「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

筒香の穴はオースティンで埋まる? 投手陣では濱矢廣大が先発に名乗り

2020 2/28 11:00勝田聡
横浜DeNAベイスターズのタイラー・オースティン/佐野恵太/濱矢廣大ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

新外国人オースティンがすでに3本塁打

DeNAはこのオフシーズンに筒香嘉智(現・レイズ)が退団した。その穴は間違いなく大きい。しかし、打撃面では新外国人のタイラー・オースティンが埋めてくれるかもしれない。

オースティンはオープン戦初戦となった2月16日の巨人戦で、2打席連続本塁打を含む3安打猛打賞と衝撃のデビュー。その1試合だけでなく、23日の中日戦でも2打数2安打と当たりは止まらない。24日の日本ハム戦でも一発を放った。ここまで4試合中3試合に出場し打率.857(7打数6安打)、3本塁打と大爆発。本塁打を記録しているだけでなく、外の変化球にもバットが止まっている点も評価されている。

ここまでのオープン戦で、ラミレス監督はオースティンを「2番」で起用している。シーズン中も同様の打順で起用するとなれば、驚異の打線となりそうだ。また出場した3試合は指名打者、もしくは右翼での起用だった。筒香の抜けた左翼ではなく右翼での起用が濃厚となりそうだ。

レギュラー復帰を狙う梶谷隆幸も、ここまでのオープン戦4試合全てに出場し打率.500。試合では中堅、右翼の守備についているが、練習中には左翼でノックを受けることもある。どこでも守備につけるのは起用の幅を広げてくれる。

昨シーズンの二冠王であるネフタリ・ソトは一塁と右翼での起用が続いており、二塁では未出場。空いている二塁のポジションは、柴田竜拓と伊藤裕季也の争いとなりそう。その伊藤は2月22日の楽天戦で途中出場ながら2つの失策。試合終了後に黙々と練習に励んでいた。打撃だけでなく守備も重要なポジションだけにレベルアップは欠かせない。

主将の佐野恵太はオープン戦4試合目の出場となった2月24日の日本ハム戦で、ようやくあたりが出た。奇しくも海の向こうで筒香がオープン戦初安打を放ったのと同じ日だった。ここまでの全試合で「4番・左翼」で起用されており、ラミレス監督からの期待は大きい。4番・左翼・主将をどこまで担うことができるだろうか。

移籍2年目の左腕・濱矢廣大が先発候補に名乗り

投手陣ではエースの今永昇太が2月24日の日本ハム戦で先発登板。4回を1失点と無難にまとめている。1点を失いはしたものの、無四球そして連打を許すこともなく安定していた。2年連続の開幕投手大本命だ。

この試合で今永の後を継いだのは、2月19日のロッテとの練習試合で左腕に打球が直撃し降板していた山﨑康晃だった。いつもとは違う試合半ばの5回という場面だったが1回無失点投球。大きな怪我などの心配はなさそうだ。

大きな収穫となりそうなのは移籍2年目となる濱矢廣大だ。2月23日の中日戦で先発し4回1失点と好投。76球と球数は多かったものの、与四球は1つだけと結果を出した。これでオープン戦は2試合で6回2失点とまずまずの内容を見せている。オフには、メキシコのウインターリーグで7試合、防御率1.44という結果を残しており、その成果が現れている。東克樹がトミー・ジョン手術による離脱が決定したが、思わぬところから新戦力が浮上してきた。

2月23日には離脱していたエドウィン・エスコバーが二軍でブルペンに入った。まだ、本格的な実戦登板はいつになるかわからないものの、復帰に向けて前進していることは確かだろう。エスコバーの復帰は中継ぎ陣にとって朗報であることは間違いない。しかし、ラミレス監督にとっては悩みにもなる。外国人枠は4つしかないからだ。

オースティンがこれだけの打棒を見せており、ソトとロペスの野手ふたりももちろん健在。スペンサー・パットン、マイケル・ピープルズの両投手を含めた6人による外国人枠の争いは、しばらく続きそうだ。

2020年プロ野球・横浜DeNAベイスターズ記事まとめ