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中日・山本拓実は大炎上から修正、根尾昂もOP戦でマルチ安打 昇竜復活へ若手躍動

2020 2/26 11:00勝田聡
中日ドラゴンズの山本拓実ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

梅津晃大は要所を締める投球

今年は与田剛監督が2年目のシーズンとなる。昨年は順位こそ5位だったが、若手の成長も目立ち収穫の多い1年だった。

この春季キャンプでも投手では山本拓実、梅津晃大、野手では根尾昂らが一軍スタートを勝ち取っている。

そんな中、山本は2月4日の紅白戦、2月8日の阪神との練習試合では好投を見せたものの、2月16日の広島戦では4回6失点と大炎上。しかし、1週間後の2月24日楽天戦では2回無安打無失点投球とみごとに軌道修正を行なっている。この投球で先発ローテーション入りへ大きく近づいたと見ていい。

一方の大卒2年目・梅津も順調だ。山本が打ち込まれた練習試合で2回無失点。被安打4と安打を許してはいたが、得点を与えずしっかりと「0」に抑えた。オープン戦での登板機会はまだないものの、順調な仕上がりと言えそうだ。

左腕エース候補の小笠原慎之介は、2月24日の楽天戦で先発登板。毎回走者を出す苦しい投球内容で4回3失点、被安打7、与四球3の内容だった。球数も76球とやや多い。もう少し修正が必要なようだ。

先発ローテーションの軸として期待される大野雄大と柳裕也のふたりも、すでにオープン戦でマウンドに登っている。2月23日のDeNA戦で大野は3回3失点、柳が3回4失点とともに打ち込まれた。すでに開幕投手が決まっている大野に対し与田監督は、「どう修正するかが大事」と今回の結果に関して特に気にする素振りは見せていない。開幕までの登板は残り4回ほどが予定されており、そのなかでどこまで修正できるかが鍵となる。

大野や柳といった核となる投手に山本と梅津が年間を通して加わってくれば、ローテーションは一気に厚くなる。

中継ぎ陣では育成新外国人のヤリエル・ロドリゲスが150キロを超えるストレートを早くも披露。スライダーも切れが鋭い。現時点では登板機会が少ないものの、支配下登録される可能性もありそうだ。

2018年ドラ1根尾昂からも快音

野手陣では平田良介が好調だ。2月22日の阪神戦では本塁打を含む2打数2安打。実績のある主力ということもあり春季キャンプは二軍スタートだったが、一軍合流その日にいきなり結果を出した。

主将の高橋周平も平田が本塁打を記録した翌日に一発を放った。チームの主軸2人が、オープン戦序盤からしっかりと結果を残している。

注目の集まる2018年ドラフト1位の根尾昂は、2月16日に行われた練習試合で2打席連続三塁打を放ち、24日のオープン戦でも2安打を記録した。打撃面で結果を残し始めたのは良い兆しだ。守備は中堅、左翼そして二塁を守っている。複数のポジションを守ることができれば、出場の機会はぐっと広がってくるはずだ。

その他では正捕手争いが熾烈となっている。昨シーズンはもっとも先発マスクをかぶった加藤匠馬が、2月22日の阪神戦で味方投手の持ち味を出すことができず6失点。そのまま二軍降格となった。開幕スタメンの有力候補だっただけに、この先誰がその座を射止めるのかは読めない。

オープン戦では無安打だが、紅白戦や練習試合では打撃で結果を出した木下拓哉。ルーキーの郡司裕也も打撃好調。この春季キャンプでも一軍に帯同を続けている。

故障離脱していた石橋康太も2月24日に一軍に合流した。さっそくその日の楽天戦から途中出場。安打こそ出なかったものの、犠飛を記録し盗塁阻止もあった。高卒2年目ということもあり、いきなりの開幕スタメンマスクは難しいかもしれないが、この時期に再びの一軍昇格そしてオープン戦出場は期待されている証でもある。開幕一軍の可能性は十分にありそうだ。

2019年ドラフト1位の石川昂弥は結果を残しつつあったが、左肩を痛めたことで一軍昇格はお預けとなった。シーズン開幕後の楽しみとなりそうだ。

主力選手だけでなく投手は山本や梅津、野手では根尾や石橋ら若い選手たちが、結果を残し始めると選手層が厚くなっていく。昇竜復活へ若手の躍動が鍵となる。

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