大瀬良大地、クリス・ジョンソンは好調も野村祐輔が離脱
セ・リーグ4連覇を逃した広島は、今シーズンから佐々岡真司新監督が指揮を執る。広島において投手出身の監督は、1967年の長谷川良平監督以来53年ぶり。どのような采配を振るうか注目されている。
すでに開幕投手には大瀬良大地を指名した。その大瀬良は2月23日の阪神戦で3回1失点と無難な投球。5安打を浴びたものの無四球、37球でまとめており、不安はない。この試合では左のエースであるクリス・ジョンソンも登板。こちらも3回1失点とまずまずの内容だった。
新外国人のDJ.ジョンソン、テイラー・スコットも同じ試合でともに1回無失点と結果を出した。残留しているヘロニモ・フランスアも同じく1回無失点。外国人枠争いも激しい。
昨年のドラフト1位の即戦力候補・森下暢仁も2月22日のヤクルト戦で、オープン戦デビューを果たしている。初回にいきなり2点を失ったものの、その後は修正。3回2失点の内容だった。
この試合では強打者・山田哲人のインコースを立て続けに攻めるなど、度胸のある一面も見せた。また、キャンプ中のシート打撃でも好投しており、開幕ローテーション入りは間違いなさそうだ。
一方で心配なのは野村祐輔である。春季キャンプ序盤で右腓腹筋損傷による離脱。すでにキャッチボールは開始しているものの、一軍復帰の目処は立っていない。開幕に間に合うのかどうかも現時点では不透明。先発ローテーションの一員として数えられていただけに不在は痛い。
遠藤淳志やアドゥワ誠ら若手投手陣の躍進に期待がかかる。
小園海斗は三塁起用も視野に?
昨シーズン不振を極めた田中広輔が復活しつつある。ここまでのオープン戦では3試合連続で「1番・遊撃」でスタメン出場を果たしており、打率.286はまずまずの数字。昨夏に右膝の手術を行なったが、それを感じさせない動きを見せている。
佐々岡監督は、小園との競争を促しているものの、ここまでの起用を見る限りは田中を遊撃で考えているように見える。小園は昨シーズンのような田中が極度の不振に陥ったときのバックアップ、もしくは三塁での起用が濃厚だ。
現時点では三塁のレギュラー候補は新外国人のホセ・ピレラだが、そのピレラはMLBで主に外野と二塁を守っていた。今の陣容を見ると、左翼での起用もありえる。ピレラが左翼へ回ることになれば、小園がそのまま空いた三塁に入る可能性が高い。
小園はオープン戦で三塁の守備についていないが、練習では遊撃だけでなく三塁も守っており準備中。出場機会を求めどこでも守るつもりだ。
一塁は堂林翔太と安部友裕の一騎打ち
野手では遊撃手争いに注目がいくが、一塁の争いも熾烈なものとなっている。昨シーズンの一塁はサビエル・バティスタ(89試合)と松山竜平(32試合)が、スタメンの大半を占めていた。
バティスタは禁止薬物の使用の影響があり、現時点では広島と契約を結んでいない。保留者名簿には記載があるものの、今後の契約に関しては不透明な状況だ。そういった事情もあり、松山がレギュラー候補最右翼だったわけだが、腰痛のため現在はリハビリ中。復帰の目処は立っていない。
そのなかで一塁のレギュラーを争っているのが、堂林翔太と安部友裕のふたりである。堂林は3試合すべてに出場し、打率.500(8打数4安打)と絶好調。一方の安部も3試合で打率.429(8打数3安打)、1本塁打と負けていない。
堂林が右、安部が左ということもあり、相手投手によって併用の可能性はあるものの、本人たちは確固たるレギュラーを狙っていることだろう。最後の最後まで熾烈な争いが続きそうだ。
2020年プロ野球・広島東洋カープ記事まとめ