アダム・ジョーンズが実戦デビュー
昨年は最下位と低迷したオリックスだが、このオフシーズンNo.1とも言える大物選手を補強した。MLB通算282本塁打のアダム・ジョーンズである。ジョーンズは昨シーズンも137試合に出場し打率.260(485打数126安打)、16本塁打を記録しているバリバリのメジャーリーガーだ。
そんなジョーンズは2月1日のキャンプイン前に来日し、徐々に体をならすと2月23日のソフトバンク戦でオープン戦デビュー。2打席で三振と四球に終わったが、「これから修正していく」と前を向いている。これからのオープン戦で状態を上げてくるだろう。
ジョーンズの話題一色となっているが、その他にも外国人選手を補強している。三塁手候補のアデルリン・ロドリゲスは序盤の紅白戦には出場したものの、2月20日に右外腹斜筋損傷でリハビリを行うことを発表。開幕までには復帰できる見込みとなっているが、調整は遅れてしまった。
投手では中継ぎ候補のタイラー・ヒギンスが加わった。2月24日に行われた斗山(韓国プロ野球)との練習試合で1回無失点の好投。三振は奪っていないが、最速は150キロを超えており、内野ゴロ3つでアウトを取った。今後はセットアッパーとしての起用となりそう。守護神のブランドン・ディクソンとの外国人リレーとなるかもしれない。
山岡泰輔が2年連続の開幕投手に
オリックスが誇る2枚看板、山岡泰輔と山本由伸が21日に行われた紅白戦で激突した。山岡は吉田正尚に一発を浴び2回2失点の内容だったが、「全球種を試すことができた」と悲観的な様子はない。一方の山本は1回をわずか9球で無失点に抑えている。
西村徳文監督もこの2人から開幕投手を選ぶと話していたが、紅白戦から一夜明けた22日に「山岡でいきます」と発表。山岡は2年連続の大役となった。
オリックスの投手陣を見ると山岡と山本の柱がしっかりしており、田嶋大樹や外国人枠の関係はあるもののアンドリュー・アルバースといった3番手、4番手にも目処が立つ。課題の得点力不足をジョーンズで解消できれば、上位浮上の芽も十分に出てくるだろう。
また、2月20日に育成契約の漆原大晟が支配下契約された。漆原は2018年育成ドラフトで1位指名された大卒2年目の右腕。昨シーズンはウエスタン・リーグで23セーブを記録。ルーキーながら最多セーブのタイトルを獲得している。オフにはプエルトリコのウインターリーグでも結果を残し、この春季キャンプでは一軍スタートを勝ち取っていた。
主力選手のように調整をマイペースでできる立場ではなく、春季キャンプ序盤から打撃練習で打撃投手を務め、紅白戦でも早い段階から登板していた。そこで結果を残したことが支配下契約につながったと言えそうだ。
オープン戦での登板はないが、2月21日の紅白戦、2月24日の斗山との練習試合ともに1回を無失点に抑えている。
今後も中継ぎとしての起用が濃厚だが、勝ちパターンはディクソン、ヒギンスの外国人コンビをのぞくと確立されておらず、結果を残し続けることで大抜擢もありそうだ。
近年、オリックスでは榊原翼、張奕 、神戸文也と育成契約で入団した投手たちが次々に支配下登録を勝ち取り、一軍の戦力となった。漆原もこの流れに乗っていきたいところだ。
2020年プロ野球・オリックスバファローズ記事まとめ