月22日の巨人戦では2回を無安打無失点と完璧な内容。わずか18球で巨人打線を討ち取っている。3月20日の開幕戦に向け視界良好といったところだろう。

一方で移籍2年目となる金子弌大は違う形でアピールをしている。2月24日には3日連続となるブルペンに入り、連投ができることをアピール。今年の金子は投げる場所にこだわらず、50試合、120回をなげることを目標として掲げている。そのためには連投も辞さない構えだ。これまでにも斬新なことを行なってきただけに「3連戦3先発」といった起用の可能性も0ではなさそうだ。

昨年の6月に左膝を骨折し長期離脱中の上沢直之の復活も目前だ。当初は、夏場以降での復帰が濃厚と見られていたが、現時点で捕手を座らせた投球練習を行なっている。早ければ4月には登板する可能性もあるという。エース格の復帰はなによりもチームにとって心強い。

投打ともに主軸選手たちはここまで順調に来ている。2016年以来4年ぶりの日本一奪回となるか。

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